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不貞(不倫)慰謝料の裁判例の紹介(3度にわたって妻に不貞(不倫)関係が発覚したにもかかわらず、約4年間不貞(不倫)関係を続け、別居に至った場合の慰謝料額

2022-04-26

1 本事案の概要

 ご紹介する裁判例は、東京地方裁判所平成19年7月31日判決です。

不貞(不倫)相手であるYは、夫であるAと約4年間にわたり不貞行為を重ね、その間3度にわたり妻であるXに不貞(不倫)関係が発覚していました。その結果、XA夫婦は別居に至りました。

そのため、Xは、Aの不貞(不倫)相手であるYに対して500万円の慰謝料を請求しました。なお、Xは、子どものことを考え、Aとは離婚していませんでした。

2 認容された慰謝料額

  150万円

3 算定にあたって考慮された事情

 ⑴ 増額事情

・YとAとは、遅くとも平成14年3月ころから平成18年4月ころまで不貞関係にあったのであり、夫婦及びBの3人の幸福な家庭生活を侵害され、それも3度にわたって、Aの背信を目の当たりにした

 ⑵ 減額事情

・Aは、妻であるX及び子があり、自ら、婚姻共同生活の平和と維持を遵守すべき義務がありながら、あえてこれを破り、被告と不貞関係を結んだものであり、Xの精神的損害につき直接的かつ重大な責任を負うべきものであること

・被告が9歳年上であるAに対し積極的に誘惑したとは考えにくいこと

4 弁護士からのコメント

 本事案において、Aの不貞(不倫)があったものの、判決時点において、XとAは離婚までには至っていませんでした。不倫や浮気(不貞)の事実はあるが、離婚しなかった場合の慰謝料額については、過去の裁判例などからすると50万円から100万円程度になることが多いです。
 そうすると、本事案における150万円という慰謝料額は、離婚しなかった場合の慰謝料額としては高額であるといえます。その理由としては、やはり3度にわたり不倫(不貞)が発覚しているにもかかわらず、約4年という長期間にわたり不倫(不貞)関係を続けたということを重く考慮したためであると考えられます。

 よって、本事案のような不貞(不倫)期間が長かったり、配偶者に不貞(不倫)が発覚したにもかかわらず不貞(不倫)関係を継続するといった事情は、一般的に慰謝料金額を増額させる事情といえるでしょう。

ゴールデンウイーク期間中の休業日について

2022-04-26

ゴールデンウイーク期間中の休業日についてご案内します。

2022年4月29日(金)から2022年5月6日(金)までお休みを頂きます。

上記期間中に頂いたお問い合わせについては、2022年5月9日(月)から順次、ご連絡させて頂きます。

ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

不貞(不倫)慰謝料の裁判例の紹介(不貞相手が夫の子を2度妊娠し、2度とも中絶していた場合の慰謝料額)

2022-02-26

1 本事案の概要

ご紹介する裁判例は、東京地方裁判所平成24年6月19日判決です。

不貞(不倫)相手であるYは、夫であるAの子を2度妊娠し、2度とも中絶していました。YはAとの不貞行為以外にも、Aの妻であるXの自宅の固定電話やXの携帯電話等に対する無言電話等の執拗かつ悪質な嫌がらせ行為をしていました。

そのため、Xは、Aの不貞(不倫)相手であるYに対して400万円の慰謝料を請求しました。なお、本裁判中にXとAとの離婚が成立していました。

2 認容された慰謝料額

170万円

3 算定にあたって考慮された事情

⑴ 増額事情

・Yは、Aが結婚していことを認識しながら、Aの求めに応じて性的関係を持つに至ったこと

・YとAの不貞期間が約4年(平成18年7月から平成22年6月1日まで)に及ぶこと

・平成18年11月2日及び平成19年7月29日にAの子を中絶していること

・平成19年11月16日にYがAに暴行を受けた以降、Yは、Aに対して関係の終了を切り出したものの、Aがこれを受け入れなかったため、なお自らの意思でAとの関係を継続したものであることは否定できないこと

・不貞行為以外にも、Yは、平成21年以降、Xの自宅の固定電話やXの携帯電話等に対する無言電話、手袋の投げつけ行為その他の執拗かつ悪質な嫌がらせ行為をしたこと

・XがAとYとの間の不貞関係を認識するに及んで、XとAとの夫婦関係の破綻は決定的となったこと

⑵ 減額事情

・Yが、平成19年11月16日から平成22年6月1日までの間、Aとの間で性的関係を継続したのは、Aから、同関係を継続するよう懇願されたり脅迫的言辞を用いられたりしたためであるという面もあること

・Yは、Aから、勤務先への来訪、自宅周辺での待ち伏せ、携帯電話等への執拗な架電といった被害を受けており、精神的にも相当疲弊していたこと

・YのXに対する前記嫌がらせ行為は、Yに対して甘言を弄しながら一向にそれを実現しないAに対する強い苛立ちや、Xに対する嫉妬心の現れであること

4 弁護士からのコメント

不貞(不倫)相手が夫の子を2度妊娠し、2度とも中絶していただけでなく、妻に対して執拗かつ悪質な嫌がらせ行為をし、離婚にまで至らせたという増額事情がありながら、170万円という慰謝料額は、低い印象を受けます。

しかし、本事案は、不貞(不倫)関係に至った経緯等について、夫(A)に多大な責任があるという事情もあり、非常に特殊な事案であったことから、そのような事情が慰謝料金額に影響を与えたと考えられます。

よって、本事案のような特殊な事情がない不貞行為による慰謝料請求の場合、不貞(不倫)相手の妊娠や中絶、執拗な嫌がらせ等の事情は、一般的に慰謝料金額を増額させる事情といえるでしょう。

不貞(不倫)慰謝料の裁判例の紹介(妻の里帰り出産中に夫が不貞を行った場合の慰謝料額)

2022-02-04

1 本事案の概要

ご紹介する裁判例は、東京地方裁判所平成20年12月26日判決です。

原告である妻は、いわゆる里帰り出産のため実家に帰省していました。しかし、夫は、職場の同僚女性(以下「A」といいます)に対して、別居中で離婚予定であると告げ、その旨誤信したAと不貞行為に及びました。

そのため、妻は、夫の不貞(不倫)相手であるAに対して300万円の慰謝料を請求しました。なお、本裁判中に妻と夫との離婚は成立していませんでしたが、妻は、夫に対して離婚を求めており、実質的に婚姻関係が破綻している状態でした。

2 認容された慰謝料額

100万円

3 算定にあたって考慮された事情

⑴ 増額事情

・Aと夫との不貞行為が、原告と夫との婚姻関係破綻の原因なっていること

・Aと夫が、原告が子どもを出産して間もない時期に不貞行為に及んでいること

⑵ 減額事情

・Aは、原告と夫との婚姻関係が破綻しているものと認識し、夫との交際を開始したこと

・原告と夫との婚姻期間が約7か月と短いこと

・Aと原告との不貞期間が約3か月と短いこと

4 弁護士からのコメント

不貞行為の継続期間、婚姻期間の長さといった事情は、慰謝料金額を決める際によく考慮される事情であり、本事案においても、それぞれの期間が短いことが減額事情として考慮されています。

もっとも、このような減額事情はありますが、婚姻関係が破綻している事案としては100万円という慰謝料額は低い印象を受けます。

本事案がこのような慰謝料額となったのは、やはり不貞(不倫)相手が夫の言動により、別居中で離婚予定であると誤信したという特殊性があったからだと考えられます。

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