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配偶者の不倫、しかし本人は「否定」。まず何をすべきか
「不倫しているでしょう」と問い詰めても、配偶者は「そんな事実はない」と頑なに否定する。あなたは、裏切られた悲しみや怒り、そしてどうすればいいのか分からない焦りで、心が張り裂けそうな思いをされていることでしょう。そのお気持ちは、痛いほどよく分かります。
しかし、このような状況で最も避けなければならないのは、感情のままに行動してしまうことです。相手を激しく問い詰めたり、証拠もないのに不倫相手とされる人物に接触したりすることは、かえってあなたの立場を不利にしてしまいます。
この記事では、不倫を否定する配偶者に対して、どのように冷静に対処し、法的に有効な証拠を集め、慰謝料請求という正当な権利を実現していくのか、その具体的な道筋を法律の専門家である弁護士が解説します。まずは落ち着いて、ご自身の未来のために今何をすべきかを一緒に考えていきましょう。
なぜ不倫を認めないのか?否定する配偶者の3つの心理
相手がなぜ事実を認めないのか、その心理を理解することは、今後の対応を冷静に進める上で非常に重要です。不倫を否定する配偶者には、主に次のような心理が働いていると考えられます。

①証拠はないだろうという慢心・楽観
最も多いのが、「決定的な証拠はないはずだ」と高をくくっているケースです。スマートフォンの中身を消去したり、用心深く行動したりしているため、言い逃れができると楽観視しています。このタイプの相手に中途半端な証拠を突きつけても、「それは友人と食事に行っただけだ」などと巧みに言い逃れをされてしまうでしょう。それだけでなく、あなたの追及をきっかけに警戒心を強め、より巧妙に証拠を隠してしまうリスクが非常に高いのです。
②あなたとの関係を壊したくないという保身
不倫という過ちを犯しながらも、あなたとの夫婦関係や家庭を失いたくないという思いから、事実を否定するケースもあります。この場合、配偶者は罪悪感を抱いているかもしれませんが、それ以上に「離婚したくない」「子どもと離れたくない」といった自己保身の気持ちが強く働いています。関係修復を望む気持ちが少しでもあるのかもしれませんが、まずは事実と向き合わなければ、本当の意味での再構築はあり得ません。
③慰謝料の支払いや社会的制裁から逃れたい
不倫の事実を認めれば、慰謝料という金銭的な負担が発生します。また、職場や親族、友人に知られてしまうことによる社会的な信用の失墜を恐れる気持ちも、事実を認めさせない大きな要因となります。特に、社会的地位のある方や、世間体を気にするタイプの方は、この傾向が強いと言えるでしょう。この心理を理解しておくことは、後の交渉において、相手が何を守ろうとしているのかを見極める助けとなります。
【失敗談】証拠がない段階で問い詰めることの危険性
不倫を確信したとき、多くの方が衝動的に相手を問い詰めてしまいます。しかし、これは慰謝料請求において、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

弁護士としての経験から
これまで多くのご相談をお受けしてきましたが、最も悔やまれるのは、「決定的な証拠がない段階で相手を問い詰めてしまった」というケースです。
感情が抑えきれず相手に不倫の事実をぶつけてしまった結果、配偶者は警戒心を最大限に高め、スマートフォンにロックをかけ、SNSのアカウントを削除し、行動も極めて慎重になります。こうなってからでは、私たちが介入しても、法的に有効な証拠を新たに見つけ出すことは極めて困難になります。
「もし、問い詰める前に一度ご相談いただけていれば…」。そうすれば、証拠を保全する方法や、相手に気づかれずに情報を集める具体的なアドバイスができたはずです。そのほんの少しのタイミングの違いで、慰謝料請求の道が閉ざされてしまうこともあるのです。このことを、どうか心に留めておいてください。
不倫を認めさせるには?裁判でも通用する証拠の種類
不倫(法律上は「不貞行為」といいます)を理由に慰謝料を請求するためには、配偶者と不倫相手との間に「肉体関係があったこと」を証明する客観的な証拠が必要です。ここでは、どのような証拠が裁判で有効とされるのか、その重要度をレベル分けして解説します。

【証拠レベル:高】肉体関係を直接示す証拠
これらは、不貞行為の存在を直接的に証明できる、最も強力な証拠です。
- ラブホテルに出入りする写真や動画
- 配偶者や不倫相手が、不貞行為を認めている音声データや録画
- 探偵事務所が作成した、客観的な事実に基づく調査報告書
特に、二人がラブホテルに入り、一定時間滞在した後に二人で出てくる様子が鮮明に撮影された写真や動画は、言い逃れのできない決定的な証拠となります。
【証拠レベル:中】肉体関係を推認させる証拠
単体では弱くても、複数組み合わせることで肉体関係の存在を強く推測(推認)させることができる証拠です。
- 「愛してる」「また泊まりたい」など、肉体関係をうかがわせるLINE、メール、SNSのメッセージ
- 二人で宿泊したことが分かるホテルの予約履歴や領収書
- 不倫相手の自宅に長時間(特に深夜から早朝にかけて)滞在していることが分かる記録
- 配偶者が不倫の事実を認めた念書や誓約書
特にLINEなどのメッセージは、頻度や内容の親密さ、やり取りが続いた期間なども考慮され、重要な証拠となり得ます。
【証拠レベル:低】状況証拠(他の証拠との組み合わせが重要)
これら単体では不貞行為の証明は難しいですが、他の証拠と組み合わせることで、全体の信憑性を高める役割を果たします。
- 二人きりで食事をした際のレシートやクレジットカードの明細
- 不倫相手へのプレゼントの購入履歴
- カーナビの走行履歴や、ETCカードの利用履歴
- 配偶者の手帳やカレンダーにある、不倫相手と会っていたことを示すメモ
これらの状況証拠を丹念に集め、レベル中・高の証拠と結びつけることで、より強固な立証が可能になります。
自分でできる証拠集めの方法と違法にならないための注意点
ご自身で証拠を集める際には、その方法が違法行為にならないよう細心の注意が必要です。合法的な範囲で行える証拠収集の方法と、その注意点を解説します。
| 方法 | 注意点 |
|---|---|
| スマートフォンの確認 | 夫婦間で明示的にロックを共有している等、閲覧に同意がある場合は問題になりにくい一方で、安易に第三者のアカウントや端末のロックを解除したり、パスワードを不正に取得・使用すると不正アクセス禁止法違反やプライバシー侵害(民事責任)、場合によっては窃盗等の刑事責任が生じる可能性があるため、注意が必要です。 |
| 写真・動画の撮影 | 公開されている場所(道路、レストラン、商業施設など)での撮影は基本的に問題ありません。ただし、他人の住居の敷地内に無断で立ち入って撮影すると、住居侵入罪に問われる可能性があります。 |
| 音声の録音 | 自分と相手(配偶者など)の会話を当事者の一方だけが録音することは、単独では直ちに刑事罰の対象とならない場合が多く、民事裁判で証拠として採用されることもあります。ただし、住居侵入や盗聴器設置など別の違法行為を伴う録音や、録音の態様や取得経緯によっては証拠能力が否定されたり刑事・民事責任を問われる可能性があるため、録音による証拠収集は慎重に行う必要があります。 |
| GPSでの追跡 | ストーカー規制法等の改正により、本人の承諾なく他人の所持物(車等)に位置情報取得装置を取り付けて位置情報を取得する行為は規制・罰則の対象となり得ます。夫婦共有と考えられる場合でも所有関係・利用状況や具体的事実で結論が変わるため、安易にGPSを設置するのは避け、設置の合法性については事前に弁護士にご相談ください。 |
証拠集めは、常に法的なリスクと隣り合わせです。少しでも不安を感じたら、行動に移す前に弁護士にご相談ください。
不倫を否定されても慰謝料請求は可能!具体的な3ステップ
有効な証拠が揃えば、たとえ相手が不倫を否定し続けていても、法的な手続きに則って慰謝料を請求することが可能です。その具体的な流れを3つのステップでご説明します。
ステップ1:内容証明郵便による慰謝料請求
まず、弁護士の名前で、不貞行為の事実と慰謝料を請求する旨を記載した「内容証明郵便」を配偶者と不倫相手に送付します。内容証明郵便は、「誰が、いつ、どのような文書を差し出したか」の事実を日本郵便が証明するものであり、相手が「受け取っていない」などと主張することを防ぐ効果があります。ただし、内容証明は文書の記載内容(事実の真偽)を裏付ける証拠とは別であり、実際の請求の成否は別途収集した証拠により判断される点には注意が必要です。
法律の専門家である弁護士からの正式な書面が届くことで、相手に強い心理的プレッシャーを与え、真摯な対応を促す効果が期待できます。
ステップ2:弁護士を介した示談交渉
内容証明郵便の送付後、相手方から連絡があれば、弁護士が代理人として示談交渉を開始します。ご自身で直接交渉すると、どうしても感情的になってしまい、話し合いがこじれてしまうことが少なくありません。弁護士が間に入ることで、感情的な対立を避け、法的な根拠に基づいて冷静かつ有利に交渉を進めることができます。
交渉がまとまった際には、後々のトラブルを防ぐために、合意内容(慰謝料の金額、支払方法、接触禁止条項など)を明記した「示談書」を作成します。この示談書を公正証書にしておけば、万が一支払いが滞った場合に、裁判を経ずに強制執行(給与の差し押さえなど)を行うことも可能になります。
ステップ3:離婚調停・裁判(訴訟)
交渉での解決が難しい場合や、相手が請求を完全に無視する場合には、家庭裁判所に調停や裁判(訴訟)を申し立てます。離婚も同時に求める場合は「離婚調停」の中で慰謝料について話し合います。不倫相手にのみ請求する場合や、離婚せずに慰謝料のみを請求する場合は、地方裁判所に「損害賠償請求訴訟」を提起します。
特に裁判では、これまで集めてきた客観的な証拠が、あなたの主張を裏付ける上で決定的に重要となります。法廷での主張や立証活動は非常に専門的であるため、この段階では弁護士のサポートが不可欠と言えるでしょう。
不倫の慰謝料請求、弁護士に相談すべき理由とタイミング
不倫問題に直面したとき、なぜ弁護士に相談することが重要なのでしょうか。その理由と、相談に最適なタイミングについてご説明します。
弁護士に依頼するメリットは数多くあります。
- 精神的な負担の軽減:つらく複雑な交渉や手続きの窓口をすべて弁護士に任せることで、精神的なストレスから解放されます。
- 法的に有効な証拠収集のアドバイス:何が有効な証拠になるか、どうすれば合法的に集められるか、専門的な視点から具体的なアドバイスを受けられます。
- 適正な慰謝料額の算定と交渉:過去の裁判例などに基づき、あなたのケースにおける適正な慰謝料額を算定し、相手方と対等以上に交渉を進めることができます。
- 煩雑な法的手続きの代理:内容証明郵便の作成から、示談書の作成、調停や裁判に至るまで、専門的で複雑な手続きをすべて代理します。
では、いつ相談すべきか。それは「配偶者の不倫を疑った、その時点」がベストなタイミングです。先述の通り、相手を問い詰めてしまう前にご相談いただくことで、取りうる選択肢が格段に広がります。当事務所の弁護士料金についても、事前に丁寧にご説明いたしますので、ご安心ください。
北九州で不倫・不貞の慰謝料請求にお悩みの方へ
配偶者に不倫をされ、さらにその事実を否定されることは、精神的に非常に大きな苦痛を伴います。お一人で悩み、どうしてよいか分からなくなってしまうのは当然のことです。
私たち平井・柏﨑法律事務所は、事務所開設以来、離婚・男女問題、特に不倫の慰謝料請求に注力し、豊富な解決実績を積み重ねてまいりました。ご相談に来られた方の心を少しでも軽くし、未来に向けて新たな一歩を踏み出すお手伝いをすることが、私たちの使命です。
当事務所では、離婚・男女問題に関する初回の法律相談は60分無料です。男性弁護士、女性弁護士が在籍しており、ご希望に応じて対応が可能です。プライバシーに最大限配慮した完全個室で、あなたのお話を親身にお伺いします。
事務所はJR小倉駅から徒歩約5分と、アクセスしやすい場所にございます。一人で抱え込まず、まずは専門家である私たちにご相談ください。あなたの正当な権利を守るため、全力でサポートいたします。
どうぞお気軽に初回60分無料相談はこちらをご利用ください。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
