不倫慰謝料のよくある誤解3選|北九州の弁護士が解説

はじめに:不倫慰謝料請求にまつわる危険な「思い込み」

「夫(妻)が不倫をした。許せない。でも、慰謝料請求についてインターネットで調べれば調べるほど、何が本当の情報なのか分からなくなってきた…」

配偶者の不倫という、心に深い傷を負う出来事に直面されたとき、多くの方が同じような不安や混乱を抱えていらっしゃいます。インターネット上には「慰謝料の相場は〇〇万円」「この証拠がなければ請求できない」といった情報が溢れていますが、その中には、ご自身の状況には当てはらないものや、法的に不正確な情報も少なくありません。

もし、そうした不正確な情報を鵜呑みにして行動してしまうと、本来得られるはずだった正当な慰謝料を受け取れなくなったり、相手方との関係がさらにこじれてしまったりと、後悔の残る結果を招きかねません。

この記事では、離婚・男女問題に注力してきた私たち、平井・柏﨑法律事務所の弁護士が、ご相談者様から特によく伺う不倫慰謝料に関する「3つの大きな誤解」を取り上げ、法的な観点から分かりやすく解説します。正しい知識を身につけ、ご自身にとって最善の選択をするための一助となれば幸いです。

スマートフォンで不倫慰謝料に関する情報を調べ、不安な表情を浮かべる人物。

弁護士が解説!不倫慰謝料でよくある3つの誤解

不倫慰謝料請求は、民法第709条に定められた「不法行為に基づく損害賠償請求」の一種です。これは、故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う、というものです。不倫(不貞行為)は、平穏な婚姻共同生活を送るという権利を侵害する不法行為にあたるため、慰謝料請求が認められます。

しかし、この法律の考え方を正しく理解しないまま、思い込みで行動してしまう方が後を絶ちません。ここでは、私たちが北九州の皆様からご相談を受ける中で特に多いと感じる3つの誤解を解説します。

弁護士の視点:なぜ誤解が生まれるのか

不倫慰謝料に関する誤解が広まる背景には、インターネットやテレビドラマなどで断片的な情報がセンセーショナルに取り上げられることがあると感じています。特に「相場」や「証拠」といった分かりやすいキーワードだけが一人歩きし、「自分のケースも同じはずだ」と思い込んでしまう傾向があるようです。

しかし、法律問題、特に男女間のトラブルは、一つとして同じケースはありません。ご夫婦の状況、不倫の態様、そしてお気持ちなど、様々な事情が複雑に絡み合って結論が導き出されます。だからこそ、画一的な情報に惑わされず、ご自身の状況に即した専門的なアドバイスを得ることが何よりも重要なのです。

【誤解1】「慰謝料の相場は200~300万円」と信じ込んでいる

「インターネットで調べたら、相場は200万円と書いてありました」というお話は、非常によく耳にします。確かに、慰謝料額の目安としてそのような金額が示されることはあります。しかし、それはあくまで一般的な目安に過ぎず、全てのケースに当てはまる「定価」ではありません。

裁判所が慰謝料の金額を算定する際には、以下のような様々な事情を総合的に考慮します。

  • 婚姻期間の長さ
  • 不倫関係が始まった経緯や期間、頻度
  • 不倫が原因で離婚に至ったか、婚姻関係を継続するか
  • 未成年の子どもの有無
  • 不倫相手の社会的地位や支払い能力
  • 謝罪の有無など、不倫発覚後の対応

例えば、結婚30年の夫婦が不倫によって離婚に至ったケースと、結婚1年で不倫関係はすぐに解消され、夫婦関係を再構築するケースとでは、精神的苦痛の度合いが異なると評価され、慰謝料額も大きく変わってくる可能性があります。

実際に私たちが北九州で担当した案件でも、当初ご自身で調べた「相場」を元に高額な請求を考えていた方が、相手方の事情や証拠の状況を法的に分析した結果、あえて請求額を調整し、早期に妥当な金額での和解を成立させた事例もあります。画一的な相場観に固執することは、かえって解決を遠ざけてしまう危険性もあるのです。

【誤解2】「肉体関係の証拠がないと請求できない」と諦めている

「ラブホテルに出入りする写真のような、決定的な証拠がないと無理ですよね?」と、請求を諦めかけてご相談に来られる方も少なくありません。

確かに、慰謝料請求の根拠となる「不貞行為」とは、法律上、配偶者以外の者と自由な意思で肉体関係を持つことを指します。そのため、肉体関係を直接証明できる証拠(写真や動画など)があれば、立証は容易になります。

しかし、そのような直接的な証拠がなくても、慰謝料請求が認められるケースは数多くあります。裁判では、肉体関係があったことを「推認(すいにん)」できるかどうかがポイントになります。例えば、以下のような間接的な証拠を複数組み合わせることで、不貞行為の事実を立証できる可能性があります。

  • 二人きりで頻繁に深夜まで会っていたことが分かるメールやLINEのやり取り
  • 「愛している」「会いたい」といった親密な関係を示すメッセージ
  • 二人で旅行に行ったことが分かる写真やホテルの領収書
  • 相手が不貞行為を認めるような発言を録音したデータ

どのような証拠が法的に有効か、また、今ある証拠で立証が可能かどうかの判断は、高度に専門的です。安易に「証拠がないから」と諦めてしまう前に、一度弁護士にご相談いただくことを強くお勧めします。

不貞行為の間接的な証拠となる、LINEのやり取りやホテルの領収書などのイメージ。

【誤解3】「夫婦関係が破綻していれば請求できない」と思い込んでいる

不倫をした配偶者やその相手から、「あなたのところは、もう夫婦関係が壊れていたじゃないか(破綻していたじゃないか)」と反論され、請求をためらってしまうケースがあります。

法的には、不倫関係が始まる以前から夫婦関係が既に修復不可能なほどに壊れていた(破綻していた)場合、その後に始まった不倫は「平穏な婚姻共同生活」という保護されるべき利益を侵害しないため、慰謝料請求が認められない、とされています。

しかし、ここで重要なのは、法的な意味での「破綻」と、日常的な感覚での「夫婦仲が悪い」状態とは全く異なるという点です。単に夫婦喧嘩が絶えなかった、しばらく家庭内別居状態だった、というだけでは、法的に「破綻」しているとは認められないことがほとんどです。

裁判所が「破綻」を認定するには、長期間の完全な別居、離婚調停の申し立てなど、客観的にみて夫婦関係の修復が到底不可能な状態であったことが必要となります。相手方からの「破綻していた」という主張は、慰謝料の支払いを免れるための言い逃れであるケースが非常に多いのが実情です。相手の言葉を鵜呑みにせず、専門家である弁護士に法的な判断を仰ぐことが重要です。

誤解に基づいた行動が招く3つのリスク

不倫慰謝料に関する誤解は、単に知識の間違いで済む問題ではありません。誤った思い込みに基づいて行動してしまうと、取り返しのつかない事態を招くことがあります。ここでは、特に注意すべき3つのリスクについて解説します。

リスク1:請求できるはずの慰謝料を逃してしまう

「証拠が不十分だ」「もう夫婦関係は破綻しているから」といった誤解から、慰謝料請求そのものを諦めてしまうのは、最も避けたい事態です。本来であれば、あなたの受けた精神的苦痛に対して正当な賠償を受けられるはずだった機会を、自ら手放してしまうことになります。

また、不倫慰謝料の請求権には時効があることにも注意が必要です。時効は、原則として「不倫の事実と不倫相手を知った時から3年間」です。誤った知識によって行動をためらっている間に時効が成立してしまい、請求する権利そのものを失ってしまう可能性もあります。少しでも疑問や不安があれば、まずは専門家に相談し、正しい見通しを知ることが大切です。

リスク2:相手方との交渉が泥沼化・長期化する

「相場は300万円のはずだ」と過大な金額を一方的に請求したり、不十分な証拠で相手を感情的に問い詰めたりすると、相手方も態度を硬化させ、交渉が全く進まなくなることがあります。

当事者同士の話し合いは、どうしても感情的になりがちです。冷静な対話ができなくなり、お互いに疲弊するだけで、解決が何年も先延ばしになってしまうケースも少なくありません。弁護士が代理人として間に入ることで、法的な根拠に基づいた冷静な交渉が可能となり、精神的なご負担を軽減しながら、迅速な解決を目指すことができます。

リスク3:逆に名誉毀損などで訴えられる

配偶者への裏切りに対する怒りや悲しみから、行き過ぎた行動に出てしまう方がいらっしゃいます。例えば、不倫相手の職場に乗り込んだり、SNSなどで不倫の事実を暴露したりする行為です。

しかし、このような行為は、たとえ事実であったとしても、相手の社会的評価を低下させるものとして「名誉毀損」という別の不法行為に該当し、逆に損害賠償を請求される可能性があります。正当な権利である慰謝料請求が、一線を越えた行動によって、ご自身が加害者になってしまう事態は絶対に避けなければなりません。どのような手段が法的に許されるのか、冷静に判断するためにも、専門家のアドバイスは不可欠です。

不倫慰謝料の悩みは、まず弁護士にご相談ください

ここまで解説してきたように、不倫慰謝料請求には法的な専門知識が不可欠であり、誤った思い込みは大きなリスクを伴います。もしあなたが今、一人で悩み、どうすればよいか分からずにいるのであれば、ぜひ一度、私たち法律の専門家にご相談ください。

当事務所が選ばれる理由と弁護士会照会先

平井・柏﨑法律事務所は、開設以来、離婚・男女問題に一貫して注力し、北九州・小倉の地で離婚・男女問題に注力しています。

  • 原則弁護士2名体制による多角的なサポート:1つの案件に対し、原則として弁護士2名体制で対応します。通常の着手金・報酬金で対応しており、2名体制による追加費用は原則として発生しません。
  • 男性・女性弁護士が在籍:「同性の弁護士に話を聞いてほしい」「異性の視点からの意見も聞きたい」といったご要望にお応えできます。話しやすい環境で、安心してご相談いただけます。
  • アクセスしやすい立地とプライバシーへの配慮:JR小倉駅から徒歩約5分。プライバシーに最大限配慮した完全個室の相談室で、じっくりとお話をお伺いします。

【責任者表示】
平井・柏﨑法律事務所
代表弁護士 平井 章悟(福岡県弁護士会所属)

初回60分無料相談でできること

当事務所では、離婚・男女問題に関する初回のご相談を60分無料でお受けしています。この相談時間の中で、あなたのお悩みを解消するために、以下のようなことを行います。

  • 慰謝料請求が可能かどうかの法的な見通し
  • お手元にある証拠が有効か、今後どのような証拠を集めるべきかのアドバイス
  • 今後の手続きの流れや解決までの期間の目安
  • 弁護士に依頼した場合の費用に関する明確なご説明

ご相談いただいたからといって、無理に依頼をお勧めすることはありません。「まず話を聞いてみたい」「自分の状況を知りたい」というだけでも構いません。一人で抱え込まず、まずは一歩を踏み出してみませんか。私たちが、あなたの心の負担を軽くし、未来へ進むためのお手伝いをいたします。

もしお困りでしたら、当事務所の初回60分無料相談のお問い合わせはこちらをご利用ください。

不倫慰謝料の誤解に関するQ&A

最後に、不倫慰謝料に関してよく寄せられるその他の質問にお答えします。

Q. 相手に支払い能力がない場合、慰謝料は請求できないのですか?

A. 支払い能力がないからといって、慰謝料を請求する権利がなくなるわけではありません。請求すること自体は可能です。

問題は、判決や合意で慰謝料の金額が決まっても、実際にそれを回収できるかという点です。しかし、すぐに一括で支払えなくても、交渉によって分割払いの合意を取り付けたり、将来の給与を差し押さえるために公正証書を作成したりといった方法が考えられます。諦めてしまう前に、どのような回収方法があり得るか、弁護士にご相談ください。

Q. ダブル不倫の場合、慰謝料請求はどうなりますか?

A. ダブル不倫(不倫関係にある当事者双方が既婚者である場合)は、法律関係が複雑になります。具体的には、あなたにはあなたの配偶者の不倫相手に対する慰謝料請求権があり、同時に、相手方の配偶者にはあなたの配偶者に対する慰謝料請求権があります。

この場合、四者間で交渉が必要になったり、お互いの請求額を事実上相殺するような形で解決したりすることもあります。当事者のみでの解決は非常に困難なケースが多いため、早期に弁護士へ相談することをお勧めします。

Q. 弁護士に依頼せず、自分で交渉するのはやめたほうがいいですか?

A. ご自身で交渉すること自体が法的に禁じられているわけではありません。しかし、この記事で解説してきたように、法的な誤解に基づいた交渉は大きなリスクを伴います。

感情的な対立から交渉が泥沼化したり、法的に不備のある合意書を作成してしまったりする危険性があります。弁護士にご依頼いただくことで、法的な根拠に基づき、適正な金額での解決を目指せるだけでなく、相手方との直接のやり取りから解放されるという精神的なメリットも非常に大きいと言えます。後悔のない解決のためにも、ぜひ専門家である弁護士の活用をご検討ください。

 

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