複数の不倫相手への慰謝料請求|北九州・小倉の弁護士が解説

配偶者に複数の不倫相手が…慰謝料請求は全員に可能です

「夫(妻)に、複数の不倫相手がいることがわかった…」
信じていたパートナーからの裏切りが一つではなかったという事実は、言葉に尽くせないほどの怒り、悲しみ、そして絶望感をもたらします。頭が真っ白になり、どう対処すれば良いのか、誰に相談すれば良いのか分からなくなるのは当然のことです。

しかし、どうか一人で抱え込まないでください。最初に最も重要なことをお伝えします。配偶者に複数の不倫相手がいた場合でも、各不倫相手について一定の条件(例:不貞の事実や故意・過失など)が満たされれば、慰謝料を請求できる可能性があります。です。

この現実は、あなたを深く傷つけた行為に対して、法的な責任を問えるという正当な権利があなたにあることを意味します。感情的に混乱し、複雑な状況に思えるかもしれませんが、冷静に法的な手続きを進めることで、ご自身の心の整理と経済的な補償を得るための道筋を描くことができます。

私たち平井・柏﨑法律事務所は、北九州市小倉を拠点とし、このような複雑な男女問題に数多く向き合ってまいりました。この記事では、複数の不倫相手への慰謝料請求という困難な問題について、法的な基礎知識から、あなたの状況に応じた具体的な戦略、そして有利に進めるための証拠の集め方まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

複数の不倫相手への慰謝料請求|知っておくべき法的基礎

複数の相手に慰謝料を請求できると聞いても、「なぜ?」「どのような理屈で?」と疑問に思われるかもしれません。ここでは、慰謝料請求の根幹となる法的な考え方を解説します。この基礎を理解することが、冷静な判断を下すための第一歩となります。

なぜ全員に請求できる?「共同不法行為」という考え方

配偶者と不倫相手との不貞行為は、不法行為(民法709条)として慰謝料請求の対象となり得ます。また、同一の損害との関係で、共同不法行為(民法719条)等の枠組みが問題となることがあります。これは、あなたの「平穏な婚姻生活を送る権利」という大切な権利を、複数の加害者(配偶者と不倫相手たち)が共同で侵害した、と考えるためです。

例えば、複数人が一台の車を共同で壊した場合、加害者一人ひとりが車の所有者に対して修理費全額を支払う義務を負うのと同じです。誰がどの部分を壊したかに関わらず、全員が連帯して責任を負うのです。

同様に、不倫の場合も、配偶者と各不倫相手は、あなたの精神的苦痛に対して、それぞれが独立して全額の賠償責任を負うことになります。だからこそ、あなたは不貞行為による損害が同一と評価される場合、各相手に対して慰謝料の全額を請求できる形になることがあります(ただし、受け取れる慰謝料総額が無制限に増えるわけではありません)。

誰に請求する?3つの請求パターンと特徴

請求できる権利があるとして、実際に「誰に」「どのように」請求するかは、あなたの状況や目的によって選択できます。主なパターンは以下の3つです。

  1. 不倫相手の全員に請求する
    最も多くの賠償額を回収できる可能性がある方法です。ただし、相手の人数分、交渉や手続きの手間が増えるという側面もあります。
  2. 特定の不倫相手にのみ請求する
    資力がありそうな相手や、特に悪質だと感じる相手に絞って請求する方法です。手間を抑えつつ、一定の責任を追及したい場合に有効です。
  3. 不倫相手と配偶者の両方に請求する
    離婚も視野に入れている場合に選択されることが多いパターンです。加害者全員に責任を取らせるという点で、最も厳格な対応と言えます。不貞行為の慰謝料請求ができる条件はいくつかありますが、複数の相手がいる場合でも基本的な考え方は同じです。

どのパターンが最適かは、後述する「配偶者との関係をどうしたいか」によって大きく変わってきます。ご自身の気持ちを整理しながら、最適な戦略を考えることが重要です。

参照:民法 | e-Gov 法令検索

複数不倫の慰謝料相場|金額は人数倍になるのか?

「相手が3人いるなら、慰謝料も3倍になるの?」これは、ご相談者様から非常によくいただく質問です。結論から申し上げますと、慰謝料の総額は、単純に不倫相手の人数倍にはなりません。しかし、複数の相手がいたという事実は、金額を算定する上で極めて重要な要素となります。

原則:慰謝料総額の上限は変わらない

法的には、あなたが受けた精神的苦痛という損害は一つと捉えられます。例えば、今回の不貞行為全体に対する精神的苦痛が300万円と算定された場合、これが賠償されるべき慰謝料の総額の上限となります。

この関係は「不真正連帯債務」と呼ばれ、加害者(配偶者と不倫相手たち)は全員で300万円の支払い義務を負います。もし、不倫相手の一人(Aさん)が300万円全額を支払った場合、あなたはすでに損害のすべてを賠償されたことになるため、他の不倫相手(BさんやCさん)や配偶者に重ねて請求することはできなくなります。いわゆる「二重取り」は認められないのです。

例外:悪質性が高く評価され、増額されるケース

一方で、複数の相手と長期間にわたり不貞行為を継続していたという事実は、行為の悪質性が極めて高いと判断され、慰謝料の算定において重要な「増額事由」となります。

裁判所は、不貞行為の期間、頻度、態様、婚姻関係に与えた影響など、様々な事情を考慮して慰謝料額を決定します。不倫相手が一人だけの場合の相場が50万円~300万円程度であるのに対し、複数の相手がいたケースでは、その悪質性から相場の上限に近い、あるいはそれを超える金額が認められる可能性も十分にあります。

つまり、「人数倍」にはならなくとも、結果的に慰謝料が高額になるケースに該当し、交渉や裁判を有利に進めるための強力なカードとなり得るのです。

【戦略】配偶者との関係で決める請求の進め方

ここが最も重要なポイントです。複数の不倫相手への慰謝料請求は、あなたが「配偶者との関係を今後どうしたいか」によって、取るべき戦略が全く異なります。ご自身の未来のために、冷静に考えていきましょう。

ケース1:離婚を決意している場合の請求戦略

もし、今回の件で配偶者との離婚を決意しているのであれば、目標は明確です。加害者全員から、経済的な賠償を最大限に受けることです。

この場合、まずは配偶者に対して、財産分与や養育費とは別に、不貞行為そのものに対する慰謝料を請求します。それと並行して、判明している不倫相手全員に対しても、個別に慰謝料請求の内容証明郵便を送付し、交渉を開始します。

配偶者と不倫相手たちの資力はそれぞれ異なります。全員に請求をかけることで、誰か一人が支払えない場合でも、他の相手から回収できる可能性が高まり、結果として受け取れる総額が最大化されることが期待できます。弁護士に依頼すれば、全ての交渉窓口を一本化し、精神的な負担を軽減しながら、戦略的に手続きを進めることが可能です。

ケース2:関係再構築を目指す場合の請求戦略

「離婚はしたくない。でも、不倫相手たちには責任を取らせ、二度と夫(妻)に近づかないようにさせたい」
このように夫婦関係の再構築を目指す場合、戦略は大きく変わります。

この場合の主目的は、配偶者と不倫相手の関係を完全に断ち切らせることです。そのため、配偶者への慰謝料請求はせず、不倫相手にのみ請求するのが一般的です。下手に配偶者へ請求すると、夫婦関係の再構築が経済的にも精神的にも困難になる可能性があるためです。

むしろ、配偶者に反省を促し、協力を得て証拠を集め、不倫相手との交渉に臨むのが得策です。そして、慰謝料の支払いについて合意する示談書には、金額だけでなく、「今後一切、配偶者と私的に接触しない」という接触禁止条項や、「違反した場合は違約金を支払う」という違約金条項を必ず盛り込むことが極めて重要になります。

これは、金銭的な解決だけでなく、あなたの今後の平穏な結婚生活を守るための、法的なお守りとなるのです。

複数の不倫相手への慰謝料請求で集めるべき証拠

複数の相手に慰謝料を請求する上で、絶対に忘れてはならないのが証拠の重要性です。特に、相手が複数いる場合は、注意すべき点があります。

北九州市(小倉北区・小倉南区・八幡西区・八幡東区・戸畑区・門司区・若松区)や行橋市・中間市といった近隣地域で日常的に離婚・不倫慰謝料の相談を受けていると、LINEやSNSのやり取り、カーナビの履歴、クレジットカードの明細などが証拠となるケースが多く見られます。当事務所では、これらの証拠が法的にどれほどの価値を持つか、無料相談の中で可能な限りお答えするようにしています。

基本:相手ごとに「不貞行為の証拠」が必要

最も重要な原則は、「Aさんとの不貞行為の証拠」「Bさんとの不貞行為の証拠」というように、各不倫相手との肉体関係を推認させる証拠が、それぞれ個別に必要になるという点です。

配偶者の自白は証拠になり得ますが、後から争われたり、内容の信用性が問題になったりすることもあるため、他の客観的資料とあわせて整理しておくことが重要です。裁判になった場合、立証責任は請求する側、つまりあなたにあります。「配偶者が複数の相手と不倫していたはずだ」というだけでは、残念ながら請求は認められません。法的に証拠とならないものも多いため、相手ごとに証拠をしっかりと整理・確保することが不可欠です。

有効な証拠の具体例と集め方の注意点

各不倫相手との関係を証明するために有効な証拠には、以下のようなものが挙げられます。

  • 写真・動画:二人でラブホテルに出入りしている場面など
  • 音声データ:肉体関係があったことを認める会話の録音
  • メッセージ等:性交渉があったと分かるLINEやSNSのやり取り
  • クレジットカードの明細:ラブホテルの利用履歴
  • GPSやカーナビの履歴:不倫相手の自宅やホテルへの頻繁な訪問記録

これらの証拠を自力で集める際には、相手のスマホに無断でアプリをインストールするなど、違法な手段を取らないよう注意が必要です。証拠収集が難しい場合や、確実な証拠が欲しい場合は、調査のプロである探偵に依頼することも有効な選択肢となります。

北九州の弁護士が答える!複数不倫の慰謝料Q&A

ここでは、複数の不倫相手に関する慰謝料請求で、実務上よくご質問いただく点についてQ&A形式でお答えします。

Q1. 不倫相手の一人が「他にも相手がいるなら自分の責任は軽い」と主張しています。認められますか?

A. 原則として、そのような主張は認められません。
前述の「共同不法行為」の考え方により、各不倫相手はそれぞれが独立して、あなたの精神的苦痛全体に対して賠償責任を負います。他の不倫相手の存在を理由に、自らの支払義務を減らすことは法的にできないのが原則です。交渉の場でそのような主張をされても、毅然とした態度で臨むことが重要です。

Q2. 慰謝料請求の時効はいつから進行しますか?

A. 原則として「損害および加害者(不倫相手など)を知った時から3年」ですが、別途「不法行為の時から20年」という上限が問題となることもあります。
注意すべきは、相手ごとに時効のスタート地点(起算点)が異なる可能性がある点です。例えば、Aさんとの不倫は1年前に知ったが、Bさんの存在はつい最近知ったという場合、Aさんへの請求時効は残り2年ですが、Bさんへの請求時効は知った時点から新たに3年間進行します。時間が経つと証拠も集めにくくなるため、慰謝料請求の時効を意識し、早めに行動を起こすことが肝心です。

Q3. 不倫相手の住所や名前が分かりません。請求は不可能ですか?

A. すぐには不可能ですが、調査すれば請求できる可能性があります。
諦める必要はありません。弁護士にご依頼いただければ、弁護士会照会などの手段を含め、法令・運用上許容される範囲で情報を確認し、相手の氏名や住所を特定できる場合があります。情報が少ないと感じても、まずは専門家にご相談ください。

複数の不倫相手への慰謝料請求は、北九州の弁護士にご相談ください

配偶者に複数の不倫相手がいたという事実は、計り知れないほどの精神的苦痛を伴います。それに加え、複数の相手と個別に交渉し、法的な手続きを進めることは、大変な労力と精神的な負担を強いるものです。

このような複雑で困難な状況だからこそ、法律の専門家である弁護士のサポートが不可欠です。早期にご相談いただくことで、以下のようなメリットがあります。

  • 証拠の確保:お手持ちの証拠が法的に有効か、さらに何が必要かを的確にアドバイスします。
  • 時効の管理:相手ごとに異なる時効の完成を阻止し、あなたの権利を守ります。
  • 交渉の代理:あなたの代理人として、冷静に交渉を進めることで、手続対応に伴う精神的負担の軽減を図ります。
  • 最適な解決策の提案:離婚するのか、関係を再構築するのか、あなたの意向に沿った最善の戦略を立案します。

平井・柏﨑法律事務所は、福岡家庭裁判所小倉支部や福岡地方裁判所小倉支部での離婚・不貞慰謝料事件を多数担当してきた豊富な実務経験があります。複数の不倫相手が関わる複雑な事案でも、冷静に状況を分析し、ご依頼者様にとって最善の解決策をご提案します。お手持ちの証拠で請求が可能かどうかの見立ても無料で行いますので、一人で悩まず、まずは一度ご相談ください。

あなたの心の平穏を取り戻し、未来へ向けて新たな一歩を踏み出すため、私たちが全力でサポートいたします。

 

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