家庭内別居は婚姻関係の破綻?慰謝料請求への影響を北九州の弁護士が解説

家庭内別居を理由とした「夫婦関係の破綻」は言い訳にすぎない?

配偶者の不倫が発覚し、問い詰めたところ「夫婦関係はとっくに破綻していた」「家庭内別居だったのだから、慰謝料を支払う義務はない」などと開き直られてしまい、深い怒りと無力感に苛まれていませんか。

このような主張は、不貞行為の責任から逃れようとする配偶者やその不倫相手が用いる常套句です。しかし、どうかご安心ください。家庭内別居という事実だけで、裁判所が直ちに「婚姻関係の破綻」を認定するケースは多くありません。状況によっては、慰謝料を請求できる可能性があります。

特に、私たち平井・柏﨑法律事務所が拠点を置く北九州市やその近郊では、「住宅ローンの返済が残っているから」「子どもの校区を変えたくないから」といった切実な理由で、関係が冷え切っていても同居を続けざるを得ないご夫婦が少なくありません。そのような状況で一方的に不貞を働き、あげく「関係は終わっていた」と主張するのは、あまりにも身勝手な言い分です。

この記事では、家庭内別居と婚姻関係の破綻をめぐる法的な判断基準、そして相手の言い分に力強く反論するための具体的な証拠収集の方法について、北九州市での実務経験豊富な弁護士が詳しく解説します。相手の主張を鵜呑みにせず、ご自身の正当な権利を守るための知識を身につけていきましょう。

家庭内別居で「破綻」とみなされる境界線とは?よくある質問に回答

ここでは、家庭内別居の状態にある方からよく寄せられるご質問に、Q&A形式でお答えします。裁判所がどのような事実を重視するのかを理解することで、ご自身の状況を客観的に見つめ直すことができるはずです。

Q1. 3年間寝室が別で会話もありません。破綻と認められますか?

結論から申し上げますと、それだけの事実で「破綻」と認められる可能性は低いと考えられます。

裁判所が婚姻関係の破綻を判断する際に最も重視するのは、表面的な仲の良さや会話の有無よりも、「夫婦として協力し、助け合う関係(相互扶助関係)が維持されているか」という実態です。

たとえ寝室が別で、日常的な会話がなかったとしても、以下のような事実があれば、法的には「婚姻共同生活は継続している」と判断される傾向にあります。

  • 家計が同一である(同じ財布から生活費を支出している、配偶者の給与口座から光熱費などが引き落とされているなど)
  • 食事の準備や洗濯、掃除といった家事をどちらかが(あるいは分担して)行っている
  • 子どもの面倒を共同で見ている

これらの行為は、民法で定められた夫婦の「協力及び扶助の義務」を果たしている証拠とみなされます。したがって、単に夫婦仲が冷え切っているという主観的な事情だけでは、法的な「破綻」の主張は認められにくいのです。

Q2. 相手から「離婚届を書いてくれ」と言われていました。これは破綻ですか?

いいえ、配偶者から一方的に離婚を要求されていたというだけでは、直ちに「破綻」とは認められません。

離婚に向けた話し合いがあったとしても、あなたがそれに同意しておらず、一つ屋根の下で生活を共にしている限り、原則として婚姻関係は継続していると判断されます。

相手が離婚を口にしながらも、あなたの作った食事を食べていたり、同じ家で生活し、その生活費を負担していたりすれば、それは「関係が悪化しているが、まだ婚姻は継続している状態」と評価されます。相手の身勝手な要求は、慰謝料請求を妨げる法的な理由にはなりません。

裁判所の本音は?家庭内別居で「破綻」が認められにくい実務上の理由

法律の条文だけでは見えてこない、実務上の「肌感覚」についてお話しします。

法律事務所で弁護士に相談する女性。家庭内別居中の不倫慰謝料について悩んでいる様子。

裁判所は「同居」しているという客観的な事実を非常に重く見る傾向があります。なぜなら、一つ屋根の下で暮らしている以上、たとえ関係が冷え切っていても、何らかの形で協力・扶助関係が残っていると強く推認されるからです。

実際に、私たちがこれまで北九州で担当した事案でも、夫婦間の会話がほとんどなく、長期間性交渉がなかったとしても、「妻が夫の食事の準備をしていた」「夫の給料口座から水道光熱費が引き落とされていた」といった事情が認められる場合には、裁判所が「婚姻共同生活は維持されている」と評価し、相手方の「破綻していた」という主張が採用されないことがあります。

洗濯物を一緒に洗っている、共有のリビングで過ごす時間がある、といった些細に思える日常の行動一つひとつが、「まだ夫婦である」ことの有力な証拠となるのです。相手が主張する「破綻の抗弁」は、この厳しい裁判所の認定基準の前では、法的には弱い主張であることがほとんどと言えるでしょう。

相手の嘘を暴く!「破綻の抗弁」を崩すための証拠集め完全ガイド

「婚姻関係は破綻していなかった」ことを証明し、相手の主張を覆すためには、客観的な証拠が何よりも重要です。ここでは、明日からでも集められる具体的な証拠を3つのカテゴリーに分けて解説します。諦めずに、ご自身の生活を振り返ってみてください。

証拠① 家族としてのイベント参加記録

不貞行為があったとされる時期の前後で、家族として行動していた事実は、「関係は終わっていた」という相手の主張が嘘であることを示す強力な証拠となります。

  • 正月やお盆、親戚の集まりでの写真・動画
  • 子どもの誕生日会、運動会、入学式・卒業式などに夫婦で参加した際の写真・動画
  • 家族旅行の写真や予約履歴
  • 「家族で〇〇へ行きました」といった内容のSNS投稿

これらの記録は、第三者から見ても「円満な家族」として機能していたことを客観的に示し、相手の言い分を効果的に崩すことができます。

証拠② 日常生活における協力関係の痕跡

愛情が冷めていても、夫婦としての「協力扶助義務」が継続していたことを示す証拠は、日々の暮らしの中にこそ隠されています。

  • 配偶者のために作った弁当や食事の写真
  • LINEやメールでの「今日の夕飯いる?」「〇〇買ってきて」といった業務連絡的なやり取りのスクリーンショット
  • 共有スペース(リビング、キッチン、洗面所など)の利用状況がわかる写真
  • 配偶者のためにクリーニングに出した際の伝票やタグ

一見すると些細なことばかりですが、これらは生活を維持するために協力していた動かぬ証拠です。どのようなものが証拠にならないか、あるいは証拠集めの方法で悩んだら、専門家のアドバイスが有効です。

証拠③ 家計が一体であることの証明

お金の流れは、夫婦関係の継続を示す最も客観的で強力な証拠の一つです。家計が分離されていない限り、「破綻」の主張は極めて認められにくくなります。

婚姻関係が破綻していなかったことを示す3種類の証拠(家族行事、日常生活の協力、家計の一体性)をまとめた図解。

  • 預金通帳の履歴:配偶者の給与振込口座から、住宅ローン、水道光熱費、通信費、保険料、子どもの学費や習い事の月謝などが引き落とされているページのコピー。
  • クレジットカードの利用明細:家族カードで食料品や日用品を購入した履歴。
  • 保険証券:生命保険や医療保険の受取人が配偶者になっているもの。

これらの証拠は、経済的な共同関係が維持されていたことを明確に示し、相手の主張を根底から覆す力があります。

参考資料: 法務省「家族法制に関するその他の論点についての補足的な検討」

例外:家庭内別居でも「破綻」と判断されるケース

専門家として、慰謝料請求が認められない例外的なケースについても誠実にお伝えしておく必要があります。ごく稀ではありますが、家庭内別居の状態でも「実質的な別居」とみなされ、婚姻関係の破綻が認定されることがあります。

具体的には、以下のような状況が長期間(数年以上)継続している場合です。

  • 同じ家の中でも生活空間が完全に分離され、お互いの部屋に鍵をかけている。
  • 玄関、キッチン、浴室、トイレなども別々で使用し、全く顔を合わせることがない。
  • 家計が完全に分離されており、生活費のやり取りが一切ない。

ただし、これはあくまで極めて例外的なケースです。一般的な家庭内別居の多くはこれに該当しません。どのような場合に慰謝料請求が認められないかについては、個別の事情を詳しくお伺いする必要があります。

北九州で相手の言い分に悩んだら、諦める前にご相談ください

もし、相手方の弁護士から「婚姻関係は破綻していたので慰謝料は支払わない」といった内容の内容証明郵便が届いたとしても、決してそれを鵜呑みにして諦めないでください。それは、あくまで相手方の一方的な主張に過ぎません。

私たち平井・柏﨑法律事務所は、これまで北九州市やその近郊(小倉北区、八幡西区、中間市など)で、同様のお悩みを抱える多くの方々をサポートしてまいりました。ご依頼いただければ、あなたの現在の生活状況を丁寧にヒアリングし、集められた証拠を法的な観点から整理・分析いたします。そして、あなたの代理人として「婚姻関係は破綻していなかった」ことを論理的かつ力強く主張・立証することが可能です。

一人で悩み、相手の身勝手な言い分に屈してしまう前に、まずは一度、私たちにご相談ください。離婚・男女問題に関する初回(面談)相談は無料です(※電話での初回無料相談は行っておりません)。あなたの正当な権利を守り、心の平穏を取り戻すため、私たちが全力でサポートいたします。

 

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