不倫相手の配偶者から直接連絡が来たら|北九州の弁護士が解説

【結論】突然のLINE・電話への初動対応

不倫相手の配偶者から、ある日突然、慰謝料請求の連絡がLINEや電話で直接入る。これは、弁護士からの内容証明郵便が届くケースよりも、実務上はるかに多い事態です。強い動揺や恐怖、罪悪感から冷静な判断が難しくなることがあります。

しかし、この最初の対応は、その後の交渉や裁判上の評価に影響する可能性があります。不用意な言動はすべて、法的に不利な証拠として利用される可能性があるのです。まずは深呼吸をして、以下の3つの原則を徹底してください。なぜそうすべきかの理由は、続く章で詳しく解説します。

  • ① 無視やブロックは事態を悪化させるが、即答も不要
  • ② 安易な「謝罪」は不貞行為の自白(証拠)となる
  • ③ 当事者同士での直接面会(話し合い)は原則として避けるべき

このテーマの全体像については、不倫慰謝料を請求された場合の対応で体系的に解説しています。

① 無視やブロックは事態を悪化させるが、即答も不要

恐怖心から着信を拒否したり、LINEアカウントをブロックしたりしたくなる気持ちは分かります。しかし、連絡を完全に絶つ行為は、相手の感情を著しく害する可能性があります。「交渉の意思なし」と見なされ、訴訟や職場への連絡といった、より強硬な手段を誘発しかねません。一方で、焦ってすぐに返信する必要もありません。まずは冷静に状況を把握し、法的な対処を検討するための時間を確保することが重要です。「すぐに動かなくても良い」と理解し、まずはこの記事を最後までお読みください。

② 安易な「謝罪」は不貞行為の自白(証拠)となる

道義的な責任を感じ、「ごめんなさい」「ご迷惑をおかけしました」といった謝罪の言葉を返信してしまう方が非常に多いです。しかし、これは法的には「不貞行為の事実を認めた」と解釈され、極めて不利な証拠として利用されるリスクを伴います。あなたのその一言が、後の慰謝料請求裁判で「自白」の証拠として提出される可能性があるのです。謝罪の気持ちを伝えるべきタイミングや方法は、慎重に判断しなければなりません。

③ 当事者同士での直接面会(話し合い)は絶対に避けるべき

相手から「会って話したい」と要求されても、絶対に応じてはいけません。たとえ北九州市内の喫茶店などであっても、当事者同士での話し合いは極めて危険です。相手の感情的なプレッシャーに屈し、その場で法外な金額が書かれた示談書や念書に署名・捺印させられてしまうケースが後を絶ちません。また、会話内容を秘密裏に録音され、不利な発言を引き出されるリスクも常に付きまといます。直接の面会は、法的リスクが大きいため、原則として避けるべきです。

「無視」「謝罪」「面会」3つの疑問に弁護士が回答

パニックから不用意なLINEを返信してしまったり、相手の感情的な勢いに押されて直接会ってしまい、その場で不利な書面にサインさせられたりすることがあります。残念ながら、このような初動のミスによって、本来より高額な慰謝料を支払う結果につながる事例も、実務上少なくありません。導入で提示した3つの原則について、なぜそれが重要なのか、法的な観点から詳しく解説します。

疑問1:連絡を無視し続けても問題ないか?

「無視は事態を悪化させる」と述べましたが、その具体的なリスクは以下の通りです。

  • 法的措置への移行:連絡が取れないことで「交渉の意思なし」と判断され、相手が弁護士に依頼し、内容証明郵便の送付や、慰謝料請求訴訟といった法的手続きに速やかに移行する可能性が高まります。
  • 感情のエスカレート:無視されることで相手の怒りが増幅し、職場や実家、現在のパートナーに連絡するといった、社会的な制裁を加えようとする行動に出るリスクがあります。これは単なる嫌がらせではなく、後述する犯罪行為に該当する可能性もあります。

着信拒否やLINEのブロックも同様です。相手からの連絡手段を一方的に断つことは、相手の感情を刺激し、職場や家族への連絡、法的手続への移行などにつながる可能性があります。不倫慰謝料請求の無視は、決して解決策にはならないのです。

疑問2:とりあえず謝罪のLINEを送るべきか?

「謝罪=自白のリスク」について、さらに詳しく解説します。不貞行為を理由とする慰謝料請求が法的に認められるためには、「肉体関係の存在」を請求側が証明する必要があります。この点に争いがあるケースにおいて、あなたが送った「すみませんでした」「本当に申し訳ないことをしました」といったLINEのメッセージは、「肉体関係の存在を暗に認めた(自白した)証拠」として、裁判所に提出される可能性が極めて高いのです。たとえ「夫婦関係を壊すつもりはなかった」という趣旨の謝罪であったとしても、文面だけでは真意は伝わりません。切り取られた言葉が、あなたにとって最も不利な形で解釈されてしまうのです。相手からのメッセージに既読をつけること自体は問題ありませんが、返信は、法的な検討を終えるまで控えるのが安全です。

疑問3:「会って話したい」という要求に応じるべきか?

当事者同士での直接面会は、冷静な話し合いの場にはなり得ません。むしろ、相手方が有利な条件を引き出すために面会を求めている可能性があります。

実務上、よく見られる失敗パターンは以下の通りです。

  • 感情的な圧力:相手が一人とは限りません。親族や友人を同席させ、複数人であなたを取り囲み、精神的に圧迫してくるケースがあります。その場で冷静な判断を下すことは困難でしょう。
  • 秘密録音:スマートフォンなどで会話内容を無断で録音されていると考えるべきです。相手はあなたから不貞行為を認める発言や、慰謝料の支払いを約束する言葉を引き出そうと、あらゆる質問を投げかけてきます。
  • 不利な書面への署名強要:相手が事前に用意した示談書や念書(慰謝料300万円を支払う、二度と接触しない等)を提示し、その場での署名・捺印を強く求めてきます。一度署名してしまうと、後からその内容を覆すことは極めて困難になります。

面会を求められた場合は、「弁護士を介してお話し合いをさせていただけますでしょうか」と伝え、直接の接触を避けることが賢明です。

不倫相手の配偶者と直接会うことの3つのリスク(感情的な圧力、秘密録音、不利な書面への署名)を解説した図解。

脅迫的な連絡・取り立てへの法的対処法

相手の感情が高ぶり、「職場に連絡する」「家族にすべて話す」「SNSで不倫の事実を暴露する」といった連絡が来るケースも少なくありません。このような言動は、あなたに恐怖心を与え、無理やり金銭を支払わせようとする行為であり、単なる感情的な発言では済まされません。

法的には、これらの行為は刑法上の脅迫罪(刑法222条)や強要罪(刑法223条)、名誉毀損罪(刑法230条)、恐喝罪・恐喝未遂(刑法249条、250条)といった犯罪に該当する可能性があります。特に、職場への連絡は、あなたの社会的信用を失墜させかねない悪質な行為です。

このような連絡を受けた場合は、以下の行動を徹底してください。

  • 証拠の保全:脅迫的な内容のLINEメッセージやメールは、絶対に削除せず、スクリーンショットで保存してください。電話でのやり取りは、可能であれば通話を録音しましょう。着信履歴も重要な証拠となります。
  • 直接の反論を避ける:相手を刺激するような返信はせず、冷静に証拠を確保することに努めてください。

そして、ご自身で対応しようとせず、速やかに弁護士に相談してください。弁護士が代理人として介入することで、相手方への直接の連絡窓口となり、あなたへの不当な接触を停止させることができます。平井・柏﨑法律事務所(北九州市小倉北区)では、不倫慰謝料を請求された方のご相談を初回60分まで無料でお受けしています。身の安全を確保し、法的に問題を解決するためにも、弁護士への相談・依頼を検討することが重要です。

慰謝料の相場と関連知識

相手の請求額が法的に妥当なものか、冷静に判断する必要があります。不倫・不貞行為による慰謝料の裁判上の相場は、おおむね以下の通りです。

  • 不貞行為が原因で離婚に至った場合:100万円~300万円
  • 離婚には至らない場合:50万円~150万円

相手の請求額がこの相場を大幅に超えている場合、交渉によって減額できる可能性は十分にあります。慰謝料額は、婚姻期間、不貞行為の期間や態様、未成年の子の有無など、様々な事情を考慮して決定されるため、相手の請求額が妥当かどうかは、具体的な事情を踏まえて慎重に検討する必要があります。

また、交渉の過程では「二度と接触しない」といった内容の誓約書への署名を求められたり、離婚しないケースでは支払った慰謝料を不倫相手(あなたの元交際相手)に請求する「求償権」の問題が浮上したりすることがあります。より具体的な手順については、求償権と慰謝料相場の解説をご覧ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 知らない番号から何度も着信があります。掛け直すべきですか?

【結論】安易に掛け直すべきではありません。

【理由】その電話の相手が、不倫相手の配偶者である可能性が高いからです。何の準備もないまま会話を始めてしまうと、動揺して不利な発言をしてしまい、その内容を録音されるリスクがあります。興信所や相手の関係者を名乗るケースも考えられるため、まずは留守番電話にメッセージを残すよう設定したり、可能であればSMSで用件を確認したりするなど、不用意な直接の接触は避けるべきです。

Q. LINEで「不倫してるよね?」とだけ来ました。既読無視はまずいですか?

【結論】既読にすること自体が、直ちに法的に不利になることはありません。しかし、長期間にわたって完全に無視し続けることは推奨されません。

【理由】既読がつくことで、相手はあなたがメッセージを読んだことを認識します。その上で何の返信もない状態が続くと、「意図的に無視している」と捉えられ、相手の態度を硬化させ、訴訟などの強硬手段に踏み切らせるきっかけになる可能性があります。ただし、前述の通り、焦って謝罪などの返信をするのは絶対に避けるべきです。返信する前に弁護士に相談し、対応を慎重に検討する時間を確保することが重要です。

自己判断での対応は危険です|北九州・小倉で弁護士にご相談を

不倫相手の配偶者からの直接連絡に対し、恐怖や罪悪感から自己判断で対応してしまうことは、法的に不利な証拠を自ら相手に残してしまうリスクがあります。一度交わした約束や送信したメッセージは、後から撤回や否認が難しくなる場合があります。

相手の怒りに引きずられることなく、ご自身の正当な権利を守るためには、弁護士という第三者を介して冷静かつ法的に対処することが不可欠です。法的な論点を整理して交渉を進めることで、妥当な解決を目指すことができます。

まずは、北九州市小倉にある当事務所へ直接ご来所いただき、届いたメッセージやこれまでの経緯といった事実関係を、我々弁護士が対面で正確に確認した上で、あなたにとって最適な防御方針を立てることが重要です。一人で抱え込まず、まずは専門家にご相談ください。

平井・柏﨑法律事務所では、不倫慰謝料を請求された方からのご相談を初回60分無料でお受けしております。お気軽にお問い合わせください。

 

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