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不倫で別居・離婚|有責配偶者の義務と権利を北九州の弁護士が解説
【まず確認】不倫で別居・離婚…有責配偶者とは?
ご自身の不倫が原因で配偶者との関係が悪化し、別居や離婚の危機に直面されているとき、「これからどうなってしまうのだろう」と大きな不安を感じていらっしゃることでしょう。特に、相手方から高額な慰謝料を請求されたり、一方的に離婚を突きつけられたりすると、冷静な判断が難しくなるものです。
このような状況で、まずご理解いただきたいのが「有責配偶者(ゆうせきはいぐうしゃ)」という法律上の立場です。この記事では、ご自身の不倫によって有責配偶者となった方が知っておくべき「義務」と「権利」について、北九州市で離婚・男女問題に注力してきた弁護士が分かりやすく解説します。
有責配偶者とは離婚原因を作った側のこと
有責配偶者とは、夫婦関係を破綻させる主な原因を作った側の配偶者を指します。法律(民法770条1項)で定められた離婚原因のうち、典型的なものが「不貞行為」、つまり不倫や浮気です。
福岡家庭裁判所小倉支部での実務においても、配偶者以外の人と肉体関係を持つことが不貞行為と判断され、その行為を行った側が有責配偶者と認定されるのが一般的です。一時的な関係か、継続的な関係かは問いません。
他にも、DV(家庭内暴力)やモラハラ、生活費を渡さないといった「悪意の遺棄」なども有責行為にあたります。
有責配偶者になると何が不利になるのか?
有責配偶者と認定されると、主に以下の2つの点で法的に不利な立場に置かれます。
- 原則として、有責配偶者からの離婚請求は裁判では認められにくい
- 配偶者に対して慰謝料の支払義務を負う
つまり、「不倫はしたが、相手とは離婚して不倫相手と一緒になりたい」と考えても、相手が「離婚したくない」と拒否すれば、原則として離婚は認められません。また、不倫によって配偶者が受けた精神的苦痛に対して、金銭(慰謝料)で償う責任が生じます。
当事務所にも、「感情的になってしまい、相手の言うままに高額な慰謝料を約束してしまった」というご相談が寄せられますが、ご自身の立場を正確に理解しないまま行動すると、さらに状況を悪化させてしまう可能性があります。

有責配偶者の2つの義務|慰謝料と婚姻費用
有責配偶者となった場合、主に2つの金銭的な義務を負うことになります。それは「慰謝料」と「婚姻費用」です。この2つは性質が全く異なるため、分けて理解することが重要です。
義務①:不倫(不貞行為)に対する慰謝料の支払い
慰謝料は、不貞行為という不法行為によって配偶者に与えた精神的苦痛に対する損害賠償です(民法709条)。
慰謝料の金額は、一律に決まっているわけではなく、様々な事情を考慮して決められます。北九州市やその近郊での解決事例を参考にすると、一般的な相場は以下のようになります。
- 離婚に至った場合:100万円~300万円程度
- 離婚はせず、別居に留まる場合:数十万円~150万円程度
この金額は、婚姻期間の長さ、不倫の期間や頻度、子どもの有無、不倫発覚後の対応などによって変動します。詳しくは「不倫慰謝料が高額になるケースとは?増額・減額の要因を解説」のページでも解説していますので、ご参照ください。
義務②:別居中の生活費(婚姻費用)の分担
別居したとしても、離婚が成立するまでは法律上の夫婦です。夫婦には、お互いの生活レベルが同等になるように助け合う「生活保持義務」があります。そのため、収入の多い側は、少ない側に対して生活費(婚姻費用)を支払う義務があります。
金額は、夫婦双方の収入に基づいて、裁判所が公表している「婚姻費用算定表」を目安に決められることがほとんどです。
有責配偶者の2つの権利|離婚請求と減額交渉
ここまで義務について解説してきましたが、有責配偶者だからといって、すべての要求を呑まなければならないわけではありません。法律上、主張できる「権利」も存在します。
「自分から離婚は切り出せない」「相手の言う金額を全額払うしかない」と思い詰める前に、ご自身の権利についても正しく理解しましょう。
権利①:条件付きで認められる離婚請求
前述のとおり、有責配偶者からの離婚請求は原則として認められません。判例上、別居の長期化、未成熟子の状況、離婚後の相手方の苛酷性などを総合考慮し、一定の場合に例外的に離婚請求が認められる可能性があります。
- 夫婦の別居が相当長期間に及んでいること
- 夫婦の間に未成熟の子(経済的に自立していない子)がいないこと
- 離婚によって相手方配偶者が著しく過酷な状況に置かれないこと
特に重要なのが「相当長期間の別居」です。別居期間がどの程度で『相当長期間』といえるかは事案により異なり、裁判例では10年以上の別居が重視される例が多い一方、子の状況や相手方の生活状況等も含めて総合判断されます。簡単に認められるものではありませんが、状況によっては有責配偶者側から離婚を成立させられる道があることは知っておくべきでしょう。詳しくは「当方有責が原因で離婚」のページもご覧ください。
権利②:慰謝料・婚姻費用の減額交渉
相手方から請求された慰謝料が、常に法的に妥当な金額とは限りません。特に感情的になっている相手方は、相場を大きく超える金額を請求してくることも少なくありません。そのような場合、慰謝料の減額を交渉する権利があります。
具体的には、以下のような事情がある場合、慰謝料が減額される可能性があります。
- 不倫関係が始まる前から夫婦関係が破綻していた
- 相手方にも夫婦関係を悪化させた原因(DV、モラハラ、浪費など)がある
- 不倫の期間が短い、回数が少ない
- 真摯に謝罪し、一定の慰謝料を支払う意思を見せている
- 相手方が不倫の事実を第三者に言いふらすなどの過剰な制裁を加えた
また、婚姻費用についても、ご自身の有責性を理由に相手方が家を出ていき、その結果として相手方の生活費が増えたような特殊なケースでは、支払額が調整される可能性もゼロではありません。
どのような事情が減額につながるか、また、相手方が持つ証拠の強弱によっても交渉方針は大きく変わります。もし相手方から高額な請求を受けてお困りでしたら、お早めに当事務所の無料相談をご利用ください。弁護士が証拠を拝見し、法的な見通しをお伝えします。

【Q&A】有責配偶者に関するよくあるご質問
ここでは、北九州市内のご相談者様から実際に寄せられることが多い質問について、Q&A形式でお答えします。
Q. 一方的に家を出て別居したら不利になりますか?
A. はい、さらに不利になる可能性があります。
正当な理由なく一方的に家を出て、生活費も支払わない場合、「悪意の遺棄」という別の有責行為とみなされる恐れがあります。そうなると、不貞行為に加えて有責性が加算され、慰謝料が増額される要因になったり、ますます離婚請求が認められにくくなったりする可能性があります。ただし、相手のDVから逃れるためなど、正当な理由がある場合は別です。安易な別居はリスクを伴うため、実行する前に「別居前に弁護士へ相談すべき理由|北九州の弁護士が解説」をご検討ください。
Q. 慰謝料を支払えば、すぐに離婚できますか?
A. いいえ、慰謝料を支払っても相手が同意しなければ離婚は成立しません。
慰謝料の支払いは、あくまで不貞行為に対する損害賠償です。離婚そのものに相手が同意しない限り、たとえ慰謝料を支払ったとしても、自動的に離婚できるわけではありません。相手が離婚を拒否し続ける場合、最終的に裁判で離婚を認めてもらうには、前述した「相当長期間の別居」などの厳しい条件をクリアする必要があります。お金ですべてが解決するわけではない、というのが法律の考え方です。
Q. 相手も不倫していました。この場合、慰謝料はどうなりますか?
A. 慰謝料が減額されたり、お互いに請求できなくなったりする可能性があります。
双方に不貞がある場合、慰謝料が減額されたり、双方が請求し合った結果として実質的に差引きになる(または請求が認められにくくなる)可能性があります。ただし、どちらの不貞行為がより悪質であったかなど、有責性の度合いによって結論は変わります。詳しくは「ダブル不倫の慰謝料|片方だけに請求できる?減額されるケースは?北九州の弁護士が解説」でも解説しています。このような複雑なケースこそ、専門家である弁護士への相談が不可欠です。
有責配偶者が不利な状況を避けるためにすべきこと
ご自身の不倫が原因で不利な立場にあることは事実です。しかし、感情的な対応や誤った行動は、状況をさらに悪化させかねません。ここでは、最悪の事態を避けるために取るべき3つのステップをご紹介します。
ステップ1:誠実な謝罪と話し合いの姿勢を見せる
法的な対応の前に、まずは人として、配偶者を傷つけたことに対して誠実に謝罪することが重要です。真摯な反省の態度を示すことで、相手の感情的な対立が和らぎ、冷静な話し合いのテーブルに着ける可能性が高まります。結果として、それが慰謝料の減額や円満な解決につながることも少なくありません。ただし、謝罪する際に、法的に不利となる内容(「離婚もやむを得ない」「請求額をすべて支払う」など)を安易に書面などで約束しないよう注意が必要です。
ステップ2:証拠の有無と内容を確認する
相手方が、あなたの不貞行為についてどのような証拠をどの程度持っているのかを把握することは、今後の交渉方針を決める上で極めて重要です。例えば、LINEのやり取りだけなのか、ラブホテルに出入りする写真まであるのかによって、こちらの対応は大きく変わります。逆に、相手方の有責性(モラハラ発言の録音など)を示す証拠があれば、交渉を有利に進める材料になります。証拠について詳しくは「不倫で証拠にならないものとは?北九州の弁護士が具体例と判断基準を解説」もご参照ください。
ステップ3:早期に弁護士へ相談する
有責配偶者という立場では、ご自身で相手と冷静に交渉することは精神的にも非常に困難です。感情的な対立が激化する前に、できるだけ早い段階で弁護士にご相談ください。弁護士が代理人として交渉することで、以下のようなメリットがあります。
- 法的に妥当な解決策(慰謝料の適正額など)がわかる
- 相手方との直接のやり取りから解放され、精神的負担が軽減される
- 感情論ではなく、法的な根拠に基づいた冷静な交渉が期待できる
- 不利な条件での合意を防ぎ、将来的なリスクを回避できる
北九州市で不倫・離婚問題にお悩みなら平井・柏﨑法律事務所へ
平井・柏﨑法律事務所は、開設以来、離婚・不倫慰謝料問題に一貫して注力してきました。調停・訴訟の対応経験があります。北九州市(小倉北区・小倉南区・八幡西区・八幡東区・戸畑区・門司区・若松区)や行橋市など北九州市近郊にお住まいの方から多くのご相談をいただいております。
有責配偶者というお立場では、罪悪感から「自分は何も主張できないのではないか」と思い詰め、精神的なご負担も大きいかと存じます。しかし、法的にはあなたにも認められる権利があり、交渉次第でより良い解決に至る可能性は十分にあります。
当事務所では、男性・女性双方の弁護士が在籍しており、あなたの状況を丁寧にお伺いした上で、法的な見通しと最善の解決策をご提案します。初回相談(60分・予約制・離婚/男女問題に関するご相談に限る)は無料です(2回目以降は有料)。相手方から慰謝料を請求されてお困りの方、離婚を考えているがご自身の立場が不安な方は、一人で悩まず、まずは一度ご相談ください。
未来に向けて新たな一歩を踏み出すため、私たちが全力でサポートいたします。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不倫の証拠集め、探偵?自力?北九州の弁護士が解説
不倫の証拠集め、今すぐ相談すべき理由とは?
パートナーの不倫に気づいたとき、「とにかく早く証拠を押さえなければ」と焦るお気持ちは、痛いほどよくわかります。しかし、その焦りが、かえってあなたを不利な状況に追い込んでしまう危険性があることをご存じでしょうか。
ご自身で証拠を集めようと無理に行動した結果、相手に感づかれてしまい、LINEの履歴を消されたり、会うのをやめてしまったりと、証拠が隠滅されるケースは少なくありません。さらに、行き過ぎた調査はプライバシー侵害などの違法行為となり、逆にあなたが慰謝料を請求されかねないのです。
「この証拠は法的に有効なのか?」「どう動くのが最善なのか?」
一人で抱え込まず、行動を起こす前に、まずは私たち法律の専門家にご相談ください。当事務所では、ご来所いただく初回のご相談(60分)は無料です。お手元にある証拠が裁判で通用する可能性があるか、今後どのように証拠を集めていくべきか、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスをいたします。大切なのは、感情的に動く前に、冷静に、そして法的に正しい一歩を踏み出すことです。
もし、今まさにどうすればよいか分からずお困りでしたら、初回相談60分無料|まずはお気軽にご相談ください。あなたの心を少しでも軽くするお手伝いをいたします。
不倫の証拠集め|自力と探偵依頼の徹底比較
不倫の証拠集めには、大きく分けて「ご自身で集める(自力)」方法と、「探偵(興信所)に依頼する」方法があります。どちらが良い・悪いということではなく、あなたの状況や目的によって最適な選択は異なります。ここでは、弁護士の視点から4つの重要な観点で両者を徹底的に比較します。
費用で比較:初期投資とトータルコストの違い
自力での証拠集めの最大のメリットは、費用を抑えられる点です。録音機や小型カメラなどを購入したとしても、数万円程度の出費で済むことが多いでしょう。初期投資をかけずに始められる手軽さがあります。
一方、探偵への依頼は、調査員の人数や時間、難易度にもよりますが、数十万円から、場合によっては100万円以上かかることもあります。この金額だけを見ると、ためらってしまうかもしれません。
しかし、ここで考えていただきたいのが「トータルコスト」の視点です。自力で集めた証拠が不十分だった場合、慰謝料請求が認められなかったり、大幅に減額されたりする可能性があります。これは大きな「機会損失」です。逆に、探偵に依頼して決定的な証拠を得ることで、場合によっては高額な慰謝料が認められ、探偵費用を回収できることもあります。ただし、事案ごとに結果は異なるため個別の判断が必要です。
確実性で比較:裁判で通用する証拠とは?
慰謝料請求や離婚裁判で最も重要になるのが、証拠の「質」と「客観性」です。
自力で集めた証拠は、感情的になっているご本人が収集するため、どうしても客観性に欠けると判断されることがあります。また、法的な知識がないまま集めた証拠は、裁判で「不貞行為(肉体関係)を直接示すものではない」と判断され、証拠能力が認められないリスクが常に伴います。
探偵が作成する調査報告書は、第三者であるプロが、いつ、どこで、誰が、何をしていたかを時系列で詳細に記録し、鮮明な写真や動画で裏付けたものです。その内容は質が高く、客観性にも優れているため、裁判で有力な証拠となる可能性が高いと言えます。
弁護士の視点:北九州の裁判実務から
私たち平井・柏﨑法律事務所は、これまで福岡家庭裁判所小倉支部や福岡地方裁判所小倉支部で、多数の離婚・不貞慰謝料請求事件を取り扱ってまいりました。その経験から申し上げると、裁判所が「不貞行為」の存在を認めるには、やはりラブホテルへ二人で出入りする写真や動画といった、肉体関係を強く推認させる客観的な証拠が極めて重要になります。
もちろん、LINEのやり取りや音声データなども重要な証拠の一部ですが、それだけでは相手に「冗談だった」「会ったが肉体関係はない」と言い逃れされる余地を残してしまいます。裁判官を納得させ、有利な結果を導くためには、言い逃れのできないレベルの証拠を準備することが、何よりも大切なのです。
リスクで比較:違法性と発覚のリスク
自力での証拠集めには、常に法的なリスクがつきまといます。例えば、以下のような行為は違法となる可能性があります。
- パートナーのスマホに無断で監視アプリをインストールする(不正アクセス禁止法違反)
- 不倫相手の自宅の敷地内に侵入して撮影する(住居侵入罪)
- 不倫相手の車にGPSを無断で取り付ける(ストーカー規制法違反やプライバシー侵害)
違法に取得した証拠は、その証拠能力が否定される可能性があり、逆に相手から損害賠償を請求される危険性すらあります。また、調査が相手に発覚すれば、証拠を隠滅され、その後の調査が格段に難しくなるでしょう。
探偵への依頼は、探偵業法という法律に則って調査を行うため、適法に運営されている探偵事務所に依頼すれば、こうした違法行為のリスクを低減できます。プロの技術で相手に気づかれずに調査を進めるため、発覚のリスクも最小限に抑えることが可能です。
精神的負担で比較:一人で抱え込まないために
パートナーの不倫を疑い、自ら尾行や監視を行うことは、想像を絶するほどの精神的苦痛を伴います。裏切られた怒りや悲しみの中で冷静に行動し続けるのは非常に困難であり、心身ともに疲弊してしまう方がほとんどです。

調査というストレスフルな作業を探偵に任せることで、あなた自身は精神的な安定を保ち、今後の生活のことや、弁護士との打ち合わせといった、より重要なことに集中できます。一人で全てを抱え込む必要はありません。専門家の力を借りることは、あなた自身の心を守るためにも有効な手段です。
自分で不倫の証拠を集める場合の7つの方法と注意点
「まずは自分でできる範囲で証拠を集めたい」と考える方のために、弁護士の視点から具体的な方法と、法的な注意点を解説します。「できること」と「やってはいけないこと」の境界線を正しく理解し、安全に証拠収集を行いましょう。
LINE・SNSの記録:どこまでが有効な証拠になる?
LINEやInstagramのDM、Facebookメッセンジャーなどのやり取りは、最も手軽に確認できる証拠の一つです。しかし、単に「好き」「会いたい」といったメッセージだけでは、不貞行為の証拠としては弱いと言わざるを得ません。詳しくは「不倫で証拠にならないものとは?北九州の弁護士が具体例と判断基準を解説」でも解説していますが、証拠として有効性を高めるには、肉体関係があったことを推測させる具体的な内容が重要です。

- 「昨日は楽しかったね」「あのホテル良かったね」など、宿泊をうかがわせる内容
- 性的な内容を含む会話や、裸の写真のやり取り
- 「妊娠したかも」といった、肉体関係を前提とする会話
これらのやり取りを写真に撮る際は、必ず「いつ」「誰が」「誰と」話しているかが分かるように、日付、相手のアカウント名(プロフィール画面)、そして会話の全体が写るように撮影してください。一部分だけのスクリーンショットでは、証拠としての価値が下がってしまう可能性があります。
弁護士の視点:LINE・SNS証拠の実務経験から
北九州市やその近郊にお住まいの方からのご相談でも、LINEやSNSの記録を証拠としてお持ちになる方は非常に多いです。特に職場不倫のケースなどでは、業務連絡を装った巧妙なやり取りがされていることもあります。私たちは、一見すると他愛のない会話に見えても、その前後の文脈や他の証拠と組み合わせることで、不貞の証拠として構成できないかを多角的に検討します。しかし、相手のスマートフォンを盗み見たり、パスワードを無断で入力したりする行為は、プライバシー侵害や不正アクセス禁止法に触れるリスクを伴います。ロックがかかっていない画面を偶然見るなど、合法的な範囲で情報を得ることが大原則です。
写真・動画:撮影で注意すべきプライバシーの問題
不倫相手と二人でラブホテルに出入りする場面や、旅行先で親密そうにしている写真・動画は、非常に強力な証拠となります。しかし、撮影方法には細心の注意が必要です。
- OKな例:公道や商業施設の駐車場など、誰でも立ち入れる場所からの撮影。
- NGな例:不倫相手の自宅マンションの敷地内や、オートロックの共有部分に無断で侵入しての撮影(住居侵入罪)。相手の部屋の中を窓の外から撮影する行為(プライバシー侵害)。
証拠としての価値と、違法行為のリスクは常に隣り合わせです。境界線が曖昧で判断に迷う場合は、ご自身で判断せず、必ず事前に弁護士にご相談ください。
音声の録音:会話の録音は違法?
パートナーや不倫相手が、不貞行為を認める会話を録音できれば、有力な証拠(自白)となります。ここでよく心配されるのが「盗聴」との違いです。
原則として、会話の当事者であるあなた自身が、その会話を相手に無断で録音すること自体は、直ちに違法となるわけではありません。例えば、あなたがパートナーと不倫について話し合っている場面を、ご自身のスマートフォンで録音する行為は問題ありません。
一方で、あなたが参加していない第三者同士の会話を盗聴したり、他人の家に盗聴器を仕掛けたりする行為は、プライバシー侵害となり違法です。
GPSでの位置情報:使い方を誤ると犯罪に
GPSを利用してパートナーの行動を追跡することは、証拠集めのきっかけにはなりますが、その使い方には厳しい法的制限があります。
- 問題ない可能性が高い例:あなたが所有者であり、夫婦の共有財産ともいえる車にGPSを設置する場合。
- 違法となる可能性が高い例:パートナーが通勤専用で使っている会社の車や、不倫相手の車・カバンに無断でGPSを設置する場合(プライバシー侵害、ストーカー規制法違反など)。
また、GPSでラブホテルや特定の異性の家に頻繁に立ち寄っていることが分かっても、それだけでは「一人で行っていた」「友人に会っていた」と言い逃れされる可能性があります。GPSはあくまで行動パターンを把握するための補助的な証拠(状況証拠)と考えるべきでしょう。
不倫の証拠集めに関するよくあるご質問(Q&A)
不倫の証拠集めに関して、ご相談者様からよくいただく質問にお答えします。

Q. 証拠が不十分でも慰謝料請求はできますか?
A. 請求自体は可能ですが、相手が不倫の事実を否定した場合、裁判で立証することが難しくなります。
慰謝料を請求すること自体に、証拠の有無は問われません。しかし、相手が「不倫はしていない」と争ってきた場合、請求する側が不貞行為の存在を証拠によって証明する必要があります。一つの証拠が弱くても、LINEのやり取り、クレジットカードの利用履歴、第三者の証言などを複数組み合わせることで、不貞行為の存在を推認させることができる場合もあります。お手元の証拠で十分かどうかは、専門的な判断が必要です。詳しくは「不貞行為の慰謝料請求|請求できる条件とできないケースを弁護士が解説」のページもご参照ください。
Q. 証拠集めが相手にバレたらどうなりますか?
A. 証拠を隠滅され、その後の証拠集めが非常に困難になります。また、夫婦関係が決定的に悪化するリスクもあります。
一度警戒されると、相手はLINEの履歴をすべて消去したり、GPSを警戒して行動パターンを変えたりと、巧妙に証拠を隠すようになります。そうなると、プロの探偵でも調査は格段に難しくなります。だからこそ、証拠集めは相手に気づかれずに、慎重かつ計画的に進める必要があるのです。
Q. 探偵の費用は高額ですが、依頼する価値はありますか?
A. 慰謝料で費用を回収できる可能性や、違法リスク・精神的負担を回避できる点を考慮すれば、依頼する価値は十分にあると言えます。
特に、婚姻期間が長い、相手や不倫相手の収入・資産が高い、不倫が悪質であるといったケースでは、高額な慰謝料が認められる可能性があり、探偵費用を差し引いても経済的利益を得られることがあります。何より、ご自身で無理をして違法行為に手を染めてしまうリスクや、精神的に追い詰められる負担を考えれば、安全と確実性を専門家に託すメリットは大きいでしょう。
まとめ|証拠集めで迷ったら、まず北九州の弁護士にご相談を
この記事では、不倫の証拠集めについて、「自力で行う方法」と「探偵に依頼する方法」を比較し、それぞれのメリット・デメリットや法的な注意点を解説しました。
- 自力での証拠集めは費用を抑えられますが、証拠の有効性が不十分であったり、違法行為となったりするリスクが伴います。
- 探偵への依頼は費用がかかりますが、裁判で通用する確実な証拠を、安全かつ精神的負担なく得られる可能性が高まります。
どちらの方法を選ぶにせよ、最も重要なのは「行動を起こす前に、専門家である弁護士に相談する」ことです。
私たち平井・柏﨑法律事務所は、これまで北九州市(小倉北区・小倉南区・八幡西区・八幡東区・門司区・戸畑区・若松区)やその近郊(行橋市など)にお住まいの皆様から、数多くの不倫・男女問題に関するご相談をお受けしてきました。あなたの状況を丁寧にお伺いし、お手元にある情報の価値を判断し、今後の最善の道筋を一緒に考えます。
一人で悩み、危険な橋を渡る必要はありません。まずは当事務所の無料相談をご利用ください。あなたの未来のために、私たちが全力でサポートします。
初回相談60分無料|あなたの状況に最適な証拠集めをアドバイスします
この記事は、平井・柏﨑法律事務所の弁護士 平井章悟(福岡県弁護士会所属)が監修しました。
本記事の内容は、2025年12月12日現在の法令・情報に基づき作成しています。ただし、個別の事情により結論が異なる場合がありますので、具体的な問題については必ず弁護士にご相談ください。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不倫慰謝料を請求できないケースとは?北九州の弁護士が具体例を解説
不倫慰謝料を請求できない?弁護士が解説する6つの典型例
「配偶者に不倫をされた。慰謝料を請求したいが、請求できないケースもあると聞き不安になっている」
「過去の不倫について、今からでも慰謝料を請求できるのだろうか」
パートナーの裏切りによって深い心の傷を負い、当然の権利として慰謝料を請求しようとお考えのことと思います。しかし、慰謝料請求は、必ずしも認められるとは限りません。特定の状況下では、請求が困難になったり、認められなくなったりするケースが存在するのです。
この記事では、離婚・男女問題に注力してきた弁護士が、不倫慰謝料を請求できなくなる代表的な6つのケースについて、法律の専門家の視点から具体的に解説します。
- 慰謝料請求の権利が時効で消滅している
- 不貞行為の前から夫婦関係が破綻していた
- 不貞行為の証拠が不十分である
- 不倫相手に故意・過失がなかった
- すでに十分な慰謝料を受け取っている
- 慰謝料を請求しないという合意(示談)がある
ご自身の状況がこれらのケースに当てはまるのではないかとご不安な方も、この記事を読み進めることで、ご自身の状況を客観的に把握し、次にとるべき行動を考えるための一助となるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
慰謝料請求の権利が時効で消滅している
不倫慰謝料を請求する権利には、「時効」という法律上の期限が定められています。この時効が完成してしまうと、たとえ不倫の事実が明らかであっても、相手方が「時効なので支払いません」と主張すれば、法的に慰謝料を請求する権利は失われてしまいます。この時効制度は、長期間にわたって不安定な法律関係を放置せず、社会の法的安定性を図るために設けられています。
不貞行為の前から夫婦関係が破綻していた
不倫慰謝料は、不貞行為によって「平穏な婚姻共同生活」という法的利益が侵害されたことに対する精神的苦痛を償うものです。したがって、不貞行為が始まる前から、すでに夫婦関係が修復不可能なほどに冷え切り、実質的に破綻していたと判断される場合には、守られるべき「平穏な婚姻共同生活」が存在しないため、慰謝料請求が認められない可能性があります。例えば、長期間の別居や離婚調停中であった場合などがこれに該当することがあります。
不貞行為の証拠が不十分である
慰謝料を請求するためには、配偶者と不倫相手との間に「肉体関係(性交渉またはそれに類する行為)」があったことを、請求する側が証拠に基づいて証明しなければなりません。単に「仲が良さそうだった」「二人きりで食事に行っていた」というだけでは不十分です。相手方が不貞行為の事実を否定した場合、客観的な証拠がなければ、裁判で請求を認めてもらうことは極めて困難になります。
【弁護士の視点】実務で多い証拠とその評価
離婚・不倫問題のご相談を数多くお受けする中で、LINEやSNSのやり取りを証拠としてお持ちになる方は非常に多くいらっしゃいます。確かに、「好きだよ」「早く会いたい」といったメッセージは不倫を推認させる一要素にはなります。しかし、それだけでは肉体関係の直接的な証明にはならず、「親密な関係ではあったが、肉体関係はなかった」と反論される余地が残ります。
実務上、慰謝料請求で特に重要となるのは、ラブホテルへの出入りを撮影した写真や動画、肉体関係があったことを明確に認める会話の録音、あるいは相手方自身が肉体関係を認めた念書など、より直接的な証拠です。職場の同僚との不倫など、証拠集めが難しいケースも少なくありません。どのような証拠が有効か、どうすれば集められるかについては、状況によって大きく異なるため、行動を起こす前に一度、専門家である弁護士にご相談いただくことを強くお勧めします。
不倫相手に故意・過失がなかった
不倫相手に対して慰謝料を請求するには、相手方に「故意」または「過失」があったことが必要です。つまり、①交際相手が既婚者であることを知っていた(故意)、または、②少し注意すれば既婚者だと気づけたはずなのに不注意で気づかなかった(過失)という事情がなければなりません。
例えば、相手が独身であると偽っていた場合や、夫婦関係が完全に終わっていると信じ込まされていたようなケースでは、不倫相手に故意・過失がなかったとして、慰謝料請求が認められない可能性があります。
すでに十分な慰謝料を受け取っている
不貞行為は、配偶者と不倫相手の二人が共同で行う「共同不法行為」です。そのため、被害者であるあなたは、どちらか一方または双方に対して、被った精神的苦痛の全額について慰謝料を請求できます。
しかし、例えば配偶者から既に慰謝料を受け取っている場合、裁判所はその既受領額を考慮して不倫相手への請求額を調整することがあります。事情によっては重複請求が制約されるため、具体的な可否および調整の可能性については個別に弁護士にご相談ください。
慰謝料を請求しないという合意(示談)がある
過去に不倫が発覚した際に、当事者間で「今後、慰謝料は請求しません」といった内容の示談書や合意書を取り交わしている場合、原則として、その合意の効力によって後から慰謝料を請求することはできません。ただし、その示談の後に再び不貞行為があった場合など、状況によっては新たな不法行為として別途慰謝料を請求できる可能性もあります。

【ケース1】慰謝料請求の「時効」に関する詳しい解説
慰謝料請求権の時効は、請求相手や状況によって起算点(時効期間のカウントが始まる時点)と期間が異なります。特に重要なのは「3年」と「20年」という2つの期間です。
不倫相手に対する慰謝料請求権の時効
- 原則:不倫の事実と不倫相手を知った時から3年
- 例外:不倫があった時から20年
配偶者に対する慰謝料請求権の時効
- 離婚しない場合:上記と同じ(不倫の事実と相手を知った時から3年)
- 離婚する場合:離婚が成立した時から3年
最も注意すべきは、不倫相手に対する請求の時効です。多くの場合、「不倫の事実」と「相手の素性(氏名や住所など)」の両方を知った時点から3年のカウントダウンが始まります。例えば、1年前に夫の不倫が発覚し、その時に相手の女性の氏名も判明したという場合、そこから3年が経過すると時効が完成してしまう可能性があります。
時効の完成を阻止する「更新」と「完成猶予」とは?
「時効が迫っているけれど、まだ話し合いがまとまらない…」そんな状況でも、諦める必要はありません。法的には、時効の完成を一時的にストップさせたり(完成猶予)、時効期間をリセットしたり(更新)する方法が用意されています。
| 方法 | 効果 | 具体例 |
|---|---|---|
| 裁判上の請求(訴訟提起など) | 完成猶予 → 更新 | 裁判所に慰謝料請求訴訟を提起する。訴訟手続き中は時効の完成が猶予され、判決が確定すれば時効はリセット(更新)され、そこから新たに10年の時効となる。 |
| 支払督促 | 完成猶予 | 簡易裁判所に支払督促を申し立てる。申立てが却下されるか取り下げられると、その時から6か月間、時効の完成が猶予される。 |
| 催告(内容証明郵便など) | 完成猶予 | 内容証明郵便で慰謝料の支払いを請求する。相手に到達した時から6か月間、時効の完成が猶予される。ただし、猶予期間中に裁判上の請求などを行う必要がある。 |
| 債務の承認 | 更新 | 相手方が「慰謝料を支払います」と認めたり、一部を支払ったりする。承認があった時点から、時効期間が新たにリセットされる。 |
特に実務でよく用いられるのが、内容証明郵便による「催告」です。これにより、時効完成を6か月間猶予してもらい、その間に交渉や訴訟の準備を進めることができます。どの方法が最適かは状況によりますので、時効が迫っている場合は、一刻も早く弁護士にご相談ください。
Q&A:10年前の不倫でも請求できる場合はありますか?
A. はい、請求できる可能性はあります。
10年前の不倫であっても、慰謝料請求を諦めるのはまだ早いかもしれません。以下のケースに当てはまる場合は、請求の可能性があります。
- 不倫の事実や相手を最近知った場合
前述のとおり、時効は原則として「不倫の事実と不倫相手を知った時から3年」です。例えば、10年前の不倫であっても、その事実をつい1か月前に知ったという場合は、そこから3年間は慰謝料を請求できる可能性があります。 - 不倫が継続していた場合
10年前に始まった不倫関係が、途切れることなく最近まで続いていた場合、一連の不法行為とみなされ、関係が終わった(または発覚した)時点から時効が進行すると考えられます。 - 除斥期間(20年)が経過していない場合
たとえ不倫の事実や相手を知らなかったとしても、「不貞行為があった時から20年」が経過すると、慰謝料請求権は完全に消滅します。逆に言えば、20年以内であれば、最近になって事実を知った場合に請求できる可能性があるということです。
過去の不倫に関する慰謝料請求は、時効の起算点の判断が非常に難しく、法的な専門知識が不可欠です。「もう無理だろう」とご自身で判断される前に、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。

【ケース2】「夫婦関係の破綻」をめぐる裁判所の判断基準
不倫慰謝料請求において、「不貞行為の前から夫婦関係は破綻していた」という反論は、相手方から主張されることが非常に多いものです。しかし、「破綻」の法的な認定は、単に「夫婦仲が悪かった」というだけでは認められず、裁判所は客観的な事実に基づいて慎重に判断します。
裁判所が夫婦関係の破綻を判断する際に考慮する主な事情は以下のとおりです。
- 長期間の別居:夫婦が別居している期間が長ければ長いほど、破綻が認められやすくなります。
- 離婚に向けた具体的な行動:離婚調停の申立て、離婚届の作成、弁護士への依頼など、離婚に向けた具体的なアクションがあったか。
- 家庭内別居の実態:同居していても、食事や寝室が別々で、会話もほとんどないといった家庭内別居の状態が長期間続いていたか。
- 経済的な協力関係の有無:生活費を渡していないなど、夫婦間の経済的な協力関係が失われているか。
- 性的交渉の有無:長期間にわたり性交渉がないことも、判断材料の一つとなります。
【北九州における実務経験から】
私たち平井・柏﨑法律事務所は、福岡家庭裁判所小倉支部や福岡地方裁判所小倉支部で、数多くの離婚・不貞慰謝料案件を取り扱ってまいりました。その経験から申し上げますと、北九州地域の裁判実務においても、単なる「性格の不一致」や「喧嘩が多かった」といった主観的な事情だけで「破綻」が簡単に認められることはありません。裁判所は、上記の要素を総合的に考慮し、「もはや婚姻関係を修復することが社会通念上不可能な状態に至っていたか」という厳しい目で判断します。相手方から「破綻していた」と主張されても、安易に諦める必要はありません。
「破綻していた」と反論されたら?有効な証拠と対抗策
不倫相手から「あなたの配偶者から『もう夫婦関係は終わっている』と聞いていた」と反論されるケースは少なくありません。このような主張に対抗し、婚姻関係が破綻していなかったことを証明するためには、客観的な証拠が重要になります。
【破綻していなかったことを示す有効な証拠の例】
- 不貞行為が始まる直前の時期に、家族で旅行に行ったり、誕生日を祝ったりしている写真や動画
- 夫婦や家族の仲睦まじい様子がうかがえるSNSの投稿
- 定期的に性的交渉があったことを示す手帳の記録やメールのやり取り
- 協力して子どもの学校行事に参加していた事実
- 将来の計画(家の購入など)について話し合っていたメールやLINE
- 親族や共通の友人の陳述書
これらの証拠を準備し、「平穏な婚姻生活が確かに存在していた」ことを具体的に主張していくことが、相手の反論に対抗する上で極めて有効です。
「破綻」の判断は個別の事情に大きく左右されます。ご自身のケースが法的にどう評価されるかについては、専門家である弁護士の意見を聞くことが不可欠です。
慰謝料請求できるか不安な方は北九州の弁護士へご相談ください
ここまで、不倫慰謝料を請求できない具体的なケースについて解説してきました。ご自身の状況を当てはめてみて、請求できるのか、それとも難しいのか、かえって不安が大きくなってしまった方もいらっしゃるかもしれません。
不倫慰謝料を請求できるか否かの最終的な判断は、法的な専門知識に基づき、お手元にある証拠を的確に評価した上で行う必要があります。ご自身で「これは請求できないケースだ」と判断し、本来得られるはずだった正当な権利を諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。
特に、時効が迫っている場合や、証拠が散逸してしまう恐れがある場合は、一刻も早い対応が求められます。証拠は時間が経つほど集めにくくなり、相手方が削除してしまうリスクも高まります。早期にご相談いただくことで、証拠の保全方法について具体的なアドバイスができ、有利な解決に繋がる可能性が高まります。
もし少しでもご不安な点があれば、ぜひ一度、私たち平井・柏﨑法律事務所の無料相談のご予約はこちらをご利用ください。この記事で解説した内容はあくまで一般的なものであり、個別の事情によって結論は大きく異なる可能性があることをご理解ください。より詳しい情報については、当事務所のウェブサイトにて「不貞行為の慰謝料請求|請求できる条件とできないケースを弁護士が解説」といったテーマの記事も掲載しておりますので、ご参照ください。
平井・柏﨑法律事務所にご相談いただくメリット
当事務所は、JR小倉駅から徒歩5分というアクセスしやすい場所にあり、北九州市およびその近郊にお住まいの皆様から、離婚・男女問題に関するご相談を受け付けています。
- 離婚・男女問題に注力しています
事務所開設以来、一貫して離婚・男女問題に力を入れており、特に不倫慰謝料請求については豊富な経験とノウハウを有しています。 - 男女弁護士在籍による相談のしやすさ
当事務所には男性弁護士と女性弁護士がそれぞれ在籍しております。「同性の弁護士に話を聞いてほしい」といったご希望にも柔軟に対応可能です。 - 初回相談60分無料(※法律相談の範囲に限ります。書面作成や代理事件受任は別途費用が発生します)
費用を気にせず、まずはお悩みを詳しくお聞かせください。
ご相談から解決までの流れ
当事務所へご相談いただく際の、基本的な流れは以下の通りです。
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まずはお電話またはウェブサイトのメールフォームから、ご相談の日時をご予約ください。 - 無料法律相談(60分)
弁護士が直接お会いし、お話を詳しく伺います。プライバシーに配慮した完全個室で対応いたしますのでご安心ください。この場で、今後の見通しやリスク、弁護士費用について丁寧にご説明します。 - ご契約
弁護士からの説明にご納得いただけましたら、委任契約を締結します。ご依頼を無理強いすることは一切ございません。 - 事件対応・解決
ご依頼者様にとって最善の解決が得られるよう、弁護士が相手方との交渉や裁判手続きを代理人として進めてまいります。
一人で悩み続けることは、精神的にも大きな負担となります。そのお悩みを私たち専門家にお話しいただくことで、心の負担が軽くなるだけでなく、解決への道筋が明確になるはずです。まずはお気軽にお問い合わせください。
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(監修者情報)
この記事は、平井・柏﨑法律事務所の弁護士 平井 章悟(福岡県弁護士会所属)の監修のもと作成されています。
最終更新日:2025年12月5日

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不倫で証拠にならないものとは?北九州の弁護士が具体例と判断基準を解説
不倫の証拠で慰謝料請求が決まる?まずは基本を知ろう
「配偶者が不倫しているかもしれない…」「不倫の証拠らしきものは見つけたけれど、これで慰謝料を請求できるのだろうか…」
パートナーの裏切りを知り、心に深い傷を負いながらも、必死の思いで証拠を集めていらっしゃる方は少なくありません。しかし、その集めたものが、法的な手続きにおいて「証拠」として認められるとは限らないのが現実です。
不倫の慰謝料請求では、客観的な「証拠」が何よりも重要です。もし有効な証拠がなければ、相手が事実を認めない限り、請求は非常に困難になります。
この記事では、離婚・男女問題に注力してきた私たち弁護士が、どのようなものが「不倫の証拠にならないのか」、その具体例と判断基準を専門家の視点から詳しく解説します。この記事を最後までお読みいただくことで、証拠にならないものに時間と労力を費やすことを避け、ご自身の状況を冷静に把握し、次にとるべき最善の一手を考える一助となれば幸いです。
慰謝料請求の根拠「不貞行為」とは?
不倫の慰謝料を請求する法的な根拠は、民法709条に定められた「不法行為」にあります。そして、裁判所が慰謝料支払いを命じる不法行為とは、一般的に「不貞行為」があった場合です。
この「不貞行為」とは、法律上、「配偶者以外の異性と、自由な意思に基づいて肉体関係(性交渉およびそれに類する行為)を持つこと」と定義されています。
多くの方が「不倫」と聞いてイメージする、二人きりの食事やデート、親密なメッセージのやり取りだけでは、原則として「不貞行為」とは認められません。裁判所は、あくまで「肉体関係があったか否か」を客観的な証拠に基づいて判断します。この定義が、後に解説する「証拠にならないもの」を理解する上での大前提となります。
なぜ「証拠にならない」ものが存在するのか?
では、なぜ「証拠にならない」ものが存在するのでしょうか。その答えは、前述の「不貞行為」の定義にあります。つまり、「肉体関係があったことを直接証明できないから」です。
例えば、二人が親密そうに食事をしている写真があったとしても、それだけでは「友人や同僚と食事をしていた」と言われれば、それ以上の追及は難しくなります。裁判所は、当事者の感情や推測ではなく、客観的な事実に基づいて判断を下す機関です。
したがって、単に仲が良いことを示すだけの状況証拠では、「不貞行為があった」と断定するには不十分であり、「推測の域を出ない」と判断されてしまうリスクがあるのです。だからこそ、証拠の有効性を冷静に見極める視点が不可欠となります。
【一覧】不倫の証拠にならない・なりにくい具体例10選
私たち平井・柏﨑法律事務所は、これまで福岡家庭裁判所小倉支部や福岡地方裁判所小倉支部における数多くの離婚・不貞慰謝料に関する裁判を経験をしてきました。その豊富な実務経験から、ご相談者様が証拠としてお持ちになるものの、残念ながらそれ単体では「不貞行為」の証明としては不十分と判断されやすいケースを10個、具体的に解説します。
①二人きりの食事やデートの写真・動画
配偶者と不倫相手が二人きりで食事をしていたり、楽しそうに街を歩いていたりする写真や動画。これらは裏切られた側にとって大変ショックなものですが、法的には証拠として弱いと言わざるを得ません。
なぜなら、これらの行為は友人や同僚の関係でもあり得るため、「肉体関係があった」ことの直接的な証明にはならないからです。ただし、他の証拠と組み合わせることで、二人の親密さを示す状況証拠の一つとして意味を持つ場合はあります。

②「好き」「会いたい」だけのLINEやSNSのやり取り
「好きだよ」「早く会いたいな」といった愛情表現を含むLINEやSNSのメッセージも、それだけでは不貞行為の証拠としては不十分です。
このようなやり取りは、精神的なつながり(プラトニックな関係)を示すものに過ぎず、肉体関係の存在を証明するものではないと判断される可能性があります。特にLINEやSNSに関するご相談は非常に多いですが、慰謝料請求で有効な証拠とするには、より踏み込んだ内容が必要です。
例えば、性交渉があったことをうかがわせる「昨日は楽しかったね」「次はいつ泊まれる?」といった具体的なやり取りがあれば、証拠としての価値は格段に高まります。より詳しい証拠の集め方については、「不倫慰謝料請求|証拠の集め方と手続きの流れを弁護士が解説」のページでも解説していますので、ご参照ください。
③キスやハグをしている写真・動画
キスやハグは、二人きりの食事よりも親密な行為ですが、これらも法的な「不貞行為(=肉体関係)」そのものではありません。そのため、キスやハグの写真・動画だけでは、慰謝料請求が認められない可能性があります。
ただし、これらの行為が夫婦の婚姻関係の平穏を害する行為であることは間違いありません。そのため、不貞行為とは認められなくとも、別の不法行為として、限定的な金額ではあるものの慰謝料が認められる可能性はゼロではありません。このあたりの判断は非常に専門的になりますので、弁護士にご相談ください。
④ビジネスホテルやシティホテルの領収書
ラブホテルへの出入りが確認できれば強力な証拠となりますが、ビジネスホテルやシティホテルの場合は注意が必要です。これらのホテルは、出張や一人での宿泊など、業務やプライベートで一人で利用することも考えられるためです。
特に、領収書の名義が配偶者一人分であった場合、「一人で宿泊した」と反論されると、それを覆すのは容易ではありません。二人で宿泊したことを示す別の証拠(例:ホテルの出入りを撮影した写真など)が必要になります。
⑤プレゼントや高価な食事のレシート
配偶者が不倫相手に高価なプレゼントを贈っていたり、高級レストランで食事をしたりしたことがわかるレシートやクレジットカードの明細。これらは二人の親密な関係を推測させるものですが、残念ながら肉体関係を直接証明するものではありません。
これらもあくまで、複数ある証拠の一つとして、二人の関係性の深さを示す状況証拠という位置づけになります。
⑥GPSの位置情報履歴のみ
GPS発信機を車に取り付け、ラブホテルや不倫相手の自宅に長時間滞在していた記録が取れたとします。これは不貞行為を強く疑わせる有力な情報ですが、GPSの記録だけでは証拠として不十分です。
なぜなら、GPSは場所と時間を示すだけで、「誰とそこにいたか」までは証明できないからです。「一人で休憩していた」「友人と会っていた」などと言い逃れされる可能性があります。GPSの情報は、必ずホテルに出入りする二人の写真など、他の証拠と組み合わせることが不可欠です。
⑦第三者からの「見た」という伝聞情報
ご友人や知人から「ご主人が女性とホテルに入っていくのを見た」といった目撃情報を得ることがあります。しかし、このような第三者からの伝聞(又聞き)は、それだけでは法的な証拠になりにくいのが実情です。
目撃者の記憶が曖昧であったり、個人的な感情が混じっていたりする可能性があり、客観性に欠けると判断されがちです。その証言を法的に有効なものにするためには、裁判所で証言してもらったり、詳細な内容を記した「陳述書」を作成し署名押印してもらったりするなどの手続きが必要となり、ハードルは決して低くありません。
⑧避妊具や浮気相手の私物が家にあったという事実
普段使わないはずの避妊具が見つかったり、明らかに自分のものではない女性もののアクセサリーが車から出てきたりした場合、不貞行為を強く推認させます。
しかし、これらも決定的な証拠とはなりにくい側面があります。「誰のものか分からない」「いつからそこにあったか知らない」といった反論をされる可能性があるからです。写真などで記録を残しておくことは重要ですが、これも他の証拠と組み合わせて立証していく必要があります。
⑨職場での親密な様子や二人きりの残業
職場不倫でよくご相談いただくのが、「いつも二人きりで残業している」「飲み会でも隣に座って親密そうに話している」といったケースです。
しかし、これらの行為は業務の一環であったり、単なる仲の良い同僚としての行動であったりする可能性を否定できません。職場での様子だけでは、不貞行為の証明は困難です。業務時間外や休日に、二人きりで会っている証拠(デートや旅行、ホテルへの出入りなど)が必要となります。

⑩配偶者の自白を録音したが、強要が疑われるもの
配偶者を問い詰めて、不貞行為を認めさせた自白の録音は、証拠となり得ます。しかし、その取得方法には注意が必要です。
大声で怒鳴りつけたり、長時間にわたって問い詰めたりして、無理やり言わせたような自白は、相手の自由な意思に基づかないもの(任意性に疑いがある)として、裁判で証拠能力が否定されるリスクがあります。あくまで、冷静な状況下で、相手が自発的に事実を話している録音であることが重要です。
不十分な証拠を「使える証拠」に変える弁護士の視点
ここまで「証拠にならない・なりにくい」例を挙げてきましたが、どうか諦めないでください。一つひとつは弱くても、複数の証拠を組み合わせることで、不貞行為の事実を強く推認させ、慰謝料請求を可能にする「合わせ技」という考え方があります。ここからは、不十分な証拠を「使える証拠」に変えるための弁護士の視点について解説します。

証拠の「強弱」を評価する判断基準とは
私たち弁護士は、ご相談者様がお持ちになった証拠を評価する際、主に以下の3つの基準でその「強弱」を判断しています。
- ①肉体関係との関連性(直接性)
その証拠が、どれだけ直接的に肉体関係の存在を示しているか。例えば、ラブホテルに出入りする写真や動画は関連性が非常に強く、二人きりの食事の写真は弱い、ということになります。 - ②客観性(言い逃れの余地のなさ)
誰が見ても明らかで、言い逃れが難しい証拠であるか。当事者のメッセージよりも、第三者が発行したクレジットカードの明細や、日時が記録された写真の方が客観性は高くなります。 - ③複数存在するか(継続性・頻度)
不貞行為が一度きりではなく、継続的に行われていることを示す証拠があるか。複数の証拠があり、不貞の頻度や期間が長ければ、それだけ悪質と判断され、慰謝料の金額にも影響します。
これらの基準に照らし合わせ、お手持ちの証拠を多角的に見直すことで、その価値を冷静に評価することができます。
弱い証拠を組み合わせ、立証価値を高める方法
単体では弱い証拠も、戦略的に組み合わせることで、その立証価値を飛躍的に高めることが可能です。これは、点と点を線で結び、裁判官に「これだけの証拠が揃えば、肉体関係があったと考えるのが自然だ」と確信させるストーリーを構築する作業です。
例えば、LINE・職場不倫・SNSなど、私たちが実務でよく扱う証拠の組み合わせパターンには、以下のようなものがあります。
- 「LINEで会う約束」 + 「同日の飲食店のクレジットカード明細」 + 「GPSでのラブホテル街への滞在記録」 + 「翌日の『昨日はありがとう』というLINE」
- 「二人きりの出張のスケジュール」 + 「同日のホテルで、一つの部屋の予約が確認できる領収書」 + 「二人で観光地を訪れている写真」
- 「SNSの裏アカウントでの親密なやり取り」 + 「相手の自宅マンションに出入りする車のドライブレコーダー映像」 + 「『今から行くね』という通話録音」
このように、様々な証拠を時系列に沿ってパズルのように組み合わせることで、言い逃れのできない強固な立証を目指します。諦めかけていた証拠も、専門家である弁護士の視点で見れば、重要なピースとなる可能性があるのです。
注意!証拠が無効になるケースと違法収集のリスク
証拠を集めることに必死になるあまり、行き過ぎた行動に出てしまうと、その証拠が裁判で使えなくなる(証拠能力が否定される)ばかりか、ご自身が法的な責任を問われるという深刻なリスクがあります。専門家の立場から、証拠収集の際に絶対に避けるべき注意点について解説します。
プライバシー侵害にあたる証拠収集とは
相手のプライバシーを著しく侵害する方法で得た証拠は、「違法収集証拠」として裁判所に提出しても証拠として採用されない可能性があります。それどころか、相手からプライバシー侵害を理由に損害賠償請求(慰謝料請求)をされてしまう危険性すらあります。
具体的には、以下のような行為が該当する可能性があります。
- 配偶者のスマートフォンに無断で監視アプリ(スパイアプリ)をインストールする
- IDとパスワードを無断で使い、PCのメールやSNSのダイレクトメッセージを盗み見る
- 相手のメールを自分のアドレスに自動転送されるよう、無断で設定する
夫婦間であっても、個人のプライバシーは尊重されなければなりません。感情に任せた行動は禁物です。
住居侵入罪や器物損壊罪に問われる可能性
プライバシー侵害だけでなく、刑事罰の対象となる犯罪行為にまで及んでしまうケースも想定されます。
- 住居侵入罪:不倫の証拠を探すために、不倫相手の自宅やマンションの敷地に無断で立ち入る行為。
- 器物損壊罪:相手の車にGPSを取り付ける際に、バンパーなどを傷つけてしまう行為。
- 不正アクセス禁止法違反:他人のID・パスワードを無断で使用して、SNSやクラウドサービスなどにログインする行為。
精神的に追い詰められる中で、冷静な判断が難しくなるお気持ちは痛いほど分かります。しかし、一線を越えた行動は、ご自身の立場を著しく不利にしてしまいます。どのように証拠を集めればよいか分からなくなった時こそ、専門家である弁護士にご相談ください。
証拠が不十分でも諦めないで。北九州の弁護士にご相談ください
「自分の持っている証拠では、慰謝料請求は無理かもしれない…」
ここまで読んで、そのように不安に思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、どうか一人で結論を出してしまう前に、一度私たちにご相談ください。
ご自身では「弱い」と感じる証拠でも、専門家の目から見れば十分に有効な証拠となり得ることや、他の証拠と組み合わせることで活路が見いだせるケースは少なくありません。また、裁判をしなくても、相手との交渉次第で解決できる可能性も十分にあります。
弁護士だからできること:証拠の精査と今後の最善策のご提案
不倫問題について弁護士にご相談いただくことには、以下のような大きなメリットがあります。
- お手持ちの証拠の有効性を法的に、かつ客観的に評価できます。
- もし証拠が不足している場合、どのような証拠を追加で集めるべきか、そしてその合法的な収集方法について具体的にアドバイスできます。
- 訴訟(裁判)という選択肢だけでなく、相手との交渉によって早期解決を図るための戦略を立てることができます。
感情的になりがちな問題だからこそ、法律の専門家が冷静な第三者として介入することで、ご依頼者様にとって最善の解決への道筋を照らすことができるのです。
北九州で不倫問題にお悩みなら、まずはお早めにご相談を
私たち平井・柏﨑法律事務所は、JR小倉駅から徒歩5分というアクセスしやすい場所に事務所を構え、これまで北九州市およびその近郊の皆様から、多くの離婚・不倫問題のご相談をお受けしてまいりました。地域の皆様のお悩みに寄り添い、最善の解決策をご提案することを使命としています。
不倫の証拠は、時間が経つと相手によって削除されたり、入手が困難になったりするリスクが常に伴います。問題解決の第一歩は、できるだけ早く専門家に相談し、現状を正確に把握することです。
平井・柏﨑法律事務所では、不倫の慰謝料請求に関する初回のご相談は60分無料でお受けしています。ご相談はプライバシーに最大限配慮した完全個室で行いますので、どうぞご安心ください。証拠が消されてしまう前に、まずはお気軽にお問い合わせください。事務所の場所など、詳しくは「事務所概要・アクセス」のページをご覧ください。
あなたの心を少しでも軽くし、未来へ向けて新たな一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。
まずはこちらの初回60分無料|平井・柏﨑法律事務所の法律相談へお申し込みください。
不倫の証拠に関するよくあるご質問(Q&A)
Q. 別居後の不倫の証拠は、慰謝料請求に使えますか?
A. 夫婦関係がすでに修復不可能な状態に陥り「破綻」していた後の不貞行為については、原則として慰謝料請求は認められません。そのため、別居後に不貞行為があった場合、「別居時点で夫婦関係が破綻していたか否か」が大きな争点となります。単に別居しているという事実だけでなく、別居に至った経緯や期間、その間の夫婦の交流状況などを総合的に考慮して判断されるため、専門的な検討が必要です。
Q. 夫が風俗に通っていた場合、お店の女性に慰謝料請求できますか?
A. 原則として、困難であると言えます。風俗店の従業員は、あくまで業務として性的なサービスを提供しています。慰謝料請求が認められる不法行為には「故意・過失」が必要ですが、風俗店の従業員には「相手が既婚者と知りながら、その夫婦関係を破綻させよう」という意図(故意)があったとは通常考えにくいためです。ただし、お店の外で個人的な恋愛関係となり、継続的に会っていたような場合は、慰謝料請求が認められる可能性があります。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不倫慰謝料が高額になるケースとは?増額・減額の要因を解説
不倫慰謝料の相場と「高額」の基準
配偶者の不倫が発覚したとき、心に負った深い傷に対して、どれくらいの慰謝料が認められるのか、多くの方が疑問に思われることでしょう。慰謝料の金額は法律で一律に決まっているわけではなく、個別の事情によって大きく変動します。まずは、裁判実務における一般的な相場と、「高額」と判断される基準について知ることで、ご自身の状況を冷静に見つめる第一歩としましょう。
離婚の有無で変わる慰謝料の基本的な相場
不倫慰謝料の金額を左右する最も大きな要因は、不倫が原因で婚姻関係がどうなったかという点です。平穏な家庭生活がどの程度壊されてしまったかによって、精神的苦痛の大きさが判断されるためです。
- 離婚に至った場合:100万円~300万円程度
不倫によって夫婦関係が完全に破綻し、離婚せざるを得なくなったケースです。婚姻生活を続けるという選択肢を奪われた精神的苦痛は最も大きいと判断され、慰謝料は高額になる傾向があります。 - 離婚はしないが別居した場合:100万円~150万円程度
離婚には至らないものの、不倫が原因で夫婦が別居状態になったケースです。婚姻関係が破綻に近い状態にあると評価され、離婚した場合に次いで高額になる可能性があります。 - 離婚も別居もせず、婚姻関係を継続する場合:50万円~100万円程度
夫婦関係を再構築することを選んだケースです。婚姻関係が破綻するまでには至らなかったと判断されるため、慰謝料の額は比較的低くなる傾向にあります。
これらの金額はあくまで目安です。後述するように、不倫の態様や期間など、様々な事情が考慮されて最終的な金額が決まります。
裁判で「高額」と判断される慰謝料の目安とは
一般的に、裁判所が認める慰謝料額が300万円を超えると、「高額」なケースと評価されることが多いです。テレビドラマのように「慰謝料1000万円」といった請求を目にすることがありますが、実際に裁判でそのような金額が認められるのは、極めて稀なケースに限られます。
例えば、不倫相手を妊娠・中絶させた、長期間にわたり家庭を顧みず不倫相手と生活していたなど、極めて悪質で反社会性の高い事情が重なった場合に、500万円を超えるような高額な慰謝料が認められる可能性が出てきます。
大切なのは、感情的に高額な請求をするのではなく、ご自身のケースではどのような事情が慰謝料額に影響するのかを、法的な観点から冷静に分析することです。

慰謝料が高額になる9つの増額要因
それでは、具体的にどのような事情があれば、慰謝料は相場よりも高額になるのでしょうか。ここでは、裁判で増額の要因として考慮される9つのポイントを、実際の判例とともに解説します。ご自身の状況と照らし合わせながらご確認ください。
1. 不貞行為の期間が長く、回数が多い
不貞行為の期間が長く、その回数が多いことは、精神的苦痛の大きさを裏付ける重要な要素です。一度きりの過ちではなく、長期間にわたって裏切り行為が繰り返されていたという事実は、被害者の心を深く傷つけます。例えば、「数年間にわたり、月に数回の頻度で肉体関係が継続していた」といったケースでは、行為の常習性や悪質性が高いと判断され、慰謝料が増額される傾向にあります。
2. 不貞行為が悪質・反社会的である
不貞行為の態様そのものが悪質であったり、社会的な常識を逸脱していたりする場合、慰謝料は大幅に増額される可能性があります。具体的には、以下のようなケースが挙げられます。
- 夫婦の自宅(特に寝室)で不貞行為に及んだ
- 不倫相手を妊娠させ、中絶させた
- 特殊な性的関係を強要した
- 不倫関係を周囲に吹聴するなど、名誉を傷つける行為があった
これらの行為は、被害者の尊厳を著しく踏みにじるものであり、裁判所も強い非難に値すると判断します。
3. 不倫が原因で離婚・別居に至った
前述の通り、不倫によって平穏な婚姻生活が破壊され、離婚や別居という最も重大な結果を招いた場合、慰謝料は最も高額になります。長年連れ添った配偶者との生活基盤を根底から覆された精神的苦痛は、計り知れないものと評価されるためです。
4. 婚姻期間が長い
結婚してから不倫が発覚するまでの期間が長いほど、慰謝料は増額される傾向にあります。例えば、結婚20年、30年の夫婦の場合、長年にわたって共に築き上げてきた信頼関係、家族の歴史、生活のすべてが裏切られることになります。その精神的ダメージは、結婚して間もない夫婦とは比べものにならないほど大きいと判断されるのです。
5. 未成熟の子どもがいる
まだ親の保護が必要な未成熟の子ども(一般的に未成年者)がいる家庭での不倫は、慰謝料の増額事由となります。不倫によって家庭環境が悪化し、子どもたちの健全な成長に悪影響を及ぼす可能性が高いからです。特に、不倫が原因で離婚し、片親での子育てを余儀なくされることになった親の精神的負担は非常に大きいと判断されます。
6. 被害者が精神疾患を患った
配偶者の不倫という強い精神的ショックが原因で、うつ病や適応障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などを発症してしまった場合、それは客観的な損害として慰謝料の増額に繋がります。この場合、医師の診断書が不倫と精神疾患との因果関係を証明する重要な証拠となります。
7. 加害者の社会的地位が高い・収入が多い
慰謝料には、被害者の精神的苦痛を慰めるという側面に加え、加害者に対する「制裁」という意味合いも含まれます。そのため、不倫をした配偶者や不倫相手の社会的地位が高かったり、収入や資産が多かったりする場合、その支払い能力に応じて慰謝料が増額されることがあります。ただし、支払い能力だけで金額が決まるわけではなく、あくまで他の要因と総合的に判断されます。
8. 加害者に反省の色が見られない
不倫が発覚した後も、謝罪の言葉一つなく開き直ったり、嘘をつき続けたり、あるいは不倫関係を継続したりするような不誠実な態度は、被害者の心をさらに傷つけます。このような態度は、反省の念がないとして裁判官の心証を著しく悪化させ、慰謝料の増額事由として明確に考慮されることがあります。
9. その他、特段の事情があるケース
これまでにご紹介した典型的な要因以外にも、個別の事案における特殊な事情が慰謝料額に大きな影響を与えることがあります。
弁護士の視点:当事務所が経験した特殊な高額認容事例
当事務所で取り扱った事案の中には、一般的な不貞とは性質が異なる特殊な事情が認められ、通常より高額な賠償が認められたケースがあります(個別事案の詳細は依頼者のプライバシー保護のため公表しておりません)。
このように、一つひとつの事案には、教科書通りにはいかない、その方だけの深い苦しみや特殊な背景が存在します。私たちは、そうした声にならない思いを法的な主張として丁寧に汲み取り、法的に適切な賠償額の実現を目指します。
高額な慰謝料請求が減額されるケースとは?

一方で、高額な慰謝料を請求されたとしても、必ずしもその全額が認められるわけではありません。請求される側にも、慰謝料の減額を主張できる事情があるかもしれません。どのような場合に減額の可能性が出てくるのかを見ていきましょう。
不貞行為以前から婚姻関係が破綻していた場合
不貞行為が始まるよりも前に、夫婦関係がすでに修復不可能なほど冷え切っていた場合、慰謝料は大幅に減額されるか、認められないことさえあります。法律が保護するのは「平穏な婚姻共同生活」であり、それがすでに存在しないのであれば、不貞行為によって新たに侵害される利益もない、という考え方です。
例えば、長期間にわたる家庭内別居状態であったり、何年も性交渉がなかったり、離婚協議を具体的に進めていたりといった事情がこれにあたります。ただし、「夫婦喧嘩が絶えなかった」という程度では破綻とは認められにくく、客観的な証拠をもって「破綻」を立証する必要があります。
請求者側にも責任(有責性)がある場合
不貞行為に至った原因の一端が、請求者側にもあると判断される場合、その責任の度合いに応じて慰謝料が減額されることがあります。これを法律用語で「過失相殺」といいます。
例えば、請求者側が日常的にDVやモラルハラスメントを行っていた、正当な理由なく性交渉を拒否し続けていた、生活費を全く渡さなかったなどの事情があれば、それが不貞行為の引き金になったとして考慮される可能性があります。
不貞の程度が軽微である場合
不貞行為の期間がごく短かったり、回数が一度きりであったりするなど、行為の程度が軽微と判断される場合、精神的苦痛も比較的小さいと評価され、慰謝料は低額になる傾向があります。ただし、一度きりの関係であっても、それが計画的なものであったり、悪質な態様であったりすれば、必ずしも低額になるとは限りません。
高額な不倫慰謝料を請求するための方法と注意点
適正な、そして可能な限り高額な慰謝料を獲得するためには、感情的に相手を責めるだけでは不十分です。法的な手続きに沿って、戦略的に準備を進める必要があります。

【最重要】増額を裏付ける客観的な証拠を集める
高額な慰謝料請求の成否は、どれだけ質の高い証拠を集められるかにかかっていると言っても過言ではありません。証拠は、「不貞行為があったこと」を証明するだけでなく、「期間が長かったこと」や「態様が悪質だったこと」といった増額要因を裏付けるものでなければなりません。
<有効な証拠の例>
- 肉体関係があったことがわかるLINEやメールのやり取り
- ラブホテルに出入りする写真や動画
- 配偶者や不倫相手が不貞行為を認めた音声データや念書
- 探偵事務所(興信所)の調査報告書
- クレジットカードの利用明細やホテルの領収書
ただし、相手のスマートフォンに無断でスパイアプリを仕掛けるなど、違法な手段で証拠を収集すると、その証拠が裁判で使えなくなったり、逆に損害賠償を請求されたりするリスクもあるため注意が必要です。
内容証明郵便で慰謝料を請求する
証拠がある程度集まったら、交渉の第一歩として、弁護士名で「内容証明郵便」を送付することが有効です。内容証明郵便には、以下のような効果が期待できます。
- 請求の意思を明確に示す:慰謝料を請求するという本気の姿勢を相手に伝えます。
- 心理的プレッシャーを与える:弁護士の名前で送ることで、事の重大さを認識させ、交渉に応じさせる効果が高まります。
- 時効の完成を猶予させる:慰謝料請求権の時効(損害及び加害者を知った時から3年)の完成を一時的に止めることができます。
内容証明郵便は、請求内容や送達日時を証拠化できるため、時効の進行を抑えるための「催告」手段として用いられることがあります(民法150条)。ただし、内容証明自体が自動的に時効を停止・中断するわけではなく、催告後は6か月以内に訴訟等の法的手続きをとる必要があります。
交渉がまとまらない場合は訴訟(裁判)を提起する
当事者間での話し合いで慰謝料の金額や支払方法について合意ができない場合は、裁判所に訴訟を提起することになります。訴訟には、裁判官という第三者が法に基づいて公平な判断を下してくれるというメリットがあります。判決が出れば、相手が支払いに応じない場合でも、給料や財産を差し押さえるといった強制執行が可能になります。
一方で、裁判には時間や費用、そして精神的な負担がかかるというデメリットもあります。訴訟に踏み切るべきかどうかは、証拠の強さや相手の態度などを総合的に考慮して慎重に判断する必要がありますので、専門家である弁護士に相談することが不可欠です。
高額な不倫慰謝料でお悩みなら、まずは弁護士にご相談ください

ここまで見てきたように、不倫慰謝料の金額は、本当に様々な事情によって大きく変わります。請求する側も、される側も、ご自身のケースが法的にどのように評価されるのかを正確に把握しなければ、相手の言い分に振り回されたり、本来得られるはずの権利を逃してしまったりするかもしれません。
配偶者の裏切りに深く傷つき、怒りや不安で冷静な判断が難しい状況にあることと思います。そのようなときこそ、あなたの味方となり、法的な観点から冷静に状況を分析し、最善の解決策を一緒に考えてくれる専門家の力が必要です。
平井・柏﨑法律事務所は、これまで数多くの離婚・男女問題、特に不倫慰謝料請求の事案を解決に導いてまいりました。当事務所では、初回の法律相談は60分無料です(事前予約制。ご相談内容によっては有料となる場合がございますので、詳しくはお問い合わせください)。男性弁護士、女性弁護士が複数在籍しておりますので、「話しやすい同性の弁護士に相談したい」といったご希望にもお応えできます。
一人で抱え込まず、まずはあなたのその苦しい胸の内をお聞かせください。私たちが、あなたの未来への一歩を全力でサポートします。
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平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不貞(不倫)慰謝料の裁判例の紹介(夫と相手方女性に性的関係があったかは明らではないが、相手方女性が夫と同居生活を続けていた場合における慰謝料額)
1 本事案の概要
ご紹介する裁判例は、東京地方裁判所平成27年5月27日判決です。
女性Yは、Xの夫であるAとの交際を開始し、その後約5年間にわたり同居生活を続けていました。
これに対し、Yは、Aが性的不能であり、不貞行為が成立する余地はないと主張しました。
そこで、妻Xは、YがAと不貞(不倫)関係にあり、その結果夫婦関係が破綻したとして、Yに対して500万円の慰謝料を請求しました。
2 認容された慰謝料額
300万円
3 算定にあたって考慮された事情
⑴ 不法行為の成立について
Aが、全く性的不能であったか否かは疑わしいが、仮に、YとAとの間に、性的関係がなかったとし ても、Yが、Xと婚姻関係にあるAと同居生活を続けている以上、不法行為が成立し得ることは、当然である。
⑵ 増額事情
・XとAの婚姻期間が約15年であること
・X及びAが、それぞれ相手の連れ子と養子縁組をしていること
・XとAの自宅土地建物が、夫婦の共有となっており、取得あるいは新築の資金調達のために、Xが所有する不動産に抵当権が設定されるなど、XAは財産関係でも密接な関係にあること
・Aの会社の経営に、Xが深く関与していること
・YがAと別れることには否定的とみられること
⑶ 減額事情
・YA間の関係について、Yが、主導的立場であったという事情はみられないこと
4 弁護士からのコメント
本事案における特殊性としては、裁判所が、YとAの性的関係(肉体関係)の有無を認定することなく、YとAが長期間にわたり同居生活続けたことをもって不法行為の成立を認めた点にあります。
一般的には性的関係(肉体関係)が認められない場合には、不法行為が成立せず、慰謝料も発生しないことが多いです。しかし、婚姻関係にある者が他者と長期間にわたり同居生活を続ければ、婚姻関係が破綻に至ることは明らかですので、本事案における裁判所の判断は妥当なものと考えられます(なお、判決時点においてXとAは離婚していないようですが、裁判所は破綻したと認定しています。)。
また、不倫や浮気(不貞)により夫婦関係が破綻するに至った場合の慰謝料としては、150万円前後が基準となることが多い印象です。
そうすると、300万円という慰謝料額は、裁判所が性的関係(肉体関係)の有無を認定していないことを考慮すると、かなり高額といえます。その理由としては、XとAの婚姻関係に問題がなく、財産関係でも密接な関係にあったにもかかわらず、長期間にわたり同居生活を続けたという特殊事情を裁判所が重く見たということができます。
このように、本事案は、性的関係(肉体関係)が明確に認められなくとも、長期間にわたり同居生活を続けていた等の事情があれば、不法行為が成立し慰謝料が発生する可能性があることを示すものといえます。もっとも、慰謝料額が高額となっている点については、考慮要素としては挙げられていませんでしたが、Aが高額な年収(3500万円程度)を得ており、そのAとの婚姻関係が破綻したことも事実上考慮している可能性があります。そのため、300万円という慰謝料金額については一般化できるものではないと思料されますので注意が必要です。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
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不貞(不倫)慰謝料の裁判例の紹介(不貞行為以前から夫婦関係が相当程度冷却化、悪化していた場合の慰謝料額)
1 本事案の概要
ご紹介する裁判例は、東京地方裁判所平成21年8月31日判決です。
夫Aは妻Xに対して、婚姻前に交際していた女性と生活するため離婚したいと言い出したことがありましたが、XとAは離婚しませんでした。その後、AとYが不貞関係を持ったことが発覚し、XA夫婦は離婚するに至りました。そのため、Xは、Aの不貞(不倫)相手であるYに対して慰謝料300万円の請求をしました。
2 認容された慰謝料額
60万円
3 算定にあたって考慮された事情
⑴ 増額事情
・特になし
⑵ 減額事情
・XとAの夫婦関係は、AとYが知り合う前である平成12年ころから冷却化しており、必ずしも円満、良好なものであったとはいえず、XとAが離婚するに至った主たる原因は、冷却化していたXとAの夫婦関係や家族関係にあったこと
・このような家族関係に悩んでいたAが、職場での勤務条件等の調整を契機にYに家族の問題を相談する等し、相談に乗っていたYがAと不貞関係を持つに至ったこと
・Yの不貞行為が、XA夫婦が離婚した主たる原因とまではいえないものの、他方で、Yとの不貞行為が離婚に至る要因の一つであり、契機となったこと
・AとYとの関係は一過性のものであって、現在、職場の上司としての関係を超える交際もなく、Aも、Yとそれ以上の関係を望んでいないこと
4 弁護士からのコメント
本事案において、Yとの不貞(不倫)があった後、XA夫婦は離婚しました。不倫や浮気(不貞)を理由に離婚に至った場合の慰謝料額については、過去の裁判例などからすると150万円前後になることが多いです。
そうすると、本事案における60万円という慰謝料額は、離婚した場合の慰謝料額としては低額であるとも考えられます。
この点、不倫や浮気(不貞)が原因で離婚するに至った場合に慰謝料額が上記のような金額になるのは、不貞(不倫)が「原因」で離婚にまで至ってしまったから、すなわち、精神的な苦痛がそれだけ大きいといえるからです。
しかし、本事案において、XとAの夫婦関係は、既に相当程度冷却化しており、Yの不貞行為は、離婚の要因の一つでしかないため、不倫や浮気(不貞)が原因で離婚する場合と比べて精神的苦痛は大きくないといえます。
裁判所は特にこの点を重視し、本事案における慰謝料額を認定したものと考えられます。もっとも、不倫や浮気(不貞)が離婚の直接的な原因となったのか、それとも要因の一つにすぎないのかといった判断については明確な基準があるわけではなく、事案ごとに判断していかなければならないものです。
そのため、このような点についてお悩みの方は、離婚・男女問題に注力する弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
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不貞(不倫)慰謝料の裁判例の紹介(妻の里帰り出産中に夫が不貞を行った場合の慰謝料額)
1 本事案の概要
ご紹介する裁判例は、東京地方裁判所平成20年12月26日判決です。
原告である妻は、いわゆる里帰り出産のため実家に帰省していました。しかし、夫は、職場の同僚女性(以下「A」といいます)に対して、別居中で離婚予定であると告げ、その旨誤信したAと不貞行為に及びました。
そのため、妻は、夫の不貞(不倫)相手であるAに対して300万円の慰謝料を請求しました。なお、本裁判中に妻と夫との離婚は成立していませんでしたが、妻は、夫に対して離婚を求めており、実質的に婚姻関係が破綻している状態でした。
2 認容された慰謝料額
100万円
3 算定にあたって考慮された事情
⑴ 増額事情
・Aと夫との不貞行為が、原告と夫との婚姻関係破綻の原因なっていること
・Aと夫が、原告が子どもを出産して間もない時期に不貞行為に及んでいること
⑵ 減額事情
・Aは、原告と夫との婚姻関係が破綻しているものと認識し、夫との交際を開始したこと
・原告と夫との婚姻期間が約7か月と短いこと
・Aと原告との不貞期間が約3か月と短いこと
4 弁護士からのコメント
不貞行為の継続期間、婚姻期間の長さといった事情は、慰謝料金額を決める際によく考慮される事情であり、本事案においても、それぞれの期間が短いことが減額事情として考慮されています。
もっとも、このような減額事情はありますが、婚姻関係が破綻している事案としては100万円という慰謝料額は低い印象を受けます。
本事案がこのような慰謝料額となったのは、やはり不貞(不倫)相手が夫の言動により、別居中で離婚予定であると誤信したという特殊性があったからだと考えられます。

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