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不倫を否定された時の対処法|証拠集めの失敗談と慰謝料請求|北九州の弁護士が解説
配偶者の不倫、しかし本人は「否定」。まず何をすべきか
「不倫しているでしょう」と問い詰めても、配偶者は「そんな事実はない」と頑なに否定する。あなたは、裏切られた悲しみや怒り、そしてどうすればいいのか分からない焦りで、心が張り裂けそうな思いをされていることでしょう。そのお気持ちは、痛いほどよく分かります。
しかし、このような状況で最も避けなければならないのは、感情のままに行動してしまうことです。相手を激しく問い詰めたり、証拠もないのに不倫相手とされる人物に接触したりすることは、かえってあなたの立場を不利にしてしまいます。
この記事では、不倫を否定する配偶者に対して、どのように冷静に対処し、法的に有効な証拠を集め、慰謝料請求という正当な権利を実現していくのか、その具体的な道筋を法律の専門家である弁護士が解説します。まずは落ち着いて、ご自身の未来のために今何をすべきかを一緒に考えていきましょう。
なぜ不倫を認めないのか?否定する配偶者の3つの心理
相手がなぜ事実を認めないのか、その心理を理解することは、今後の対応を冷静に進める上で非常に重要です。不倫を否定する配偶者には、主に次のような心理が働いていると考えられます。

①証拠はないだろうという慢心・楽観
最も多いのが、「決定的な証拠はないはずだ」と高をくくっているケースです。スマートフォンの中身を消去したり、用心深く行動したりしているため、言い逃れができると楽観視しています。このタイプの相手に中途半端な証拠を突きつけても、「それは友人と食事に行っただけだ」などと巧みに言い逃れをされてしまうでしょう。それだけでなく、あなたの追及をきっかけに警戒心を強め、より巧妙に証拠を隠してしまうリスクが非常に高いのです。
②あなたとの関係を壊したくないという保身
不倫という過ちを犯しながらも、あなたとの夫婦関係や家庭を失いたくないという思いから、事実を否定するケースもあります。この場合、配偶者は罪悪感を抱いているかもしれませんが、それ以上に「離婚したくない」「子どもと離れたくない」といった自己保身の気持ちが強く働いています。関係修復を望む気持ちが少しでもあるのかもしれませんが、まずは事実と向き合わなければ、本当の意味での再構築はあり得ません。
③慰謝料の支払いや社会的制裁から逃れたい
不倫の事実を認めれば、慰謝料という金銭的な負担が発生します。また、職場や親族、友人に知られてしまうことによる社会的な信用の失墜を恐れる気持ちも、事実を認めさせない大きな要因となります。特に、社会的地位のある方や、世間体を気にするタイプの方は、この傾向が強いと言えるでしょう。この心理を理解しておくことは、後の交渉において、相手が何を守ろうとしているのかを見極める助けとなります。
【失敗談】証拠がない段階で問い詰めることの危険性
不倫を確信したとき、多くの方が衝動的に相手を問い詰めてしまいます。しかし、これは慰謝料請求において、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

弁護士としての経験から
これまで多くのご相談をお受けしてきましたが、最も悔やまれるのは、「決定的な証拠がない段階で相手を問い詰めてしまった」というケースです。
感情が抑えきれず相手に不倫の事実をぶつけてしまった結果、配偶者は警戒心を最大限に高め、スマートフォンにロックをかけ、SNSのアカウントを削除し、行動も極めて慎重になります。こうなってからでは、私たちが介入しても、法的に有効な証拠を新たに見つけ出すことは極めて困難になります。
「もし、問い詰める前に一度ご相談いただけていれば…」。そうすれば、証拠を保全する方法や、相手に気づかれずに情報を集める具体的なアドバイスができたはずです。そのほんの少しのタイミングの違いで、慰謝料請求の道が閉ざされてしまうこともあるのです。このことを、どうか心に留めておいてください。
不倫を認めさせるには?裁判でも通用する証拠の種類
不倫(法律上は「不貞行為」といいます)を理由に慰謝料を請求するためには、配偶者と不倫相手との間に「肉体関係があったこと」を証明する客観的な証拠が必要です。ここでは、どのような証拠が裁判で有効とされるのか、その重要度をレベル分けして解説します。

【証拠レベル:高】肉体関係を直接示す証拠
これらは、不貞行為の存在を直接的に証明できる、最も強力な証拠です。
- ラブホテルに出入りする写真や動画
- 配偶者や不倫相手が、不貞行為を認めている音声データや録画
- 探偵事務所が作成した、客観的な事実に基づく調査報告書
特に、二人がラブホテルに入り、一定時間滞在した後に二人で出てくる様子が鮮明に撮影された写真や動画は、言い逃れのできない決定的な証拠となります。
【証拠レベル:中】肉体関係を推認させる証拠
単体では弱くても、複数組み合わせることで肉体関係の存在を強く推測(推認)させることができる証拠です。
- 「愛してる」「また泊まりたい」など、肉体関係をうかがわせるLINE、メール、SNSのメッセージ
- 二人で宿泊したことが分かるホテルの予約履歴や領収書
- 不倫相手の自宅に長時間(特に深夜から早朝にかけて)滞在していることが分かる記録
- 配偶者が不倫の事実を認めた念書や誓約書
特にLINEなどのメッセージは、頻度や内容の親密さ、やり取りが続いた期間なども考慮され、重要な証拠となり得ます。
【証拠レベル:低】状況証拠(他の証拠との組み合わせが重要)
これら単体では不貞行為の証明は難しいですが、他の証拠と組み合わせることで、全体の信憑性を高める役割を果たします。
- 二人きりで食事をした際のレシートやクレジットカードの明細
- 不倫相手へのプレゼントの購入履歴
- カーナビの走行履歴や、ETCカードの利用履歴
- 配偶者の手帳やカレンダーにある、不倫相手と会っていたことを示すメモ
これらの状況証拠を丹念に集め、レベル中・高の証拠と結びつけることで、より強固な立証が可能になります。
自分でできる証拠集めの方法と違法にならないための注意点
ご自身で証拠を集める際には、その方法が違法行為にならないよう細心の注意が必要です。合法的な範囲で行える証拠収集の方法と、その注意点を解説します。
| 方法 | 注意点 |
|---|---|
| スマートフォンの確認 | 夫婦間で明示的にロックを共有している等、閲覧に同意がある場合は問題になりにくい一方で、安易に第三者のアカウントや端末のロックを解除したり、パスワードを不正に取得・使用すると不正アクセス禁止法違反やプライバシー侵害(民事責任)、場合によっては窃盗等の刑事責任が生じる可能性があるため、注意が必要です。 |
| 写真・動画の撮影 | 公開されている場所(道路、レストラン、商業施設など)での撮影は基本的に問題ありません。ただし、他人の住居の敷地内に無断で立ち入って撮影すると、住居侵入罪に問われる可能性があります。 |
| 音声の録音 | 自分と相手(配偶者など)の会話を当事者の一方だけが録音することは、単独では直ちに刑事罰の対象とならない場合が多く、民事裁判で証拠として採用されることもあります。ただし、住居侵入や盗聴器設置など別の違法行為を伴う録音や、録音の態様や取得経緯によっては証拠能力が否定されたり刑事・民事責任を問われる可能性があるため、録音による証拠収集は慎重に行う必要があります。 |
| GPSでの追跡 | ストーカー規制法等の改正により、本人の承諾なく他人の所持物(車等)に位置情報取得装置を取り付けて位置情報を取得する行為は規制・罰則の対象となり得ます。夫婦共有と考えられる場合でも所有関係・利用状況や具体的事実で結論が変わるため、安易にGPSを設置するのは避け、設置の合法性については事前に弁護士にご相談ください。 |
証拠集めは、常に法的なリスクと隣り合わせです。少しでも不安を感じたら、行動に移す前に弁護士にご相談ください。
不倫を否定されても慰謝料請求は可能!具体的な3ステップ
有効な証拠が揃えば、たとえ相手が不倫を否定し続けていても、法的な手続きに則って慰謝料を請求することが可能です。その具体的な流れを3つのステップでご説明します。
ステップ1:内容証明郵便による慰謝料請求
まず、弁護士の名前で、不貞行為の事実と慰謝料を請求する旨を記載した「内容証明郵便」を配偶者と不倫相手に送付します。内容証明郵便は、「誰が、いつ、どのような文書を差し出したか」の事実を日本郵便が証明するものであり、相手が「受け取っていない」などと主張することを防ぐ効果があります。ただし、内容証明は文書の記載内容(事実の真偽)を裏付ける証拠とは別であり、実際の請求の成否は別途収集した証拠により判断される点には注意が必要です。
法律の専門家である弁護士からの正式な書面が届くことで、相手に強い心理的プレッシャーを与え、真摯な対応を促す効果が期待できます。
ステップ2:弁護士を介した示談交渉
内容証明郵便の送付後、相手方から連絡があれば、弁護士が代理人として示談交渉を開始します。ご自身で直接交渉すると、どうしても感情的になってしまい、話し合いがこじれてしまうことが少なくありません。弁護士が間に入ることで、感情的な対立を避け、法的な根拠に基づいて冷静かつ有利に交渉を進めることができます。
交渉がまとまった際には、後々のトラブルを防ぐために、合意内容(慰謝料の金額、支払方法、接触禁止条項など)を明記した「示談書」を作成します。この示談書を公正証書にしておけば、万が一支払いが滞った場合に、裁判を経ずに強制執行(給与の差し押さえなど)を行うことも可能になります。
ステップ3:離婚調停・裁判(訴訟)
交渉での解決が難しい場合や、相手が請求を完全に無視する場合には、家庭裁判所に調停や裁判(訴訟)を申し立てます。離婚も同時に求める場合は「離婚調停」の中で慰謝料について話し合います。不倫相手にのみ請求する場合や、離婚せずに慰謝料のみを請求する場合は、地方裁判所に「損害賠償請求訴訟」を提起します。
特に裁判では、これまで集めてきた客観的な証拠が、あなたの主張を裏付ける上で決定的に重要となります。法廷での主張や立証活動は非常に専門的であるため、この段階では弁護士のサポートが不可欠と言えるでしょう。
不倫の慰謝料請求、弁護士に相談すべき理由とタイミング
不倫問題に直面したとき、なぜ弁護士に相談することが重要なのでしょうか。その理由と、相談に最適なタイミングについてご説明します。
弁護士に依頼するメリットは数多くあります。
- 精神的な負担の軽減:つらく複雑な交渉や手続きの窓口をすべて弁護士に任せることで、精神的なストレスから解放されます。
- 法的に有効な証拠収集のアドバイス:何が有効な証拠になるか、どうすれば合法的に集められるか、専門的な視点から具体的なアドバイスを受けられます。
- 適正な慰謝料額の算定と交渉:過去の裁判例などに基づき、あなたのケースにおける適正な慰謝料額を算定し、相手方と対等以上に交渉を進めることができます。
- 煩雑な法的手続きの代理:内容証明郵便の作成から、示談書の作成、調停や裁判に至るまで、専門的で複雑な手続きをすべて代理します。
では、いつ相談すべきか。それは「配偶者の不倫を疑った、その時点」がベストなタイミングです。先述の通り、相手を問い詰めてしまう前にご相談いただくことで、取りうる選択肢が格段に広がります。当事務所の弁護士料金についても、事前に丁寧にご説明いたしますので、ご安心ください。
北九州で不倫・不貞の慰謝料請求にお悩みの方へ
配偶者に不倫をされ、さらにその事実を否定されることは、精神的に非常に大きな苦痛を伴います。お一人で悩み、どうしてよいか分からなくなってしまうのは当然のことです。
私たち平井・柏﨑法律事務所は、事務所開設以来、離婚・男女問題、特に不倫の慰謝料請求に注力し、豊富な解決実績を積み重ねてまいりました。ご相談に来られた方の心を少しでも軽くし、未来に向けて新たな一歩を踏み出すお手伝いをすることが、私たちの使命です。
当事務所では、離婚・男女問題に関する初回の法律相談は60分無料です。男性弁護士、女性弁護士が在籍しており、ご希望に応じて対応が可能です。プライバシーに最大限配慮した完全個室で、あなたのお話を親身にお伺いします。
事務所はJR小倉駅から徒歩約5分と、アクセスしやすい場所にございます。一人で抱え込まず、まずは専門家である私たちにご相談ください。あなたの正当な権利を守るため、全力でサポートいたします。
どうぞお気軽に初回60分無料相談はこちらをご利用ください。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不倫相手が既婚か不明な慰謝料請求|北九州の弁護士が解説
「不倫相手が既婚者かも…」こんなお悩みありませんか?
「もしかして、付き合っている相手は既婚者かもしれない…」
「『独身だ』と信じていたのに、嘘をつかれていたことがわかった…」
交際相手の言葉を信じて真剣にお付き合いをしていたにもかかわらず、ふとした瞬間に既婚者である可能性が頭をよぎり、強い不安に襲われる方は少なくありません。あるいは、すでに相手が既婚者であると知り、騙されていたことへの怒りと、今後のご自身の身に何が起こるのかという恐怖で、冷静な判断ができない状態に陥っている方もいらっしゃるでしょう。
- 相手の配偶者から、突然高額な慰謝料を請求されたらどうしよう…
- 「知らなかった」では済まされないのだろうか?
- 騙されていた私が、なぜ責任を負わなければならないのか納得できない。
- むしろ、騙した相手に責任を追及したいが、どうすれば良いかわからない。
- 集めておくべき証拠はあるのだろうか?
このようなお悩みは、誰にも相談できず、お一人で抱え込んでしまうケースが非常に多いです。しかし、法的な知識がないまま自己判断で行動してしまうと、本来負う必要のない責任を負わされたり、逆に請求できるはずの権利を失ってしまったりする危険性があります。
この記事では、不倫・男女問題の解決に注力してきた北九州市の弁護士が、不倫相手が既婚者か不明な場合の慰謝料請求について、法的責任の分かれ道から、具体的な証拠集め、ケース別の対処法まで、専門家の視点から詳しく解説します。あなたの不安を少しでも軽くし、次の一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
慰謝料請求の分かれ道「故意・過失」とは?

不倫(不貞行為)の慰謝料請求が認められるかどうかを判断する上で、法律上、最も重要な概念が「故意・過失」です。これは、民法第709条に定められた不法行為の成立要件の一つです。
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
不貞行為のケースに当てはめて簡単に説明すると、以下のようになります。
- 故意:相手が既婚者であると「知っていた」うえで、肉体関係を持った場合。
- 過失:相手が既婚者であるとは「知らなかった」ものの、そのことについて「注意すれば気づけたはずだ(不注意があった)」と判断される場合。
つまり、慰謝料の支払い義務は、「知っていた」場合だけでなく、「知らなかった」としても、それに落ち度(不注意)があれば発生する可能性があるのです。この「故意・過失」の有無は重要な判断要素ですが、過失の有無は複数の具体的事情(裁判例・事実認定)により判断されます。より詳しい慰謝料請求の流れについては、「不倫・不貞、貞操権侵害の慰謝料請求の流れ」のページもご参照ください。
慰謝料の支払い義務が生じるケース(故意・過失あり)
「故意」、つまり相手が既婚者だと知っていた場合はもちろん、慰謝料の支払い義務が生じます。問題となるのは、主に「過失」が認定されるかどうかです。裁判実務上、以下のような事情があると、「注意すれば既婚者だと気づけたはずだ」として過失が認定されやすくなる傾向があります。
- 土日や祝日、夜間に会えないことが多かったり、電話に出なかったりした。
- 相手の自宅や部屋に入れてもらえなかった。
- 指輪を外した跡があった、あるいは普段は指輪をしていないのに特定の場面でしていた。
- マッチングアプリで出会ったが、身分証明書の確認が義務付けられていないアプリだった。
- 相手が「離婚協議中だ」「別居している」と話していた(婚姻関係が破綻していない限り、法的には既婚者です)。
- 職場が同じで、相手の言動に不自然な点があった。
これらの事情が複数重なると、「社会通念上、既婚者であることを疑うべき状況だった」と判断され、過失が認定される可能性が高まります。
慰謝料の支払い義務が生じないケース(故意・過失なし)
一方で、慰謝料の支払い義務が生じないのは、「故意・過失がなかった」と法的に認められるケースです。つまり、「相手が既婚者だと知らず、そう信じたことについて落ち度もなかった」と主張し、それを証明する必要があります。
しかし、単に「独身だと言われたから信じた」というだけでは、過失がないと認めてもらうのは容易ではありません。支払い義務が否定される可能性があるのは、相手が非常に巧妙かつ悪質にあなたを騙していたようなケースです。
- マッチングアプリで「独身」と偽り、プロフィールも作り込んでいた。
- 偽造した独身証明書を見せられた。
- 自身の親族や友人を「独身の友人」として紹介された。
- 「結婚しよう」と具体的な話を進め、両親への挨拶なども済ませていた。
このように、相手が積極的に独身であるかのように偽装していた場合、「知らなかった」という主張が認められる可能性が出てきます。ただし、そのハードルは決して低くないことを理解しておく必要があります。
相手が既婚か独身か不明なときの確認方法と注意点
「もしかして…」と疑念を抱いた初期段階では、どうやって事実を確認すればよいか悩むことでしょう。ご自身でできる確認方法には、以下のようなものがありますが、それぞれメリットとデメリット、そして法的なリスクが伴います。
SNSの調査
相手の名前や関連情報で検索し、別の(いわゆる裏)アカウントを探す方法です。家族写真などが投稿されていることもあります。ただし、確実な情報が得られるとは限りません。
共通の知人への聞き込み
信頼できる共通の知人がいれば、探りを入れることも考えられます。しかし、情報が相手に伝わり、関係が悪化したり、証拠を隠されたりするリスクがあります。
興信所・探偵事務所への依頼
費用はかかりますが、プロの調査員が合法的な範囲で身元調査を行います。客観的な証拠が得られる可能性が高いですが、費用が高額になることもあります。
【注意点】
事実を確かめたい一心で、相手のスマートフォンを無断で見る、GPSを仕掛ける、勤務先に問い合わせるなどの行為は、プライバシー侵害や不正アクセス禁止法などに抵触する違法行為となる可能性があります。絶対に行わないでください。不安な場合は、行動を起こす前に弁護士にご相談ください。
「知らなかった」と主張するための証拠集め
もし相手の配偶者から慰謝料を請求された場合に「故意・過失はなかった」と反論するため、あるいは、騙されていたことに対して相手に慰謝料(貞操権侵害)を請求するためには、客観的な証拠が不可欠です。
感情的に「騙された!」と訴えるだけでは、法的な主張としては認められません。「相手が独身であると信じ、そう信じるのが当然の状況であったこと」を裏付ける証拠を集めることが極めて重要になります。
有効な証拠の具体例(LINE、SNS、音声データなど)
証拠としての価値が高いのは、相手が「独身である」と明確に、あるいは示唆している客観的な記録です。
- LINEやメールのやり取り:「独身だよ」「結婚しよう」「君と家族になりたい」といったメッセージのスクリーンショット。
- SNSのプロフィールやDM:マッチングアプリのプロフィール画面(「未婚」のステータス表示や「独身者限定」の記載があるもの)、SNS上での「恋人募集」といった投稿など。
- 音声データや動画:相手が独身であると発言している会話の録音や、結婚を約束する様子の動画。
- 写真:婚約指輪を渡された際の写真や、二人で結婚式場の下見に行った際の写真など。
- 知人・友人の証言:相手があなたの友人に対して「独身だ」と話していた場合、その友人による陳述書や証言。
これらの証拠は、相手があなたを騙す意図があったこと、そしてあなたがそれを信じるのも無理はなかったことを示す強力な材料となり得ます。
証拠収集における注意点と弁護士への早期相談の重要性
証拠集めにおいて、最も避けたいのが「相手に感づかれて証拠を消される」ことです。相手を問い詰めた結果、LINEの履歴を全て削除されたり、SNSのアカウントを消されたりするケースは後を絶ちません。
また、前述の通り、違法な手段で集めた証拠は、裁判で証拠として採用されないばかりか、あなたが逆に損害賠償を請求される原因にもなりかねません。
「おかしいな」と感じたら、まずは冷静になり、相手に何も告げずに弁護士にご相談ください。どのような証拠が有効か、どうすれば合法的に確保できるか、専門的な視点から具体的なアドバイスが可能です。証拠が失われる前に手を打つことが、あなたの未来を守るために最も重要なことなのです。
ケース別|慰謝料請求への具体的な対応
あなたが今置かれている状況によって、とるべき対応は大きく異なります。ここでは代表的な2つのケースについて、具体的な対処法を解説します。
相手の配偶者から慰謝料請求された場合の対処法
ある日突然、相手の配偶者やその代理人弁護士から内容証明郵便で慰謝料請求の通知書が届くことがあります。このような場合、慌てて連絡を取ったり、その場で示談書に署名することは慎重にすべきです。まずは書面の内容を確認の上、弁護士に相談することをお勧めします。
まずは以下の手順で冷静に対応しましょう。
- 請求内容の確認:請求されている金額はいくらか、どのような事実を根拠に請求されているのかを正確に把握します。
- 安易な連絡・合意は避ける:一度謝罪したり、支払いを認めたりすると、後から「故意・過失はなかった」と主張するのが非常に困難になります。
- 弁護士に相談する:通知書を持参の上、速やかに弁護士にご相談ください。弁護士が代理人として交渉の窓口となることで、精神的な負担が大幅に軽減されるだけでなく、法的な根拠に基づいて支払いの拒否や減額交渉を有利に進めることが可能になります。
「故意・過失がなかった」ことを立証できれば、慰謝料を支払う義務はありません。仮に過失が認定される可能性がある場合でも、請求額が不当に高額であるケースも多いため、専門家による交渉で大幅に減額できる可能性は十分にあります。
騙した相手に慰謝料請求したい場合(貞操権侵害)
既婚者であることを隠して交際し、肉体関係を持った相手に対しては、あなたが受けた精神的苦痛に対して慰謝料を請求できる可能性があります。これは「貞操権侵害」という不法行為に基づくものです。
貞操権とは、「誰と性的な関係を持つかを自由に決定する権利」のことであり、独身であると偽って肉体関係を求める行為は、この権利を違法に侵害するものと評価されます。
慰謝料の金額は、交際期間、結婚の約束の有無、妊娠・中絶の有無など、個別の事情によって大きく変動しますが、過去の裁判例などでは数十万円から数百万円程度の範囲で認められるケースが見られます。
請求の具体的な手続きは、まず内容証明郵便で請求書を送り、相手との交渉を開始します。交渉で合意できなければ、裁判所での調停や訴訟といった法的手続きに進むことになります。
騙された怒りや悲しみを抱えたまま、ご自身で相手と直接交渉するのは精神的に非常につらい作業です。弁護士が代理人として交渉を行い、法的観点から請求の可否などを検討します。適切な法的対応により救済を図れる可能性があります。
北九州で不倫相手の既婚・独身問題にお悩みなら当事務所へ
ここまで解説してきたように、不倫相手が既婚者か不明な場合の慰謝料問題は、「故意・過失」の判断、有効な証拠の有無、具体的な交渉の進め方など、法的な専門知識がなければ適切に対応することが非常に困難です。ご自身の判断で行動した結果、不利な状況に陥ってしまう前に、ぜひ一度、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
私たち平井・柏﨑法律事務所は、事務所開設以来、離婚・男女問題に注力しています。特に、不倫慰謝料の請求・被請求事案も取り扱っており、豊富な経験がございます。事務所が所在する北九州市の福岡家庭裁判所小倉支部での案件も手がけており、地域の実情に即した対応が可能です。
ご相談に来られた方の心を少しでも軽くし、未来に向けて新たな一歩を踏み出すお手伝いをすること。それが私たちの理念です。あなたのお悩みに親身に寄り添い、最善の解決策を一緒に見つけさせていただきます。
離婚・男女問題に関する初回のご相談は60分無料です。一人で抱え込まず、まずはお気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 相手と別れれば、慰謝料は払わなくていいですか?
A1. いいえ、別れたからといって、過去の不貞行為に対する慰謝料の支払い義務がなくなるわけではありません。不貞行為の時点で、相手の配偶者が被った精神的苦痛に対する賠償責任は発生しています。
Q2. 慰謝料に時効はありますか?
A2. はい、あります。不倫の慰謝料請求権は、原則として「不貞行為の事実」と「不倫相手が誰か」を知った時から3年で時効により消滅します。ただし、個別の状況によって起算点が変わる場合があるため、注意が必要です。
まとめ【弁護士監修】
交際相手が既婚者か独身かわからない状況は、慰謝料を請求されるリスクと、騙された被害者として請求できる権利が複雑に絡み合う、非常にデリケートな問題です。
慰謝料の支払い義務の有無は「故意・過失」によって決まりますが、これを法的に判断するには専門的な知識が不可欠です。「知らなかった」と主張するためには、相手が独身であると信じさせるような言動があったことを示す客観的な証拠が重要になります。
もし相手の配偶者から慰謝料を請求された場合は、安易に合意せず、すぐに弁護士に相談してください。逆に、あなたが騙されていた立場であれば、貞操権侵害として慰謝料を請求できる可能性があります。
いずれのケースにおいても、早期に弁護士に相談することが、あなたの正当な権利を守り、不利益を回避するための最善の策です。北九州市およびその近郊でこの問題にお悩みの方は、ぜひ一度、当事務所の無料相談をご利用ください。
【監修】
弁護士 平井 章悟(福岡県弁護士会所属)
平井・柏﨑法律事務所
※本記事は、不倫慰謝料に関する一般的な情報提供を目的としたものです。個別の事案における法的な見解やアドバイスを提供するものではなく、具体的な状況によっては本記事の内容が当てはまらない場合もございます。個別の法律相談については、必ず弁護士にご相談ください。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
職場不倫の慰謝料請求|証拠とリスクを北九州の弁護士が解説
職場不倫の慰謝料請求、ためらっていませんか?
「配偶者が職場の同僚と不倫している。慰謝料を請求したいけれど、会社に知られたら配偶者や相手のキャリアに傷がつくかもしれない…」
「普通の不倫と違って、職場だと証拠を集めるのが難しいのではないか…」
パートナーの裏切りによる精神的苦痛に加え、職場という特殊な環境が、あなたをさらに苦しめ、一歩を踏み出すことをためらわせているのではないでしょうか。
私たち平井・柏﨑法律事務所は、北九州市小倉に拠点を置き、これまで不倫慰謝料請求案件を多数取り扱っており、豊富な解決実績がございます。その中でも、職場不倫に関するご相談は後を絶ちません。「会社のPCでプライベートなLINEのやり取りを見てしまった」「怪しい出張の経費精算を見つけた」など、職場だからこそ発覚するケースも多く、そのお悩みがいかに深刻であるか、私たちは日々痛感しております。
この記事では、職場不倫の慰謝料請求に特有のリスク、有効な証拠とその集め方、そして会社に知られずに解決するための具体的なステップについて、弁護士として専門的な知見に基づいて解説します。あなたの不安を少しでも軽くし、次の一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
職場不倫の慰謝料請求で問題となる3つのリスク
慰謝料請求を具体的に進める前に、まずは職場不倫特有のリスクを正しく理解しておくことが重要です。リスクを理解した上で適切な対策を講じることで、場合によっては会社に知られる可能性を低減できることがあります。ただし、その有効性は事案ごとの事情(証拠の種類、相手方の反応、職場環境等)に左右されるため、具体的な見通しや方法については個別相談の上で判断する必要があります。
リスク1:不倫の事実が会社に知られてしまう可能性
慰謝料を請求された不倫相手が、精神的に追い詰められたり、逆上したりして、社内で不倫の事実を自ら暴露してしまうケースは残念ながら存在します。また、弁護士から送付された書類を職場で受け取ってしまい、同僚に見られるといった事態も想定されます。
しかし、これらのリスクは無策で交渉を進めた場合に起こりうるものです。後述するように、弁護士が介入し、連絡方法や交渉の進め方を慎重に管理することで、会社に知られる可能性を大幅に低減させることが可能です。
リスク2:当事者が解雇・左遷などの懲戒処分を受ける可能性
「不倫が会社にバレたら解雇される」と心配される方は非常に多いですが、これは法的には必ずしも正しくありません。
もっとも、懲戒処分が有効となるケースも存在します。例えば、
- 役員や上司が、その地位を利用して部下と不倫関係になった場合
- 勤務時間中に、会社の施設(会議室など)で不貞行為に及んでいた場合
- 不倫関係のもつれから、他の従業員を巻き込むような大きなトラブルに発展し、職場の風紀や秩序を著しく乱した場合
上記のように、企業の秩序維持に直接的な影響を与えたと判断される場合には、譴責、減給、降格、そして最も重い懲戒解雇といった処分が下される可能性もゼロではありません。
リスク3:職場での人間関係が悪化し、居づらくなる可能性
法的な処分とは別に、事実上のリスクとして人間関係の悪化が挙げられます。万が一、不倫の事実が噂として社内に広まってしまった場合、当事者たちは周囲からの信頼を失い、職場で孤立してしまう可能性があります。その結果、自主的な退職に追い込まれるケースも少なくありません。
こうした法的なリスクと事実上のリスクを総合的に考慮した上で、慰謝料請求という手段を取るべきか、あるいは夫婦間での解決策(夫婦間での解決など)を模索すべきか判断するための材料を提供します。

職場不倫の慰謝料請求で有効な証拠と集め方の注意点
慰謝料を請求するためには、配偶者と不倫相手との間に「不貞行為(肉体関係)」があったことを示す証拠が不可欠です。職場不倫においては、特有の状況を活かした証拠収集が鍵となります。
肉体関係を推認させる客観的証拠
最も強力な証拠は、二人がラブホテルに出入りする写真や動画です。しかし、これを撮影することは現実的に難しい場合が多いでしょう。その場合に有効となるのが、以下のような客観的な証拠です。
- 出張先での証拠:同じホテルの部屋に宿泊したことが分かる予約確認メール、領収書など。
- GPSの記録:配偶者の社用車や自家用車に搭載されたGPSの移動履歴で、特定の場所(ホテルや相手の自宅)に長時間滞在している記録。
- クレジットカードの利用明細:ラブホテルやシティホテルの利用履歴。
これらの証拠は、単体では弱くても、複数組み合わせることで不貞行為の有力な推認材料となります。
親密な関係を示す状況証拠
直接的な証拠がない場合でも、親密な関係を示す状況証拠を積み重ねることで、不貞行為を立証できる可能性があります。職場不倫では、以下のような証拠が集めやすい傾向にあります。
- メッセージのやり取り:会社のPCや個人のスマートフォンに残された、肉体関係があったことをうかがわせるLINE、SNS、メールのやり取り。単に「好き」といった内容だけでなく、「昨日は楽しかったね」「次はいつ会える?」など、具体的な関係性を推測させるものが重要です。
- 勤怠記録:二人同時に不自然な時間外労働や休日出勤をしている記録。
- 同僚からの証言:「二人が頻繁に二人きりで食事に行っていた」「出張先で同じ部屋に泊まったと聞いた」といった具体的な証言。ただし、協力してもらうのは難しい場合も多く、慎重なアプローチが必要です。
- 写真や動画:二人で旅行に行ったり、デートしたりしている様子がわかるもの。
私たち弁護士は、ご相談者様がお持ちの断片的な情報から、法的にどのような証拠が有効となりうるか、専門的な視点でアドバイスいたします。「こんなものは証拠にならないだろう」とご自身で判断せず、まずは一度お見せいただければと思います。
証拠集めでやってはいけない違法行為
証拠を集めたい一心で、法を犯してしまうと、逆にこちらが不利な立場に立たされる危険性があります。以下の行為は絶対に行わないでください。
- 不正アクセス:相手のIDやパスワードを無断で使い、メールやSNSにログインする行為(不正アクセス禁止法違反)。
- スパイウェアの設置:相手のスマートフォンに、遠隔操作や盗聴ができるアプリを無断でインストールする行為。
- 住居侵入:別居中の配偶者や不倫相手の自宅に無断で立ち入る行為(住居侵入罪)。
- 会社のサーバーへの不正アクセス:会社のサーバーにアクセス権限がないにもかかわらず侵入し、メールなどを閲覧する行為。
これらの違法な手段で得た証拠は、裁判で証拠能力が否定される可能性もあります。安全かつ合法的な方法で証拠を集めるためにも、行動を起こす前に専門家である弁護士にご相談ください。
会社にバレずに慰謝料請求を進めるための3ステップ
「慰謝料は請求したい。でも、会社にだけは絶対に知られたくない」。この切実なご要望に応えるため、私たち弁護士は細心の注意を払って手続きを進めます。ここでは、リスクを管理しながら慰謝料請求を進めるための具体的な3つのステップをご紹介します。
ステップ1:事案に応じた最適な通知方法を選択する
慰謝料請求の第一歩として、請求の意思を記した書面(内容証明郵便)を送付することが一般的です。内容証明の差出人表示については、事案ごとにメリット・デメリットがあります。弁護士名で送付すると相手方への心理的効果や安全性が高まる一方で、職場に知られるリスクを懸念する事情がある場合は、まず本人名で穏当な書面を送る方法をとることもあります。どちらが適切かは事案ごとのリスク評価に基づくため、弁護士と相談の上で最適な方法を選択することが重要です。
ステップ2:連絡は個人の携帯電話やメールに限定する
交渉が始まったら、情報漏洩を防ぐための徹底した管理が不可欠です。すべての連絡は、相手の個人の携帯電話番号や私用のメールアドレスに限定します。勤務時間中に職場へ電話をかけたり、職場宛に書類を送付したりすることは避けるべきです。
弁護士に依頼いただければ、こうした連絡窓口の一元化と管理を徹底します。相手方に対しても「今後の連絡はすべて弁護士宛に、こちらの住所や電話番号へお願いします」と明確に指示することで、職場への連絡を確実に遮断し、情報が外部に漏れるリスクを最小限に抑えます。
ステップ3:示談書に「口外禁止条項」を必ず盛り込む
慰謝料の金額や支払方法について合意ができたら、その内容をまとめた「示談書」を作成します。示談書に口外禁止条項(秘密保持条項)や違約金を定めることは一般的です。ただし、条項の効力には限界があり、公序良俗や第三者の権利(例:犯罪の通報義務等)と抵触する部分は無効となる可能性があります。また、違約金が過度に高額だと無効となるおそれがあるため、条項の文言や金額は事案に応じて慎重に設計する必要があります。実効性のある内容にするためにも、専門家である弁護士にご相談ください。
専門家である弁護士が作成する示談書は、こうした将来的なリスクまで見据えた、あなたを守るための材料となります。もしお困りでしたら、初回60分無料相談はこちらをご利用ください。
職場不倫の慰謝料に関するよくあるご質問(FAQ)
ここでは、職場不倫の慰謝料請求に関して、ご相談者様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 職場不倫の慰謝料の相場はいくらですか?
不倫の慰謝料に法律で定められた明確な金額はありませんが、裁判上の相場はおおむね50万円~200万円の範囲に収まることが多いです。ただし、この金額は個別の事情によって大きく変動します。
主な変動要素としては、
- 婚姻期間の長さ(長いほど高額になる傾向)
- 不倫の期間や頻度(悪質性が高いと判断されると高額になる傾向)
- 不倫が原因で離婚に至ったか否か(離婚に至った場合の方が高額になる)
- 不倫発覚前の夫婦関係(すでに夫婦関係が破綻していたと判断されると、請求が認められないか、大幅に減額される)
- 未成年の子の有無
などがあります。特に、不倫関係が始まる前から夫婦関係が冷え切っており、家庭内別居状態にあったなど、「婚姻関係が破綻」していたと評価される場合は、慰謝料請求が困難になるケースもあります。ご自身のケースがどの程度認められる可能性があるか、安易に自己判断せず、弁護士にご相談ください。
Q2. 弁護士に依頼した場合の費用はどのくらいかかりますか?
弁護士費用は、一般的に「相談料」「着手金」「報酬金」などで構成されます。法律事務所によって料金体系は異なります。
当事務所では、離婚・男女問題に関する初回のご相談は60分無料で承っております。まずはお話をお伺いし、慰謝料請求の見通しやリスク、そして必要となる弁護士費用について、丁寧にご説明いたします。費用倒れになる可能性がある事案など、ご依頼いただくメリットが少ないと判断した場合には、その旨も正直にお伝えしますので、安心してご相談ください。
Q3. 不倫相手だけに慰謝料を請求することはできますか?
はい、可能です。
法律上、不倫(不貞行為)は、不倫をした配偶者と不倫相手の二人が共同で行う「共同不法行為」(民法第709条、第719条)とされています。これは、二人が連帯してあなたへの損害賠償責任を負うことを意味します。そのため、あなたは、
- 不倫相手にだけ全額を請求する
- 配偶者にだけ全額を請求する
- 両方に請求する(ただし、合計額が賠償額の上限)
という選択が可能です。今後も婚姻関係を継続する(離婚しない)場合は、家計が同じである配偶者への請求は意味が乏しいため、不倫相手にのみ請求するケースが一般的です。
職場不倫でお悩みなら、北九州の平井・柏﨑法律事務所へ
職場不倫の慰謝料請求は、会社バレや解雇のリスク、特有の証拠収集の難しさなど、通常の不倫問題とは異なる複雑な側面を持っています。一人で抱え込み、感情的に行動してしまうと、かえって状況を悪化させ、取り返しのつかない事態を招きかねません。
問題をこじらせる前に、そして重要な証拠が失われてしまう前に、できるだけ早い段階で専門家である弁護士に相談することが、最善の解決への近道です。
私たち平井・柏﨑法律事務所は、北九州市小倉を拠点に、これまで数多くの離婚・男女問題、特に不倫慰謝料請求の問題を解決してまいりました。あなたのデリケートな状況に最大限配慮し、会社に知られることなく慰謝料問題を解決できるよう、豊富な経験とノウハウを駆使して全力でサポートいたします。
初回のご相談は60分無料です。プライバシーに配慮した完全個室で、男性・女性いずれの弁護士もご指名いただけます。まずは勇気を出して、あなたのお悩みをお聞かせください。
※本記事で解説されている内容は、あくまで一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の事案における法的な見解や結果を保証するものではありません。具体的な法的アドバイスについては、必ず弁護士にご相談ください。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不倫慰謝料のよくある誤解3選|北九州の弁護士が解説
はじめに:不倫慰謝料請求にまつわる危険な「思い込み」
「夫(妻)が不倫をした。許せない。でも、慰謝料請求についてインターネットで調べれば調べるほど、何が本当の情報なのか分からなくなってきた…」
配偶者の不倫という、心に深い傷を負う出来事に直面されたとき、多くの方が同じような不安や混乱を抱えていらっしゃいます。インターネット上には「慰謝料の相場は〇〇万円」「この証拠がなければ請求できない」といった情報が溢れていますが、その中には、ご自身の状況には当てはらないものや、法的に不正確な情報も少なくありません。
もし、そうした不正確な情報を鵜呑みにして行動してしまうと、本来得られるはずだった正当な慰謝料を受け取れなくなったり、相手方との関係がさらにこじれてしまったりと、後悔の残る結果を招きかねません。
この記事では、離婚・男女問題に注力してきた私たち、平井・柏﨑法律事務所の弁護士が、ご相談者様から特によく伺う不倫慰謝料に関する「3つの大きな誤解」を取り上げ、法的な観点から分かりやすく解説します。正しい知識を身につけ、ご自身にとって最善の選択をするための一助となれば幸いです。

弁護士が解説!不倫慰謝料でよくある3つの誤解
不倫慰謝料請求は、民法第709条に定められた「不法行為に基づく損害賠償請求」の一種です。これは、故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う、というものです。不倫(不貞行為)は、平穏な婚姻共同生活を送るという権利を侵害する不法行為にあたるため、慰謝料請求が認められます。
しかし、この法律の考え方を正しく理解しないまま、思い込みで行動してしまう方が後を絶ちません。ここでは、私たちが北九州の皆様からご相談を受ける中で特に多いと感じる3つの誤解を解説します。
弁護士の視点:なぜ誤解が生まれるのか
不倫慰謝料に関する誤解が広まる背景には、インターネットやテレビドラマなどで断片的な情報がセンセーショナルに取り上げられることがあると感じています。特に「相場」や「証拠」といった分かりやすいキーワードだけが一人歩きし、「自分のケースも同じはずだ」と思い込んでしまう傾向があるようです。
しかし、法律問題、特に男女間のトラブルは、一つとして同じケースはありません。ご夫婦の状況、不倫の態様、そしてお気持ちなど、様々な事情が複雑に絡み合って結論が導き出されます。だからこそ、画一的な情報に惑わされず、ご自身の状況に即した専門的なアドバイスを得ることが何よりも重要なのです。
【誤解1】「慰謝料の相場は200~300万円」と信じ込んでいる
「インターネットで調べたら、相場は200万円と書いてありました」というお話は、非常によく耳にします。確かに、慰謝料額の目安としてそのような金額が示されることはあります。しかし、それはあくまで一般的な目安に過ぎず、全てのケースに当てはまる「定価」ではありません。
裁判所が慰謝料の金額を算定する際には、以下のような様々な事情を総合的に考慮します。
- 婚姻期間の長さ
- 不倫関係が始まった経緯や期間、頻度
- 不倫が原因で離婚に至ったか、婚姻関係を継続するか
- 未成年の子どもの有無
- 不倫相手の社会的地位や支払い能力
- 謝罪の有無など、不倫発覚後の対応
例えば、結婚30年の夫婦が不倫によって離婚に至ったケースと、結婚1年で不倫関係はすぐに解消され、夫婦関係を再構築するケースとでは、精神的苦痛の度合いが異なると評価され、慰謝料額も大きく変わってくる可能性があります。
実際に私たちが北九州で担当した案件でも、当初ご自身で調べた「相場」を元に高額な請求を考えていた方が、相手方の事情や証拠の状況を法的に分析した結果、あえて請求額を調整し、早期に妥当な金額での和解を成立させた事例もあります。画一的な相場観に固執することは、かえって解決を遠ざけてしまう危険性もあるのです。
【誤解2】「肉体関係の証拠がないと請求できない」と諦めている
「ラブホテルに出入りする写真のような、決定的な証拠がないと無理ですよね?」と、請求を諦めかけてご相談に来られる方も少なくありません。
確かに、慰謝料請求の根拠となる「不貞行為」とは、法律上、配偶者以外の者と自由な意思で肉体関係を持つことを指します。そのため、肉体関係を直接証明できる証拠(写真や動画など)があれば、立証は容易になります。
しかし、そのような直接的な証拠がなくても、慰謝料請求が認められるケースは数多くあります。裁判では、肉体関係があったことを「推認(すいにん)」できるかどうかがポイントになります。例えば、以下のような間接的な証拠を複数組み合わせることで、不貞行為の事実を立証できる可能性があります。
- 二人きりで頻繁に深夜まで会っていたことが分かるメールやLINEのやり取り
- 「愛している」「会いたい」といった親密な関係を示すメッセージ
- 二人で旅行に行ったことが分かる写真やホテルの領収書
- 相手が不貞行為を認めるような発言を録音したデータ
どのような証拠が法的に有効か、また、今ある証拠で立証が可能かどうかの判断は、高度に専門的です。安易に「証拠がないから」と諦めてしまう前に、一度弁護士にご相談いただくことを強くお勧めします。

【誤解3】「夫婦関係が破綻していれば請求できない」と思い込んでいる
不倫をした配偶者やその相手から、「あなたのところは、もう夫婦関係が壊れていたじゃないか(破綻していたじゃないか)」と反論され、請求をためらってしまうケースがあります。
法的には、不倫関係が始まる以前から夫婦関係が既に修復不可能なほどに壊れていた(破綻していた)場合、その後に始まった不倫は「平穏な婚姻共同生活」という保護されるべき利益を侵害しないため、慰謝料請求が認められない、とされています。
しかし、ここで重要なのは、法的な意味での「破綻」と、日常的な感覚での「夫婦仲が悪い」状態とは全く異なるという点です。単に夫婦喧嘩が絶えなかった、しばらく家庭内別居状態だった、というだけでは、法的に「破綻」しているとは認められないことがほとんどです。
裁判所が「破綻」を認定するには、長期間の完全な別居、離婚調停の申し立てなど、客観的にみて夫婦関係の修復が到底不可能な状態であったことが必要となります。相手方からの「破綻していた」という主張は、慰謝料の支払いを免れるための言い逃れであるケースが非常に多いのが実情です。相手の言葉を鵜呑みにせず、専門家である弁護士に法的な判断を仰ぐことが重要です。
誤解に基づいた行動が招く3つのリスク
不倫慰謝料に関する誤解は、単に知識の間違いで済む問題ではありません。誤った思い込みに基づいて行動してしまうと、取り返しのつかない事態を招くことがあります。ここでは、特に注意すべき3つのリスクについて解説します。
リスク1:請求できるはずの慰謝料を逃してしまう
「証拠が不十分だ」「もう夫婦関係は破綻しているから」といった誤解から、慰謝料請求そのものを諦めてしまうのは、最も避けたい事態です。本来であれば、あなたの受けた精神的苦痛に対して正当な賠償を受けられるはずだった機会を、自ら手放してしまうことになります。
また、不倫慰謝料の請求権には時効があることにも注意が必要です。時効は、原則として「不倫の事実と不倫相手を知った時から3年間」です。誤った知識によって行動をためらっている間に時効が成立してしまい、請求する権利そのものを失ってしまう可能性もあります。少しでも疑問や不安があれば、まずは専門家に相談し、正しい見通しを知ることが大切です。
リスク2:相手方との交渉が泥沼化・長期化する
「相場は300万円のはずだ」と過大な金額を一方的に請求したり、不十分な証拠で相手を感情的に問い詰めたりすると、相手方も態度を硬化させ、交渉が全く進まなくなることがあります。
当事者同士の話し合いは、どうしても感情的になりがちです。冷静な対話ができなくなり、お互いに疲弊するだけで、解決が何年も先延ばしになってしまうケースも少なくありません。弁護士が代理人として間に入ることで、法的な根拠に基づいた冷静な交渉が可能となり、精神的なご負担を軽減しながら、迅速な解決を目指すことができます。
リスク3:逆に名誉毀損などで訴えられる
配偶者への裏切りに対する怒りや悲しみから、行き過ぎた行動に出てしまう方がいらっしゃいます。例えば、不倫相手の職場に乗り込んだり、SNSなどで不倫の事実を暴露したりする行為です。
しかし、このような行為は、たとえ事実であったとしても、相手の社会的評価を低下させるものとして「名誉毀損」という別の不法行為に該当し、逆に損害賠償を請求される可能性があります。正当な権利である慰謝料請求が、一線を越えた行動によって、ご自身が加害者になってしまう事態は絶対に避けなければなりません。どのような手段が法的に許されるのか、冷静に判断するためにも、専門家のアドバイスは不可欠です。
不倫慰謝料の悩みは、まず弁護士にご相談ください
ここまで解説してきたように、不倫慰謝料請求には法的な専門知識が不可欠であり、誤った思い込みは大きなリスクを伴います。もしあなたが今、一人で悩み、どうすればよいか分からずにいるのであれば、ぜひ一度、私たち法律の専門家にご相談ください。
当事務所が選ばれる理由と弁護士会照会先
平井・柏﨑法律事務所は、開設以来、離婚・男女問題に一貫して注力し、北九州・小倉の地で離婚・男女問題に注力しています。
- 原則弁護士2名体制による多角的なサポート:1つの案件に対し、原則として弁護士2名体制で対応します。通常の着手金・報酬金で対応しており、2名体制による追加費用は原則として発生しません。
- 男性・女性弁護士が在籍:「同性の弁護士に話を聞いてほしい」「異性の視点からの意見も聞きたい」といったご要望にお応えできます。話しやすい環境で、安心してご相談いただけます。
- アクセスしやすい立地とプライバシーへの配慮:JR小倉駅から徒歩約5分。プライバシーに最大限配慮した完全個室の相談室で、じっくりとお話をお伺いします。
【責任者表示】
平井・柏﨑法律事務所
代表弁護士 平井 章悟(福岡県弁護士会所属)
初回60分無料相談でできること
当事務所では、離婚・男女問題に関する初回のご相談を60分無料でお受けしています。この相談時間の中で、あなたのお悩みを解消するために、以下のようなことを行います。
- 慰謝料請求が可能かどうかの法的な見通し
- お手元にある証拠が有効か、今後どのような証拠を集めるべきかのアドバイス
- 今後の手続きの流れや解決までの期間の目安
- 弁護士に依頼した場合の費用に関する明確なご説明
ご相談いただいたからといって、無理に依頼をお勧めすることはありません。「まず話を聞いてみたい」「自分の状況を知りたい」というだけでも構いません。一人で抱え込まず、まずは一歩を踏み出してみませんか。私たちが、あなたの心の負担を軽くし、未来へ進むためのお手伝いをいたします。
もしお困りでしたら、当事務所の初回60分無料相談のお問い合わせはこちらをご利用ください。
不倫慰謝料の誤解に関するQ&A
最後に、不倫慰謝料に関してよく寄せられるその他の質問にお答えします。
Q. 相手に支払い能力がない場合、慰謝料は請求できないのですか?
A. 支払い能力がないからといって、慰謝料を請求する権利がなくなるわけではありません。請求すること自体は可能です。
問題は、判決や合意で慰謝料の金額が決まっても、実際にそれを回収できるかという点です。しかし、すぐに一括で支払えなくても、交渉によって分割払いの合意を取り付けたり、将来の給与を差し押さえるために公正証書を作成したりといった方法が考えられます。諦めてしまう前に、どのような回収方法があり得るか、弁護士にご相談ください。
Q. ダブル不倫の場合、慰謝料請求はどうなりますか?
A. ダブル不倫(不倫関係にある当事者双方が既婚者である場合)は、法律関係が複雑になります。具体的には、あなたにはあなたの配偶者の不倫相手に対する慰謝料請求権があり、同時に、相手方の配偶者にはあなたの配偶者に対する慰謝料請求権があります。
この場合、四者間で交渉が必要になったり、お互いの請求額を事実上相殺するような形で解決したりすることもあります。当事者のみでの解決は非常に困難なケースが多いため、早期に弁護士へ相談することをお勧めします。
Q. 弁護士に依頼せず、自分で交渉するのはやめたほうがいいですか?
A. ご自身で交渉すること自体が法的に禁じられているわけではありません。しかし、この記事で解説してきたように、法的な誤解に基づいた交渉は大きなリスクを伴います。
感情的な対立から交渉が泥沼化したり、法的に不備のある合意書を作成してしまったりする危険性があります。弁護士にご依頼いただくことで、法的な根拠に基づき、適正な金額での解決を目指せるだけでなく、相手方との直接のやり取りから解放されるという精神的なメリットも非常に大きいと言えます。後悔のない解決のためにも、ぜひ専門家である弁護士の活用をご検討ください。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不倫慰謝料請求|証拠の集め方と手続きの流れを弁護士が解説
不倫慰謝料請求で後悔しないための第一歩
パートナーの不倫が発覚したとき、多くの方は深い悲しみや怒り、そして将来への不安に苛まれることでしょう。信じていた人に裏切られた精神的な苦痛は計り知れず、冷静な判断が難しくなるのも当然のことです。しかし、そのような状況だからこそ、感情的に行動するのではなく、ご自身の権利を守るために、一つひとつ着実に手続きを進めることが重要になります。
不倫(不貞行為)によって受けた精神的苦痛に対する慰謝料の請求は、法律で認められた正当な権利です。そして、その権利を適切に行使するためには、法的な知識と戦略が不可欠となります。
この記事では、離婚・男女問題に注力してきた私たち平井・柏﨑法律事務所(福岡県弁護士会所属)の弁護士が、不倫慰謝料請求をお考えの皆様に向けて、以下の点を体系的に解説します。
- 慰謝料請求の成否を分ける「証拠」の具体的な集め方と注意点
- 証拠集めや請求に最適な「タイミング」
- 交渉から裁判までの法的な「手続きの流れ」
- 弁護士に相談するメリットとデメリット
先が見えない不安の中でこの記事を読んでくださっていることと思います。まずは全体像を把握し、ご自身が今何をすべきかを理解するだけでも、心は少し軽くなるはずです。この記事が、あなたが未来へ向けて新たな一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
慰謝料請求の成否を分ける「証拠」の集め方とタイミング
不倫慰謝料請求において、最も重要と言っても過言ではないのが「証拠」の存在です。ここでは、なぜ証拠が必要なのかという根本的な理由から、具体的な収集方法、そして多くの人が見落としがちな「タイミング」と「注意点」について、専門家の視点から詳しく解説します。

なぜ証拠がなければ慰謝料請求は難しいのか?
慰謝料を請求した際、もし相手方(配偶者や不倫相手)が「不倫の事実はない」と否定した場合、どうなるでしょうか。
法律の世界では、「権利を主張する側が、その権利の根拠となる事実を証明しなければならない」という「立証責任」の原則があります。つまり、不倫慰謝料を請求する側(あなた)が、「配偶者と不倫相手との間に肉体関係(不貞行為)があったこと」を客観的な証拠をもって証明する必要があるのです。
もし十分な証拠がないまま請求してしまうと、相手に言い逃れをされ、慰謝料の支払いを拒否されたり、大幅に低い金額でしか合意できなかったりする可能性が高まります。最悪の場合、裁判を起こしても請求が認められず、時間と費用が無駄になってしまうことさえあります。だからこそ、行動を起こす前に、客観的で有効な証拠を確保することが極めて重要なのです。
【証拠の強さ別】有効な不貞行為の証拠一覧
不貞行為の証拠には様々なものがありますが、その「証拠としての強さ(証明力)」には差があります。ここでは、証拠の強さ別にどのようなものがあるかを解説します。
これだけで強い証拠となりうるもの
これらの証拠は、単体でも肉体関係の存在を強く推認させることができます。
- ラブホテルに出入りする写真や動画:滞在時間が明確にわかるものが特に有効です。
- 不倫相手の自宅に宿泊していることがわかる写真や動画:出入りの時間が記録されているものが望ましいです。
- 肉体関係があったことを明確に示すメール、LINE、SNSのやり取り:「好き」「愛してる」といった内容だけでなく、性交渉をうかがわせる具体的な内容が含まれていると強力です。
- 肉体関係を認める会話の録音データや自認書:本人が不貞行為を認めている内容は、非常に強い証拠となります。
- 探偵事務所(興信所)の調査報告書:客観的な第三者による報告書は、作成方法や内容の適法性が担保されていれば、裁判で有力な証拠として評価されることがあります。
複数組み合わせることで効力を発揮するもの
これらは単体では肉体関係の証明として弱いものの、他の証拠と組み合わせることで不貞行為の事実を補強する材料となります。
- 二人で親密そうに旅行している写真
- キスや抱き合っている写真
- クレジットカードの利用明細(ホテル、レストランなど)
- カーナビの走行履歴、ETCの利用履歴
- 手帳や日記、スケジュールアプリの記録
- 配偶者と不倫相手が同じ日に同じホテルに宿泊したことがわかる領収書
例えば、「二人で食事をしたレストランの領収書」と「その日の夜にシティホテルに宿泊したクレジットカード明細」、そして「『昨日は楽しかった』というLINEのやり取り」が揃えば、不貞行為の存在を強く推認させることができます。
証拠集めの最適なタイミングとやってはいけない注意点
有効な証拠を集めるためには、タイミングと方法が重要です。焦って行動すると、かえって相手に警戒されたり、違法な行為に及んでしまったりするリスクがあります。
証拠集めを始めるタイミング
「不倫を疑った、そのとき」が証拠集めを始める最適なタイミングです。まだ相手が警戒していない段階であるため、証拠を見つけやすい可能性が高いからです。感情的に相手を問い詰めてしまうと、その瞬間から相手は警戒し、スマートフォンにロックをかけたり、LINEの履歴を消したりと、証拠を隠滅する行動に出る可能性が非常に高くなります。
証拠を突きつけるタイミング
十分な証拠が集まるまで、決して相手に感づかれてはいけません。証拠が不十分な段階で相手を問い詰めるのは最も避けるべき行動です。まずは冷静に、客観的に見て「言い逃れができない」と思えるだけの証拠を揃えることに集中しましょう。そして、全ての準備が整ってから、弁護士に相談の上で交渉を開始するのが賢明な戦略です。
【重要】やってはいけない違法な証拠収集
慰謝料を請求したい一心で、行き過ぎた方法をとってしまうと、逆にあなたが法的な責任を問われる可能性があります。以下の行為は絶対に行わないでください。
- 相手のID・パスワードを無断で使ってSNSやメールにログインする行為(不正アクセス禁止法違反)
- 別居中の配偶者の住居に無断で立ち入る行為(住居侵入罪)
- GPSを相手の所持品(カバンなど)に取り付ける行為(プライバシー侵害、ストーカー規制法違反のリスク)
- 相手のスマートフォンに無断で監視アプリをインストールする行為
安全かつ合法的に証拠を集める方法がわからず不安な場合は、ご自身で判断する前に、まずは専門家である弁護士にご相談ください。
【専門家が解説】不倫慰謝料請求の手続きと流れ
慰謝料請求は、一般的に「交渉」→「調停」→「裁判」というステップで進みます。多くは最初の「交渉」段階で解決しますが、全体像を把握しておくことで、落ち着いて対応することができます。

ステップ1:内容証明郵便による交渉(話し合い)
まずは、当事者間での話し合いによる解決を目指します。弁護士に依頼した場合、通常は弁護士が代理人として相手方と交渉を開始します。
交渉の第一歩として、「内容証明郵便」を送付することが一般的です。これは、「いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が証明してくれるサービスです。弁護士名で送付することで、こちらの本気度を伝え、相手にプレッシャーを与える効果も期待できます。
内容証明郵便には、主に以下の内容を記載します。
- 不貞行為の事実
- 請求する慰謝料の金額
- 支払いの期限と振込先
- 期限までに支払いがない場合は法的措置をとる旨
この段階で相手が請求に応じ、双方が合意に至った場合は、後々のトラブルを防ぐために必ず「示談書」を作成します。示談書には、合意した慰謝料の金額、支払方法、接触禁止条項などを明記し、双方が署名・押印します。
ステップ2:交渉がまとまらない場合は「離婚調停」
当事者間の交渉で話がまとまらない場合、次のステップとして家庭裁判所に「夫婦関係調整調停(離婚調停)」を申し立てることが考えられます。(※離婚せずに不倫相手にのみ請求する場合は、地方裁判所での訴訟となります。)
調停は、裁判官と民間の有識者から選ばれた調停委員が間に入り、双方から話を聞きながら、合意による解決を目指す手続きです。裁判のように勝ち負けを決める場ではなく、あくまで「話し合いの場」という位置づけです。
相手と直接顔を合わせることなく、調停委員を介して話し合いを進めることができるため、感情的な対立を避けやすいというメリットがあります。調停で合意が成立すると、その内容は判決と同じ効力を持つ「調停調書」に記載されます。
ステップ3:最終手段としての「訴訟(裁判)」
調停でも合意に至らない(調停不成立)場合、最終的な手段として地方裁判所に「訴訟」を提起することになります。
裁判では、原告(請求する側)と被告(請求される側)が、それぞれの主張とそれを裏付ける証拠を提出し、最終的に裁判官が法律に基づいて判決を下します。判決までには1年以上かかることもあり、精神的・時間的な負担は大きくなります。
ここまで進むと、証拠の有無とその証明力が全てを左右すると言っても過言ではありません。そのため、できる限り交渉や調停の段階で、納得のいく解決を目指すことが望ましいと言えるでしょう。
不倫慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット・デメリット
「弁護士に頼むべきか迷っている」という方も多いでしょう。ここでは、弁護士に依頼するメリットと、正直なデメリットの両方をお伝えします。

メリット:精神的負担の軽減と有利な解決
弁護士に依頼する最大のメリットは、法的な専門知識を駆使して、あなたにとって有利な解決に導ける可能性が高まることです。具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 精神的負担の軽減:不倫をした配偶者やその相手と直接交渉する必要がなくなり、精神的なストレスから解放されます。
- 適切な慰謝料額の算定:過去の裁判例や個別の事情を考慮し、法的に妥当かつ最大限請求できる慰謝料額を算定します。
- 証拠の有効性を判断:集めた証拠が法的に有効か、さらにどのような証拠があれば有利になるかを的確にアドバイスします。
- 交渉を有利に進める:弁護士が代理人となることで、相手方も真摯に対応せざるを得なくなり、交渉がスムーズに進みやすくなります。
- 法的に有効な示談書の作成:将来のトラブルを防ぐための適切な内容を盛り込んだ、法的に有効な示談書を作成します。
当事務所では、原則として弁護士2名体制で案件に対応しており(事案や担当状況により異なります)、多角的な視点から迅速かつ精度の高い提案を行うことが可能です。
デメリット:弁護士費用と費用倒れのリスク
一方で、デメリットとして弁護士費用がかかる点が挙げられます。弁護士費用は主に、依頼時に支払う「着手金」と、事件解決時に成功の度合いに応じて支払う「報酬金」から構成されます。
ここで注意したいのが「費用倒れ」のリスクです。これは、請求できる慰謝料の額よりも、弁護士費用のほうが高くついてしまう状態を指します。例えば、慰謝料として30万円しか獲得できない見込みなのに、弁護士費用が50万円かかってしまっては意味がありません。
私たちは、ご相談いただいた際に、まず慰謝料獲得の見込み額と弁護士費用の概算を丁寧にご説明し、費用倒れのリスクがないかを正直にお伝えします。当事務所では、離婚・男女問題に関する初回のご相談は60分無料(予約制)ですので、まずはそのリスクについて確認するためにお気軽にご利用いただければと思います。

弁護士への相談は「証拠集めの前」が効果的
では、弁護士にはどのタイミングで相談するのがベストなのでしょうか。多くの方が「交渉がうまくいかなくなってから」とお考えかもしれませんが、実は「不倫を疑い、証拠集めを始める前」の段階でご相談いただくのが最も効果的です。
なぜなら、慰謝料請求の成否は、初期段階で「どのような証拠を」「どのように集めるか」という戦略にかかっているからです。
弁護士の視点:早期相談が生んだ「差」
以前、ご相談者様から「夫の不倫を確信しているが、どう動けばいいかわからない」と、まだ何も行動を起こされていない段階でご相談をいただいたケースがありました。私たちは、相手に気づかれないように有効な証拠を集めるための具体的な方法と手順をアドバイスしました。結果、ご相談者様は冷静に、かつ着実に証拠を確保することができ、その後の交渉を極めて有利に進めることができました。最終的には、相手方も言い逃れができず、ご相談者様が納得のいく適切な額の慰謝料を受け取ることができました。
一方で、非常に残念に思うのは、ご自身で行動された後にご相談に来られるケースです。特に、「別居してから探偵に依頼した」という方が少なくありません。別居後の不貞行為の証拠は、夫婦関係が既に破綻していた後のものと判断され、慰謝料請求の根拠としては非常に弱くなってしまう可能性があります。数十万円、場合によっては100万円以上もの高額な調査費用を支払ったにもかかわらず、その証拠がほとんど意味をなさず、結果的に費用倒れになってしまう…。このような事態は、私たちも本当に心苦しく思います。
無駄な費用や労力をかけず、あなたの権利を最大限に守るためにも、動き出す前に、一度私たち専門家にご相談いただきたいと切に願っています。
北九州・小倉で不倫慰謝料にお悩みなら平井・柏﨑法律事務所へ
今回は、不倫慰謝料請求における証拠の集め方から手続きの流れ、弁護士に依頼するメリット・デメリットまでを解説しました。
重要なポイントを振り返ります。
- 慰謝料請求の成否は、客観的で強力な「証拠」にかかっている。
- 証拠集めは、相手に感づかれる前に冷静かつ合法的に行う必要がある。
- 手続きは交渉から始まるが、弁護士に相談するなら「証拠集めの前」が最も効果的である。
配偶者の不倫という大変な状況の中で、法的な手続きをご自身一人で進めるのは、精神的にも時間的にも大きな負担となります。先の見えない不安を抱え込み、どうして良いかわからなくなってしまうこともあるでしょう。
私たち平井・柏﨑法律事務所は、事務所開設以来、一貫して離婚・男女問題に注力し、北九州・小倉の地で多くのご相談者様の悩みに寄り添ってまいりました。豊富な解決実績に基づき、あなたにとって最善の解決策は何かを一緒に考え、ご提案します。
男性弁護士、女性弁護士がともに在籍しておりますので、ご希望に応じて対応することも可能です。プライバシーに配慮した完全個室で、安心してお話しください。
もし今、あなたが一人で悩み、苦しんでいるのなら、どうかその重荷を少しだけ私たちに分けていただけませんか。初回のご相談は60分無料です。未来に向けて新たな一歩を踏み出すために、まずは私たちにご相談ください。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不貞行為の慰謝料請求|請求できる条件とできないケースを弁護士が解説
不貞行為による慰謝料請求をお考えの方へ
「配偶者が不貞行為をしているかもしれない…」「もし事実なら、慰謝料を請求したいけれど、自分のケースで本当に請求できるのだろうか?」
パートナーの裏切りによって心に深い傷を負い、怒りや悲しみ、そして将来への不安で押しつぶされそうな気持ちでいらっしゃるかもしれません。慰謝料を請求するという選択肢を考え始めても、法的な知識がなければ、何から手をつけてよいのか、そもそも請求が認められるのかさえ分からず、途方に暮れてしまうのは当然のことです。
この記事では、離婚・男女問題に注力してきた私たち平井・柏﨑法律事務所の弁護士が、不貞行為の慰謝料請求が認められるための法的な条件や、逆に請求が難しくなるケースについて、専門家の立場から体系的に解説します。
この記事を最後までお読みいただくことで、以下の点が明確になります。
- 慰謝料請求の前提となる「不貞行為」の法的な定義
- 慰謝料請求に不可欠な3つの必須条件
- 多くの方が疑問に思う「LINEのやり取り」がどこまで証拠として有効か
- 不貞行為があっても慰謝料を請求できない具体的なケース
感情的に混乱している時だからこそ、冷静に法的な知識を整理し、ご自身の状況を客観的に見つめ直すことが、未来へ一歩踏み出すための第一歩となります。北九州市小倉で数多くの男女問題に向き合ってきた弁護士が、あなたの悩みに寄り添いながら、分かりやすくご説明します。
そもそも「不貞行為」とは?慰謝料請求の前提を理解する
慰謝料請求を検討する上で、まず理解すべきなのが「不貞行為」の法的な定義です。日常的に使われる「浮気」や「不倫」といった言葉と、法律上の「不貞行為」は、必ずしもイコールではありません。
一般的に「浮気」は、二人きりで食事に行く、手をつなぐなど、配偶者以外の人と親密な関係になることを幅広く指す言葉です。しかし、慰謝料請求が認められる法的な「不貞行為」とは、原則として「配偶者以外の者と自由な意思で肉体関係を持つこと」を指します。
たとえ二人きりで頻繁に会っていたり、LINEで「愛している」といったメッセージを送り合っていたりしても、肉体関係の存在が認められなければ、原則として不貞行為とは判断されず、慰謝料請求は困難になります。なぜなら、慰謝料請求は「平穏な婚姻生活を送る権利」という法的に保護された利益が侵害されたことに対する損害賠償請求であり、その最も重大な侵害が「肉体関係」であると考えられているからです。
まずはご自身の状況が、この法的な「不貞行為」に該当する可能性があるのかを冷静に考えることが、慰謝料請求のスタートラインとなります。
慰謝料請求が認められる3つの必須条件
不貞行為による慰謝料請求が裁判などで法的に認められるためには、以下の3つの条件をすべて満たし、請求する側がそれを証明する必要があります。一つずつ具体的に見ていきましょう。
①不貞行為(肉体関係)があったこと
最も重要かつ基本的な条件は、配偶者と不貞相手との間に肉体関係があったという事実です。先述の通り、単に親密な関係であったというだけでは不十分で、性交渉またはそれに準ずる行為の存在を客観的な証拠によって示す必要があります。
慰謝料を請求する側(被害を受けた配偶者)が、その事実を証明する責任(立証責任)を負います。相手が事実を認めない場合、どのような証拠が有効になるのかについては、後の章で詳しく解説します。
②相手に「故意・過失」があったこと
次に、不貞相手の「故意」または「過失」が問われます。これは、不貞相手が「あなたの配偶者が既婚者であると知っていた(故意)」、あるいは「少し注意すれば既婚者だと分かったはずだ(過失)」という状況を意味します。
例えば、不貞相手が「独身だと嘘をつかれていた」「結婚しているとは夢にも思わなかった」と主張し、それが客観的に見ても信じられる状況であった場合(例:職場でも独身で通しており、指輪もしていなかったなど)、故意・過失が認められず、慰謝料請求ができない可能性があります。
ただし、多くの場合、同じ職場である、SNSで家族の写真を見ていたなど、既婚者であることを知る機会は多いため、「知らなかった」という主張が簡単に認められるわけではありません。
③不貞行為によって権利が侵害されたこと
最後の条件は、不貞行為によってあなたの「平穏な婚姻共同生活を送る権利」が侵害されたことです。夫婦は、互いに協力し、貞操を守りながら平穏な結婚生活を送る権利と義務を持っています。不貞行為は、この権利を根本から破壊する行為(不法行為)とみなされ、精神的苦痛に対する損害賠償、すなわち慰謝料請求の根拠となります。
しかし、もし不貞行為が始まる前からすでに夫婦関係が冷え切り、修復不可能な状態にあった場合はどうでしょうか。その場合、そもそも保護されるべき「平穏な婚姻共同生活」が存在しなかったと判断され、権利侵害が認められないことがあります。これが、次の章で解説する「婚姻関係の破綻」の問題につながります。
【重要】LINEのやり取りはどこまで証拠になる?
不貞行為の証拠として、多くの方がまず思い浮かべるのがLINEなどのメッセージアプリのやり取りではないでしょうか。スマートフォンの普及により、LINEの履歴は不貞の証拠として提出されるケースが非常に増えています。しかし、その内容次第で証拠としての価値は大きく変わります。ここでは、弁護士としての実務経験に基づき、その境界線を具体的に解説します。

証拠として不十分なLINEの例
残念ながら、単に親密さを示すだけのやり取りは、不貞行為(肉体関係)を直接証明する証拠としては不十分と判断されることがほとんどです。
- 「好きだよ」「愛してる」といった愛情表現の応酬
- 「早く会いたいね」「次はいつ会える?」といったデートの約束
- 二人で食事や飲みに行ったことが分かる会話
- ハートマークなどの絵文字やスタンプの多用
これらの内容は、二人が恋愛感情を抱き、親密な関係にあったことを示すものではありますが、それだけでは「肉体関係があった」とまでは断定できません。裁判所は客観的な事実を重視するため、「友人として仲が良かっただけ」と言い逃れされる余地が残ってしまうのです。
証拠として有効性が高いLINEの例
一方で、以下のような内容は肉体関係を直接的、あるいは間接的に強く推認させるため、証拠として非常に有効です。
- 性交渉があったことを直接示す言葉や、具体的な行為を思い起こさせる会話
(例:「昨日は激しかったね」「あの体位が…」など) - ラブホテルへの出入りや宿泊をうかがわせるやり取り
(例:「〇〇(ホテルの名前)に着いたよ」「次はいつ泊まれるかな?」など) - 避妊に関する会話や、妊娠を心配するような内容
- 裸の写真や、性的な内容の画像の送受信
このようなやり取りがあれば、当事者が肉体関係を否定しても、客観的に見て性交渉があったと強く推認され、有力な証拠となります。
弁護士の視点:証拠の「推認力」が鍵
私たち弁護士が証拠を検討する際、「推認力(すいにんりょく)」という言葉をよく使います。これは、ある証拠が特定の事実(この場合は肉体関係)をどれだけ強く推測させるか、その力を指します。
「好き」というメッセージだけでは、肉体関係があったとまでは推認できません。しかし、「昨日のホテル、良かったね」というメッセージは、肉体関係があったことを非常に強く推認させます。裁判では、このように直接的な表現がなくとも、「社会通念上、この文脈であれば肉体関係があったと考えるのが自然だ」と判断されるかどうかが重要になります。
ご自身で判断に迷うメッセージでも、弁護士が見れば有効な証拠となる可能性は十分にあります。逆に、ご自身では決定的だと思っていても、法的には弱いと判断されることも少なくありません。証拠の評価は非常に専門的な領域ですので、安易に自己判断せず、専門家にご相談いただくことが重要です。
LINE以外の有効な証拠の例
LINEの履歴は有力な証拠になり得ますが、それだけに頼るのは危険です。相手がアカウントを削除したり、スマートフォンを初期化したりする可能性もあります。複数の証拠を組み合わせることで、立証の確実性は格段に高まります。
- 写真・動画:ラブホテルに出入りする場面、部屋で裸で写っている写真など。
- 音声データ:不貞行為を認める会話の録音。
- クレジットカードの明細や領収書:ラブホテルや遠方の宿泊施設の利用履歴。
- GPSの記録:ラブホテルや不貞相手の自宅などに長時間滞在した記録。
- 手帳や日記:不貞行為に関する具体的な記述。
- 探偵事務所の調査報告書:客観性と証拠能力が高く、非常に有効です。
- 第三者の証言:不貞の事実を知る友人や知人の証言。
これらの証拠を複数組み合わせることで、言い逃れのできない強固な立証が可能になります。
不貞行為があっても慰謝料を請求できない4つのケース
不貞行為の事実があり、証拠も揃っているように見えても、慰謝料請求が認められない、あるいは大幅に減額されてしまうケースが存在します。ご自身の状況が当てはまらないか、慎重に確認してください。
ケース1:不貞行為以前から婚姻関係が破綻していた
不貞行為が始まるよりも前に、夫婦関係がすでに修復不可能なほど冷え切っていた(破綻していた)と判断される場合、慰謝料請求は認められません。例えば、長期間の別居、離婚調停中、家庭内別居で全く会話や交流がない、といった状況がこれにあたります。
これは、不貞行為によって保護されるべき「平穏な婚姻共同生活」が、その時点ですでに存在しなかったと考えられるためです(最高裁平成8年3月26日判決)。ただし、単なる夫婦喧嘩や一時的な不仲程度では「破綻」とは認められません。どの時点をもって破綻と判断するかは法的に難しい問題ですので、専門家の判断が必要です。
参考:夫の不倫相手に損害賠償請求できるか-婚姻関係破綻して …
ケース2:慰謝料請求の時効が成立している
慰謝料請求権には「消滅時効」という期間の制限があります。この期間を過ぎてしまうと、たとえ不貞の事実があっても請求する権利が失われてしまいます。時効には2つの起算点があります。
- 不貞の事実と不貞相手を知った時から3年
- 不貞行為があった時から20年
このどちらか早い方が到来した時点で、時効が成立します。例えば、5年前に不貞行為があったことを最近知った場合、知った時から3年以内であれば請求は可能です。しかし、21年前にあった不貞の事実を最近知った場合は、20年の時効が成立しているため請求できません。「いつ知ったか」が重要なポイントになります。

ケース3:すでに十分な慰謝料を受け取っている
不貞行為は、不貞をした配偶者と不貞相手の二人による「共同不法行為」とされます。そのため、被害者であるあなたは、どちらか一方、あるいは両方に対して慰謝料を請求できます。
しかし、例えば不貞をした配偶者から、すでに十分な金額(裁判上の相場額など)の慰謝料を受け取っている場合、精神的苦痛に対する損害はすでに補われたとみなされ、重ねて不貞相手に請求することは原則としてできません。損害の二重取りは認められないためです。
ケース4:脅迫など自由な意思に基づかない肉体関係だった
慰謝料請求が認められるのは、不貞相手が「自由な意思」で肉体関係を持った場合に限られます。もし、あなたの配偶者が不貞相手を脅迫したり、暴行を加えたりして無理やり肉体関係を強要したようなケースでは、不貞相手に慰謝料を請求することはできません。
この場合、不貞相手は加害者ではなく、むしろ被害者となります。したがって、慰謝料請求の対象は、不法行為を行った配偶者のみとなります。
慰謝料請求でお悩みなら、まずは弁護士にご相談ください
ここまで見てきたように、不貞行為の慰謝料請求には、法的な条件の確認、証拠の有効性の判断、相手方との交渉など、多くの専門的な知識と経験が不可欠です。
「このLINEのやり取りは証拠になるだろうか?」
「私たちの夫婦関係は『破綻』にあたるのだろうか?」
「相手が事実を認めない場合、どうすればいい?」
このような疑問や不安を一人で抱え込み、精神的に追い詰められてしまう方も少なくありません。弁護士にご相談いただければ、あなたの状況を法的な観点から冷静に分析し、慰謝料請求が可能かどうかの見通しや、今後取るべき具体的なステップを的確にアドバイスすることができます。また、弁護士が代理人として交渉することで、ご自身の精神的な負担を大幅に軽減し、感情的な対立を避けながら、適切な解決を目指すことが可能になります。
当事務所は、開設以来、離婚・男女問題に一貫して注力し、北九州・小倉の地で関連案件を多数扱ってまいりました。一つの案件に対し原則として弁護士2名体制で迅速に対応し、男性・女性双方の弁護士が在籍しているため、ご相談者様のご希望に沿ったきめ細やかなサポートが可能です。交渉で話がまとまった際には、後々のトラブルを防ぐために法的に有効な弁護士が離婚協議書(離婚給付契約)を作成するメリットもございます。
配偶者の不貞行為でお悩みの方は、どうか一人で抱え込まず、私たちにご相談ください。あなたの心を少しでも軽くし、未来に向けて新たな一歩を踏み出すお手伝いをいたします。当事務所では、離婚・男女問題に関する初回のご相談は60分無料でお受けしております。まずはお気軽にお問い合わせください。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不倫慰謝料が高額になるケースとは?増額・減額の要因を解説
不倫慰謝料の相場と「高額」の基準
配偶者の不倫が発覚したとき、心に負った深い傷に対して、どれくらいの慰謝料が認められるのか、多くの方が疑問に思われることでしょう。慰謝料の金額は法律で一律に決まっているわけではなく、個別の事情によって大きく変動します。まずは、裁判実務における一般的な相場と、「高額」と判断される基準について知ることで、ご自身の状況を冷静に見つめる第一歩としましょう。
離婚の有無で変わる慰謝料の基本的な相場
不倫慰謝料の金額を左右する最も大きな要因は、不倫が原因で婚姻関係がどうなったかという点です。平穏な家庭生活がどの程度壊されてしまったかによって、精神的苦痛の大きさが判断されるためです。
- 離婚に至った場合:100万円~300万円程度
不倫によって夫婦関係が完全に破綻し、離婚せざるを得なくなったケースです。婚姻生活を続けるという選択肢を奪われた精神的苦痛は最も大きいと判断され、慰謝料は高額になる傾向があります。 - 離婚はしないが別居した場合:100万円~150万円程度
離婚には至らないものの、不倫が原因で夫婦が別居状態になったケースです。婚姻関係が破綻に近い状態にあると評価され、離婚した場合に次いで高額になる可能性があります。 - 離婚も別居もせず、婚姻関係を継続する場合:50万円~100万円程度
夫婦関係を再構築することを選んだケースです。婚姻関係が破綻するまでには至らなかったと判断されるため、慰謝料の額は比較的低くなる傾向にあります。
これらの金額はあくまで目安です。後述するように、不倫の態様や期間など、様々な事情が考慮されて最終的な金額が決まります。
裁判で「高額」と判断される慰謝料の目安とは
一般的に、裁判所が認める慰謝料額が300万円を超えると、「高額」なケースと評価されることが多いです。テレビドラマのように「慰謝料1000万円」といった請求を目にすることがありますが、実際に裁判でそのような金額が認められるのは、極めて稀なケースに限られます。
例えば、不倫相手を妊娠・中絶させた、長期間にわたり家庭を顧みず不倫相手と生活していたなど、極めて悪質で反社会性の高い事情が重なった場合に、500万円を超えるような高額な慰謝料が認められる可能性が出てきます。
大切なのは、感情的に高額な請求をするのではなく、ご自身のケースではどのような事情が慰謝料額に影響するのかを、法的な観点から冷静に分析することです。

慰謝料が高額になる9つの増額要因
それでは、具体的にどのような事情があれば、慰謝料は相場よりも高額になるのでしょうか。ここでは、裁判で増額の要因として考慮される9つのポイントを、実際の判例とともに解説します。ご自身の状況と照らし合わせながらご確認ください。
1. 不貞行為の期間が長く、回数が多い
不貞行為の期間が長く、その回数が多いことは、精神的苦痛の大きさを裏付ける重要な要素です。一度きりの過ちではなく、長期間にわたって裏切り行為が繰り返されていたという事実は、被害者の心を深く傷つけます。例えば、「数年間にわたり、月に数回の頻度で肉体関係が継続していた」といったケースでは、行為の常習性や悪質性が高いと判断され、慰謝料が増額される傾向にあります。
2. 不貞行為が悪質・反社会的である
不貞行為の態様そのものが悪質であったり、社会的な常識を逸脱していたりする場合、慰謝料は大幅に増額される可能性があります。具体的には、以下のようなケースが挙げられます。
- 夫婦の自宅(特に寝室)で不貞行為に及んだ
- 不倫相手を妊娠させ、中絶させた
- 特殊な性的関係を強要した
- 不倫関係を周囲に吹聴するなど、名誉を傷つける行為があった
これらの行為は、被害者の尊厳を著しく踏みにじるものであり、裁判所も強い非難に値すると判断します。
3. 不倫が原因で離婚・別居に至った
前述の通り、不倫によって平穏な婚姻生活が破壊され、離婚や別居という最も重大な結果を招いた場合、慰謝料は最も高額になります。長年連れ添った配偶者との生活基盤を根底から覆された精神的苦痛は、計り知れないものと評価されるためです。
4. 婚姻期間が長い
結婚してから不倫が発覚するまでの期間が長いほど、慰謝料は増額される傾向にあります。例えば、結婚20年、30年の夫婦の場合、長年にわたって共に築き上げてきた信頼関係、家族の歴史、生活のすべてが裏切られることになります。その精神的ダメージは、結婚して間もない夫婦とは比べものにならないほど大きいと判断されるのです。
5. 未成熟の子どもがいる
まだ親の保護が必要な未成熟の子ども(一般的に未成年者)がいる家庭での不倫は、慰謝料の増額事由となります。不倫によって家庭環境が悪化し、子どもたちの健全な成長に悪影響を及ぼす可能性が高いからです。特に、不倫が原因で離婚し、片親での子育てを余儀なくされることになった親の精神的負担は非常に大きいと判断されます。
6. 被害者が精神疾患を患った
配偶者の不倫という強い精神的ショックが原因で、うつ病や適応障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などを発症してしまった場合、それは客観的な損害として慰謝料の増額に繋がります。この場合、医師の診断書が不倫と精神疾患との因果関係を証明する重要な証拠となります。
7. 加害者の社会的地位が高い・収入が多い
慰謝料には、被害者の精神的苦痛を慰めるという側面に加え、加害者に対する「制裁」という意味合いも含まれます。そのため、不倫をした配偶者や不倫相手の社会的地位が高かったり、収入や資産が多かったりする場合、その支払い能力に応じて慰謝料が増額されることがあります。ただし、支払い能力だけで金額が決まるわけではなく、あくまで他の要因と総合的に判断されます。
8. 加害者に反省の色が見られない
不倫が発覚した後も、謝罪の言葉一つなく開き直ったり、嘘をつき続けたり、あるいは不倫関係を継続したりするような不誠実な態度は、被害者の心をさらに傷つけます。このような態度は、反省の念がないとして裁判官の心証を著しく悪化させ、慰謝料の増額事由として明確に考慮されることがあります。
9. その他、特段の事情があるケース
これまでにご紹介した典型的な要因以外にも、個別の事案における特殊な事情が慰謝料額に大きな影響を与えることがあります。
弁護士の視点:当事務所が経験した特殊な高額認容事例
当事務所で取り扱った事案の中には、一般的な不貞とは性質が異なる特殊な事情が認められ、通常より高額な賠償が認められたケースがあります(個別事案の詳細は依頼者のプライバシー保護のため公表しておりません)。
このように、一つひとつの事案には、教科書通りにはいかない、その方だけの深い苦しみや特殊な背景が存在します。私たちは、そうした声にならない思いを法的な主張として丁寧に汲み取り、法的に適切な賠償額の実現を目指します。
高額な慰謝料請求が減額されるケースとは?

一方で、高額な慰謝料を請求されたとしても、必ずしもその全額が認められるわけではありません。請求される側にも、慰謝料の減額を主張できる事情があるかもしれません。どのような場合に減額の可能性が出てくるのかを見ていきましょう。
不貞行為以前から婚姻関係が破綻していた場合
不貞行為が始まるよりも前に、夫婦関係がすでに修復不可能なほど冷え切っていた場合、慰謝料は大幅に減額されるか、認められないことさえあります。法律が保護するのは「平穏な婚姻共同生活」であり、それがすでに存在しないのであれば、不貞行為によって新たに侵害される利益もない、という考え方です。
例えば、長期間にわたる家庭内別居状態であったり、何年も性交渉がなかったり、離婚協議を具体的に進めていたりといった事情がこれにあたります。ただし、「夫婦喧嘩が絶えなかった」という程度では破綻とは認められにくく、客観的な証拠をもって「破綻」を立証する必要があります。
請求者側にも責任(有責性)がある場合
不貞行為に至った原因の一端が、請求者側にもあると判断される場合、その責任の度合いに応じて慰謝料が減額されることがあります。これを法律用語で「過失相殺」といいます。
例えば、請求者側が日常的にDVやモラルハラスメントを行っていた、正当な理由なく性交渉を拒否し続けていた、生活費を全く渡さなかったなどの事情があれば、それが不貞行為の引き金になったとして考慮される可能性があります。
不貞の程度が軽微である場合
不貞行為の期間がごく短かったり、回数が一度きりであったりするなど、行為の程度が軽微と判断される場合、精神的苦痛も比較的小さいと評価され、慰謝料は低額になる傾向があります。ただし、一度きりの関係であっても、それが計画的なものであったり、悪質な態様であったりすれば、必ずしも低額になるとは限りません。
高額な不倫慰謝料を請求するための方法と注意点
適正な、そして可能な限り高額な慰謝料を獲得するためには、感情的に相手を責めるだけでは不十分です。法的な手続きに沿って、戦略的に準備を進める必要があります。

【最重要】増額を裏付ける客観的な証拠を集める
高額な慰謝料請求の成否は、どれだけ質の高い証拠を集められるかにかかっていると言っても過言ではありません。証拠は、「不貞行為があったこと」を証明するだけでなく、「期間が長かったこと」や「態様が悪質だったこと」といった増額要因を裏付けるものでなければなりません。
<有効な証拠の例>
- 肉体関係があったことがわかるLINEやメールのやり取り
- ラブホテルに出入りする写真や動画
- 配偶者や不倫相手が不貞行為を認めた音声データや念書
- 探偵事務所(興信所)の調査報告書
- クレジットカードの利用明細やホテルの領収書
ただし、相手のスマートフォンに無断でスパイアプリを仕掛けるなど、違法な手段で証拠を収集すると、その証拠が裁判で使えなくなったり、逆に損害賠償を請求されたりするリスクもあるため注意が必要です。
内容証明郵便で慰謝料を請求する
証拠がある程度集まったら、交渉の第一歩として、弁護士名で「内容証明郵便」を送付することが有効です。内容証明郵便には、以下のような効果が期待できます。
- 請求の意思を明確に示す:慰謝料を請求するという本気の姿勢を相手に伝えます。
- 心理的プレッシャーを与える:弁護士の名前で送ることで、事の重大さを認識させ、交渉に応じさせる効果が高まります。
- 時効の完成を猶予させる:慰謝料請求権の時効(損害及び加害者を知った時から3年)の完成を一時的に止めることができます。
内容証明郵便は、請求内容や送達日時を証拠化できるため、時効の進行を抑えるための「催告」手段として用いられることがあります(民法150条)。ただし、内容証明自体が自動的に時効を停止・中断するわけではなく、催告後は6か月以内に訴訟等の法的手続きをとる必要があります。
交渉がまとまらない場合は訴訟(裁判)を提起する
当事者間での話し合いで慰謝料の金額や支払方法について合意ができない場合は、裁判所に訴訟を提起することになります。訴訟には、裁判官という第三者が法に基づいて公平な判断を下してくれるというメリットがあります。判決が出れば、相手が支払いに応じない場合でも、給料や財産を差し押さえるといった強制執行が可能になります。
一方で、裁判には時間や費用、そして精神的な負担がかかるというデメリットもあります。訴訟に踏み切るべきかどうかは、証拠の強さや相手の態度などを総合的に考慮して慎重に判断する必要がありますので、専門家である弁護士に相談することが不可欠です。
高額な不倫慰謝料でお悩みなら、まずは弁護士にご相談ください

ここまで見てきたように、不倫慰謝料の金額は、本当に様々な事情によって大きく変わります。請求する側も、される側も、ご自身のケースが法的にどのように評価されるのかを正確に把握しなければ、相手の言い分に振り回されたり、本来得られるはずの権利を逃してしまったりするかもしれません。
配偶者の裏切りに深く傷つき、怒りや不安で冷静な判断が難しい状況にあることと思います。そのようなときこそ、あなたの味方となり、法的な観点から冷静に状況を分析し、最善の解決策を一緒に考えてくれる専門家の力が必要です。
平井・柏﨑法律事務所は、これまで数多くの離婚・男女問題、特に不倫慰謝料請求の事案を解決に導いてまいりました。当事務所では、初回の法律相談は60分無料です(事前予約制。ご相談内容によっては有料となる場合がございますので、詳しくはお問い合わせください)。男性弁護士、女性弁護士が複数在籍しておりますので、「話しやすい同性の弁護士に相談したい」といったご希望にもお応えできます。
一人で抱え込まず、まずはあなたのその苦しい胸の内をお聞かせください。私たちが、あなたの未来への一歩を全力でサポートします。
お気軽にお問い合わせください。
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平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
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特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
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不貞(不倫)慰謝料の裁判例の紹介(夫と相手方女性に性的関係があったかは明らではないが、相手方女性が夫と同居生活を続けていた場合における慰謝料額)
1 本事案の概要
ご紹介する裁判例は、東京地方裁判所平成27年5月27日判決です。
女性Yは、Xの夫であるAとの交際を開始し、その後約5年間にわたり同居生活を続けていました。
これに対し、Yは、Aが性的不能であり、不貞行為が成立する余地はないと主張しました。
そこで、妻Xは、YがAと不貞(不倫)関係にあり、その結果夫婦関係が破綻したとして、Yに対して500万円の慰謝料を請求しました。
2 認容された慰謝料額
300万円
3 算定にあたって考慮された事情
⑴ 不法行為の成立について
Aが、全く性的不能であったか否かは疑わしいが、仮に、YとAとの間に、性的関係がなかったとし ても、Yが、Xと婚姻関係にあるAと同居生活を続けている以上、不法行為が成立し得ることは、当然である。
⑵ 増額事情
・XとAの婚姻期間が約15年であること
・X及びAが、それぞれ相手の連れ子と養子縁組をしていること
・XとAの自宅土地建物が、夫婦の共有となっており、取得あるいは新築の資金調達のために、Xが所有する不動産に抵当権が設定されるなど、XAは財産関係でも密接な関係にあること
・Aの会社の経営に、Xが深く関与していること
・YがAと別れることには否定的とみられること
⑶ 減額事情
・YA間の関係について、Yが、主導的立場であったという事情はみられないこと
4 弁護士からのコメント
本事案における特殊性としては、裁判所が、YとAの性的関係(肉体関係)の有無を認定することなく、YとAが長期間にわたり同居生活続けたことをもって不法行為の成立を認めた点にあります。
一般的には性的関係(肉体関係)が認められない場合には、不法行為が成立せず、慰謝料も発生しないことが多いです。しかし、婚姻関係にある者が他者と長期間にわたり同居生活を続ければ、婚姻関係が破綻に至ることは明らかですので、本事案における裁判所の判断は妥当なものと考えられます(なお、判決時点においてXとAは離婚していないようですが、裁判所は破綻したと認定しています。)。
また、不倫や浮気(不貞)により夫婦関係が破綻するに至った場合の慰謝料としては、150万円前後が基準となることが多い印象です。
そうすると、300万円という慰謝料額は、裁判所が性的関係(肉体関係)の有無を認定していないことを考慮すると、かなり高額といえます。その理由としては、XとAの婚姻関係に問題がなく、財産関係でも密接な関係にあったにもかかわらず、長期間にわたり同居生活を続けたという特殊事情を裁判所が重く見たということができます。
このように、本事案は、性的関係(肉体関係)が明確に認められなくとも、長期間にわたり同居生活を続けていた等の事情があれば、不法行為が成立し慰謝料が発生する可能性があることを示すものといえます。もっとも、慰謝料額が高額となっている点については、考慮要素としては挙げられていませんでしたが、Aが高額な年収(3500万円程度)を得ており、そのAとの婚姻関係が破綻したことも事実上考慮している可能性があります。そのため、300万円という慰謝料金額については一般化できるものではないと思料されますので注意が必要です。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
離婚や男女問題でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。まずはお気軽にお問い合わせください。
不貞(不倫)慰謝料の裁判例の紹介(夫が自宅において妻と密会中の不貞相手と鉢合わせた場合の慰謝料額)
1 本事案の概要
ご紹介する裁判例は、東京地方裁判所平成22年12月21日判決です。
不貞(不倫)相手であるYは、妻Aと約3年間にわたり不貞行為を重ね、その間に夫Xが自宅においてAと密会中のYと鉢合わせたこともありました。その結果、XA夫婦は別居に至り、Xは、Aの不貞(不倫)相手であるYに対して300万円の慰謝料を請求しました。
2 認容された慰謝料額
180万円
3 算定にあたって考慮された事情
⑴ 増額事情
・YがAと不貞行為に及んだことによって、AとXとの婚姻関係は破綻したこと
・平成18年5月ころから平成21年4月ころまでの約3年間という長期間にわたるものであること
・YとAは、平成19年ころ、夜にXとAの自宅で会っており、Aが、同所の浴室にてシャワーを浴びて いたところ、Xが帰宅してYと遭遇し、Yは、Xから直ちに出て行くように告げられて、同所を立ち去ったこと
⑵ 減額事情
・XとAとの間の婚姻関係には、性的交渉が少ないという問題があることについて夫婦間の共通認識があったこと
4 弁護士からのコメント
本事案においては、YとAの不倫(不貞)により、XA夫婦の婚姻関係は破綻するに至りました(なお、判決時点においてXとAは離婚していないようですが、裁判所は破綻したと認定しています。)。
不倫や浮気(不貞)により夫婦関係が破綻するに至った場合の慰謝料はとしては、150万円前後が基準となることが多い印象です。また、本件においては、XとAの夫婦関係には問題があったという減額事情がありました。
そうすると、180万円という慰謝料額は、相場と比べると高額であり、具体的な加算額は不明ではありますが、夫が自宅において妻と密会中の不倫(不貞)相手と鉢合わせたという特殊事情を裁判所が重く見たということができます。これは、不倫(不貞)相手と自宅で鉢合わせることによる精神的苦痛は甚大であると考えられることからすれば、相当な判断だと考えられます。
このように、自宅において配偶者と密会中の不倫(不貞)相手と鉢合わせたという事情は、慰謝料の増額事情になるといえるだけでなく、鉢合わせた際の事情(行為中であったか等)も影響を与えるものと考えられます。

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不貞(不倫)慰謝料の裁判例の紹介(不貞行為以前から夫婦関係が相当程度冷却化、悪化していた場合の慰謝料額)
1 本事案の概要
ご紹介する裁判例は、東京地方裁判所平成21年8月31日判決です。
夫Aは妻Xに対して、婚姻前に交際していた女性と生活するため離婚したいと言い出したことがありましたが、XとAは離婚しませんでした。その後、AとYが不貞関係を持ったことが発覚し、XA夫婦は離婚するに至りました。そのため、Xは、Aの不貞(不倫)相手であるYに対して慰謝料300万円の請求をしました。
2 認容された慰謝料額
60万円
3 算定にあたって考慮された事情
⑴ 増額事情
・特になし
⑵ 減額事情
・XとAの夫婦関係は、AとYが知り合う前である平成12年ころから冷却化しており、必ずしも円満、良好なものであったとはいえず、XとAが離婚するに至った主たる原因は、冷却化していたXとAの夫婦関係や家族関係にあったこと
・このような家族関係に悩んでいたAが、職場での勤務条件等の調整を契機にYに家族の問題を相談する等し、相談に乗っていたYがAと不貞関係を持つに至ったこと
・Yの不貞行為が、XA夫婦が離婚した主たる原因とまではいえないものの、他方で、Yとの不貞行為が離婚に至る要因の一つであり、契機となったこと
・AとYとの関係は一過性のものであって、現在、職場の上司としての関係を超える交際もなく、Aも、Yとそれ以上の関係を望んでいないこと
4 弁護士からのコメント
本事案において、Yとの不貞(不倫)があった後、XA夫婦は離婚しました。不倫や浮気(不貞)を理由に離婚に至った場合の慰謝料額については、過去の裁判例などからすると150万円前後になることが多いです。
そうすると、本事案における60万円という慰謝料額は、離婚した場合の慰謝料額としては低額であるとも考えられます。
この点、不倫や浮気(不貞)が原因で離婚するに至った場合に慰謝料額が上記のような金額になるのは、不貞(不倫)が「原因」で離婚にまで至ってしまったから、すなわち、精神的な苦痛がそれだけ大きいといえるからです。
しかし、本事案において、XとAの夫婦関係は、既に相当程度冷却化しており、Yの不貞行為は、離婚の要因の一つでしかないため、不倫や浮気(不貞)が原因で離婚する場合と比べて精神的苦痛は大きくないといえます。
裁判所は特にこの点を重視し、本事案における慰謝料額を認定したものと考えられます。もっとも、不倫や浮気(不貞)が離婚の直接的な原因となったのか、それとも要因の一つにすぎないのかといった判断については明確な基準があるわけではなく、事案ごとに判断していかなければならないものです。
そのため、このような点についてお悩みの方は、離婚・男女問題に注力する弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

平井・柏﨑法律事務所は、北九州市を中心に福岡県内の離婚・男女問題に特化した法律事務所です。
財産分与や慰謝料請求、親権、養育費など、複雑な法律問題を数多く解決してきた豊富な実績とノウハウが強みです。
特に、ご相談者様のお話を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案することで、不安な気持ちを和らげ、未来へ踏み出すお手伝いをいたします。
また、複数の男女弁護士が在籍しているため、ご希望に応じて話しやすい弁護士が担当することも可能です。
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